「美白はかならずしも美肌になるとは限らない」~美白効果を得るためのメカニズム~
目次
シミを防ぐために効果的な対策
効率よく美白効果を得るには、様々な経路を抑えた方がいい。いくつかあるシミ発生経路、それぞれに働きかける成分を複数種類組み合わせて使うことで、シミ予防ケアを効率よく行うことができます。私が実際に行ってる方法をご紹介しますので、美白化粧品のを選ぶ際の参考にしてください。
①間違ったメラニン生成の指令をストップする
☞紫外線を強く浴びてしまったときは、「トラネキサム酸」が配合された製品を取り入れて、炎症によるダメージを深刻化させないように、いつも以上に保湿を心がけます。
②過剰なメラニン生成をブロックする
☞「ビタミンC誘導体」や「コウジ酸」など複合的に配合された化粧品を継続して使い、特にシミが気にやすい方の高い部分には、「4MSK」が配合された美白化粧品でスペシャルな対策を行います。
③メラニンの受け渡しを抑制する
☞複数の美白美容効果が一遍に期待できる「ナイアシンアミド」は、日頃からスキンケアに取り入れましょう。
美化粧品の落とし穴
美白化粧品を使ったら逆にシミが濃くなった気がするという声をたまに聞きますが、これには理由があります。美白化粧品を使用すると、まずシミがない部分の肌色が薄くなることがあり、その結果シミが濃くなったように目が錯覚してしまうケースがあるようです。
シミができている部分は、肌の構造自体がもろくなっている状態です。化粧品の効果が現れるのにも時間がかかりやすいことを覚えておきましょう。また、美白化粧品を肌全体の色調を白くすると思ってる方もたまにお見かけしますが、美薬部外品の有効成分で認められている美白とは、「日焼けによるシミ、そばかすを防ぐ」効果・効能です。
ご自身が持つ肌を元々の色より白くすることはできないことを認識しておきましょう。ただ、シミやそばかすが予防されることで、肌全体の色調が明るく感じられるようになったり、自分に合ったスキンケアが見つかり、肌全体の水分量が増えると透明感が上がった印象になり、その結果「色が白くなった!」と感じる方もいらっしゃると思います。
色が白いと言われたとしても、元々の肌色自体はそれほど白くはないことがほとんどです。また近年、美白という言葉は肌色による人種差別を固定化する原因になるとして、世界的にマーケティングで使用することを制限する動きも見られています。
シミを防ぐために① 間違ったメラニン生成の指令をストップする
「トラネキサム酸」はとにかく大好きな美容成分の1つで、敏感肌でも使いやすくし、使用実績が長いため安全性が高いのがうれしいポイントです。先に述べたように、トラネキサム酸は「プラスミン」という炎症に関わる物質の生成を阻止してくれる成分です。
プラスミンが増えると炎症成分である「ヒスタミン」などを誘発し、肌荒れやニキビができやすくなることで知られています。また、これらがメラノサイトという色素細胞を刺激してメラニンを過剰に生成するとシミになることがわかっています。「肝斑」と言われる女性に多いシミにも効果が確認されており、内服薬としても使用されています。
後ほど説明する毛穴トラブル対策にも取り入れたい成分で、複合的な効果が期待できるので、美白の第一選択肢に私が推している美容成分になります。また、「トラネキサム酸」は医薬部外品にしか配合できない成分であり、医薬部外品の化粧品は成分の配合濃度が担保されているため効果が望みやすいことからも使用を推奨されています。
<おすすめ化粧品①>
◇エトヴォス 薬用ホワイトニング クリアセラム
☞「トラネキサム酸」をはじめ、炎症抑える成分のほかに、「ヒト型セラミド」などの保湿成分の配合が特徴。敏感肌でも美白ケアをしたい方に。
◇肌ラボ 白潤プレミアム 薬用浸透美白化粧水
☞美白成分「トラネキサム酸」の他に「ビタミンC誘導体」「ビタミンE」や炎症を抑える成分も配合されているのがポイント。
◇肌美精 ターニングケア美白 薬用美白美容液
☞「トラネキサム酸」と「高純度ビタミンC」の2つの有効成分を配合。
シミを防ぐために② 過剰なメラニン生成をブロックする
過剰なメラニンの生成を抑える美白有効成分には種類が多いですが、その中でも特に気に入っているのは「4MSK」という美白有効成分です。正式名称は「4ーメトキシサリチル酸カリウム塩」といい、それぞれの頭文字を取って「4MSK」と呼ばれています。
メラニンを作るために必要な酵素「チロシナーゼ」に働きかけることで、メラニンの生成を抑制すると同時に排出を促す効果も期待できる、一石二鳥っぷりがありがたい優秀な成分です。資生堂が開発した美白成分で、化粧品に配合するのが難しいため特許は切れていますが、配合されているのはほとんどが資生堂の製品です。
また、「コウジ酸」もお気に入りの1つです。味噌や醤油の製造に使用される麹を扱う職人さんの手が白く滑らかであることから盛んに研究が始まった成分で、KOSEの製品のが真っ先に思い浮かぶ方も少なくないかもしれません。こちらも「チロシナーゼ」に働きかけ、メラニン生成を抑えてくれる効果が期待できる成分となります。
<おすすめ化粧品②>
◇メラノCC 薬用しみ集中対策 プレミアム美容液
☞4種のビタミンC、4種の有効成分が配合されているのにドラッグストアで買える破格の美容液。ビタミンCケアの入門編として。
◇トゥヴェール 薬用モイスチャー ローション
☞「トラネキサム酸」と「VCエチル」という「ビタミンC誘導体」が配合された美白化粧品。さっぱりした使用感なので、脂性肌の方の美白ケアにはぴったり。
◇ONE BY KOSE メラノショット ホワイトⅮ
☞美白有効成分「コウジ酸」配合。KOSEと言えばコウジ酸のイメージが強く、頼れる1本。
◇HAKU メラノフォーカスZ
☞資生堂独自の美白成分「4MSK」と「mートラネキサム酸」がダブル配合されているのが処方のポイント。
◇ちふれ 美白化粧品w しっとりタイプ
☞美白成分「アルブチン」と安定型ビタミンC誘導体によるダブルアプローチが可能な化粧水。
シミを防ぐために③ メラニンの受け渡しを抑制する
化粧品好きだったら、最近最も名前を見かけることが多い美容成分が「ナイアシンアミド」(ビタミンB3)かもしれません。詳しくは後述しますが、美白効果の他にも高シワの有効成分としても知られていて、注目度がアップしている成分です。美白成分としては、メラノサイトで作られたメラニンを受け渡すのを邪魔して肌が黒くなるのを防いでくれます。
データ上では他にも幅広い美肌効果(コラーゲンの産生促進、セラミドの産生促進、バリア機能向上、ニキビへの効果など)が期待されており、総合的な肌力を向上してくれるイメージの美容成分です。最近ではドラッグストアで気軽に買える価格帯の製品も増えているのが嬉しいポイントですね。
とりあえず何か1つ美白化粧品を取り入れておきたいという方に特におすすめの美白有効成分です。
<おすすめ化粧品③>
◇サナ リンクルターン 薬用コンセントレート セラムホワイト
☞美白有効成分「ナイアシンアミド」は、シワ改善の効能も認められていて、ダブルのケアができるのが特徴。「ピュアレチノール」も配合。
◇モイスチュアマイルド ホワイトパーフェクトエッセンス
☞美白有効成分「ナイアシンアミド」配合で驚きのプチプライス。ナイアシンアミド人気の火付け役になったオールインワン製品。
◇ザ マイトル エッセンス
☞洗顔後、スキンケアの最初に使うタイプの「ナイアシンアミド」配合の美容液。ナノカプセル化技術を採用することで浸透力を強化。
次回、「シワ・たるみのない肌を目指す」~シワに効く有効成分とは?~
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