「あなたのスキンケアに効果がないのはなぜ?」~原因は腸内環境が悪いから~
目次
化粧品選びよりも大事な内側からのスキンケア
化粧品でもキレイにならない理由
今回は、洗顔と同様に欠かすことのできない毎日のスキンケア(基礎化粧品を使ったお手入れ)についてお話ししましょう。もしかしたら洗顔以上にこだわっている方、お金をかけている方も多いかもしれません。しかし、医学的にはあくまでも洗顔がそれに先立つ重要ポイントであり、化粧品によるケアは二の次となります。
また、個人の考えをお伝えするなら、腸内環境が悪ければ何を塗っても大差ないとも言えます。美肌のための方策というと、真っ先に化粧水や乳液、美容液などに頼ったケアを思い浮かべてしまいます。しかし、これらは最優先事項ではないのです。腸の状態が良ければ、特別なケアをしなくても肌はキレイになります。
皆さん化粧品にはすごくお金をかけて熱心にケアをしていますが、それでも肌の調子が悪いことを嘆いている人を見ると、その前に腸をケアしてくださいと思わず言いたくなってしまいます。
合わない化粧品で色素沈着が起こる
とはいえ、色々な化粧品を試したいという気持ちはわかります。また、お気に入りの化粧品を使っていると気持ちも上がります。これは脳をポジティブにコントロールするという点でも大いに意味があることです。一方で、肌がゆらいだ時に安心して使えるような自分の定番アイテムを決めておくのもとても良いことです。
女性の体には生理周期がありますから、ひと月のうちでも別人のように変わることがあります。コンディションが変わった時にこのケアと決まっているものがあると安心につながるはずです。それでは、自分に合った化粧品はどうやって見つければ良いのでしょうか。
初めての化粧品を使った後に次のような反応が出た場合、そのアイテムはあなたの肌とは相性が悪い可能性があります。
・ピリッと刺激を感じる
・ヒリヒリとした感覚がある
・赤み・かゆみが出る
・化粧ノリが悪い感じがする
これらは、あなたの肌に合わない成分が入っているサインです。特に、シワ、シミ、たるみ、美白など、特定のお悩みにアプローチすることをうたった高機能タイプの化粧品を新しく試す場合は、これらの反応に注意してください。高機能タイプの化粧品には、攻めの成分、つまり強力な成分が使われていることが多いのです。
肌に合わない成分が入っている化粧品を使い続けると、慢性的な炎症を引き起こすことになり、色素沈着につながります。また、さらに症状が進み、アレルギー皮膚炎になってしまう恐れもあります。無用な肌トラブルを避けるためにも、肌に合う化粧品を見極めることは重要です。
なお、前に挙げたような反応は、化粧品を肌につけた直後に出る場合もあれば、翌日など時間が経ってから出る場合もあります。デリケートな肌質の人は、実際に使い始める前にデコルテなど顔に肌質が近い部位で試してみると安心です。
新しい化粧品は生理後にチャレンジ
実は、化粧品との相性を判断するのにぴったりな時期は生理後です。排卵の直後は、女性ホルモンの関係で肌が敏感になっているので、その時期は避けた方が無難です。排卵日から次の生理の直前までは「プロゲステロン」という黄体ホルモンが分泌される時期ですが、このホルモンは皮脂の分泌を活発にする働きがあるため、肌トラブルが起きやすくなるのです。
むくみや便秘、イライラなどの不調も起こりやすい時期です。そんな時に新しい化粧品を試すと、普段より大きなトラブルを引き起こす可能性があります。生理後から排卵前の時期、卵胞期には「エストロゲン」という卵胞ホルモンが分泌されます。これは、肌の弾力に関わる細胞に働きかけて、ヒアルロン酸やコラーゲンを増やしてくれるホルモン です。
潤いやハリが感じられて、トラブルもなく、肌の調子がいいと実感できるのはこの時期です。新しい化粧品を試すなら、この生理後~排卵前の時期がおすすめで、トラブルが起こることも少ないので、いつもより冒険がしやすくなります。特に高い機能性をうたう「攻めのコスメ」は体が安定しているこの時期にトライするのが正解です。
そこでは、肌トラブルが出たり、再び排卵後の時期に入って肌の調子が不安定になったりしたら、定番アイテムに戻すようにしましょう。このように漠然と同じ化粧品を使い続けるのではなく、生理周期や肌の好不調に合わせて使い分けるのは賢いやり方です。自分のリズムが掴めてくると、排卵前と排卵後でコスメを変えた方が肌の調子が良いこともあります。
冒険できる時期は思いっきり冒険してみましょう。もしかしたら、そこで運命のコスメに出会えるかもしれません。新しい化粧品を使う時は、女性にとって最もワクワクする瞬間のひとつで、 それも冒頭でお伝えした「自分を大切にすること」「自分をいたわること」の一環です。
好きな色を、質感、使い心地、香り、パッケージ、どの要素から見ても素敵なコスメに出会えたら、それを使っている自分がもっと好きになれますよね。そして、新しい化粧品を安心して試すためにも、普段から腸内環境を整えておくことが大切なのです。
いちばんの外的刺激は「紫外線」
ところで、美肌というのは具体的にどういう肌を指すのでしょうか。私の考える美肌は単に美しいだけではなく、強くてキレイな肌です。肌荒れや吹き出物がない、かさつきがないというのは、「肌の強さ、丈夫さ」に起因します。きめが細かい白い肌は、きちんとケアをすると本当にキレイですが、実はダメージを受けやすい「弱い肌」である場合が多くあります。
半面、美肌のイメージからは遠い日焼けしやすい肌はとてもタフで健やかです。長い目で見ると、こちらの方が年齢を重ねて美しさを保ちやすい傾向があるようです。 皮膚は体の表面を一番外側の臓器と言われます。だから、どの臓器よりも環境的な影響を受けやすいという特徴があります。
これは健康的な肌の方でも色白の方でも同様です。特に顔は常に露出している部分なので非常に多くの外的刺激を受け続けます。その中でも一番の刺激が紫外線です。赤ちゃんから老人になるまで、紫外線にどれだけさらされたかも肌の若さを左右します。
骨の形成に役立つビタミンDを不足させないためには、ある程度日光に当たる必要もあるのですが、実はそれも1日のうち5分ほどでOKで、窓際に座っているだけでも十分です。また、同じくらいの紫外線量を受けていても、人によってダメージは違います。
例えば、赤道直下に住んでいる黒色人種は多少の紫外線にさらされてもシワシワになったりしませんが、白色人種などの生まれもったメラニン量が少ない方は紫外線による老化が現れやすいと言えます。肌が白い方や敏感な方ほど、UV対策は必須だと心得ましょう。
だからといって、必要以上に紫外線を怖がるのも考え物です。晴れていて気持ちがいいから外に出かけたくなってしまうというような生物としての自然な欲求に逆らってまで紫外線を避けるのは健全とは思えません。屋外のレジャーやスポーツをたの楽しむ時には、紫外線カット効果の高い高機能な日焼け止めを全身にこまめに塗って思い切り楽しみましょう。
その分、普段の生活では冬でもUVカットの下地に日常使いするなど、メリハリのある紫外線対策をしてください。太陽のもとで長時間過ごす日には、抗酸化成分の豊富な食品を積極的に取るなど、活性酸素を除去するためのインナーケアもしっかりとしてください。
次回、「腸内フローラを破壊するNG行動」~下剤と抗生物質の乱用は避ける~
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