「美肌のためのマッサージと呼吸法」~たった3分で手軽に実践できてすぐに効く~
目次
簡単ストレッチでリンパを流し血流も改善する
ステップ1~腸を元気にして働きを良くする腸マッサージ~
口から入れた食べ物は胃で消化され、腸で栄養が吸収され、その後血液に乗って全身の細胞へと運ばれます。腸の状態や働きが良ければ、栄養がスムーズに運ばれ、肌も生き生きとしていきます。一方、腸の働きが悪いと、食事から摂取した栄養が十分に吸収されずに、体内で栄養不足の状態が生じます。その栄養不足の影響を受け、肌も老化してしまいます。
また、便秘などのトラブルを抱えた腸では有害物質が発生し、これがニキビや吹き出物などの肌トラブルの原因となります。美肌を手に入れたいなら、肌に化粧品を塗ったり、肌をマッサージしたりするのと同じくらい、あるいはそれ以上に入念に腸もケアしてあげる必要があるのです。
ステップ1のマッサージは、働きの弱まった腸に刺激を与えることで、腸を元気に活性化させる効果があります。腸内環境を改善するためには、以前お話しした食事術が最も重要になるのですが、同時に これから紹介するマッサージによって外から刺激してあげることで、腸の活性化をよりスピーディに促してあげることができます。
さらに、上半身を左右にねじったり、脇腹を伸ばしたりするストレッチも行うと、腸の蠕動運動がよりうながされます。余裕がある時にはぜひ、マッサージと合わせてぜひ実践してみてください。
<腸マッサージのやり方>
「天柩(てんすう)」「大巨(だいこ)」のツボのあたりを中心に、それぞれ1分間ほど指を押し込むようにマッサージします。特に天柩のツボ周辺を入念にすると、腸の働きや代謝がアップします。中指の腹を使って、左右同時に優しく押しましょう。
◇「天柩(てんすう)」:おへそから左右真横に指3本分ほど離れた位置で、腸の働きを活発にします。
◇「大巨(だいこ)」:おへそから左右斜め下に指3本分ほど離れた位置で、便秘に効果を発揮します。
そのほか、自分が「痛気持ちいい」と感じる部分は腸がこわっばてる箇所なので入念にマッサージしましょう。
☞食後30分ほど経った頃にマッサージすると腸の働きの助けになります。ただし、食事の直後は避けましょう。
ステップ2~リンパ、血液の流れを改善して代謝アップ!「股関節ストレッチ」
腸の状態が良くなれば肌もキレイになるのですが、老廃物を運ぶリンパ液の流れが滞っていると腸と肌の良いやり取りが妨げられてしまいます。リンパ液が流れる管をリンパ管と言い、リンパ管は血液と同様に全身くまなく分布しています。さらに、このリンパ管がたくさん集まっている中継地点をリンパ節と言います。
脇の下、首や鎖骨、足の付け根、膝の裏などに大きなリンパ節が存在しています。これらの中でも特に重要なのが、足の付け根にある「鼠径リンパ節」で、現在はデスクワークで1日中座りっぱなしの人が多く、この部分が常に圧迫を受けている状態なのです。さらに運動不足も重なり、ますます悪循環になっています。
鎖骨や首筋など顔の近くのリンパケアを熱心にしている女性は少なくないのですが、実はそれだけでは不十分で、リンパの流れは一部分でも詰まってしまうと、その滞りが全身に影響し、結果として美容にも影響を与えます。鼠径部というと顔からは遠い部位なので、「美肌に関係あるの?」と思うかもしれませんが、大いに関係あります。
全身において老廃物が滞りなく運ばれ、その排泄がうまくいってるかどうかということが肌の美しさに大きく影響するのです。これを改善するのがステップ2の「股関節ストレッチ」。リンパだけではなく全身の血流も良くなりますから、代謝が上がり、肌細胞の生まれ変わりも促進されます。
<股関節ストレッチのやり方>
赤ちゃんがハイハイするような四つんばいの状態になり、その姿勢から片足10回ずつ曲げ伸ばしを繰り返します。
①両手両膝をついて四つん這いの姿勢になります。膝を痛めないように、ヨガマットやベッドの上などで行いましょう。
② ①の姿勢から片足を後方に大きく伸ばします。肘が曲がらないように注意し、背中もなるべくまらま丸まらないようにしましょう。
③伸ばした足を一旦元の位置に戻し、②から③の動作を連続して10回ほど行います。この時、膝は床につけず、宙に浮かせた状態のままでキープします。
④次にもう片方の足も同様に10回曲げ伸ばしを繰り返します。
☞素径部のリンパを流すには、マッサージするよりも運動の方が効果的です。また、このエクササイズには、便秘で下垂した腸を正常な位置に戻す効果もあります。
ステップ3~自律神経のバランスが瞬時に整う「2:1呼吸法」
全身の血液循環、つまり「血の巡り」も美肌と健康の鍵のカギの1つで、この血の巡りをコントロールしているのが自律神経です。例えば、寝ている時も呼吸が止まらず心臓が動いてくれること。食事をすると自然に胃腸が働いて食べ物を消化吸収してくれること。これらが日々絶えず繰り返されているのは、自律神経の働きのおかげです。
呼吸、代謝、内臓の働きや、体温や血圧の調節など、人間が生きるために必要なメカニズムを全てコントロールする役割を担っているのです。自律神経には、心身を緊張させて戦闘モードにする交感神経と、心身を緩めてリラックスモードにする副交感神経があります。
美容の面から見ても、この両者のバランスが取れていることが重要なのですが、問題なのは現代人のライフスタイルではどうしても交感神経が優位になってしまうことです。意識せずにいると、副交感神経の働きは低下する一方です。さらに、交感神経の活動レベルは加齢の影響を受けることがないのに対し、副交感神経は加齢の影響を受けます。
男性は30歳以降、女性は40歳以降から副交感神経の活動レベルが徐々に低下していくことがわかっているので、 私たちの意思とは無関係に働いている自律神経。果たしてそれを意識的にコントロールして、働きぶりを改善することはできるのでしょうか。
実は、それを可能にするのが呼吸法なのです。呼吸を変えることによって自律神経が整う様子は、「バイオフィードバック・トレーニング」という専門の測定機器にかけることで、医学的にもモニターが可能です。ステップ3の「2:1呼吸法」は、「吐く」と「吸う」を2:1の長さにして、ゆっくりと深く呼吸するという方法。
これにより副交感神経の働きが回復し、乱れた自律神経のバランスが整うのです。余談ですが、落ち込みがちで元気が出ないという時には、「吐く」と「吸う」を1:1にする早めの呼吸を試してみてください。交感神経の働きが上がって、脳のやる気スイッチが入ります。苦しくならない程度に10~20回ほど繰り返し見るだけでも効果が感じられるはずです。
<2:1呼吸法のやり方>
1分間「吐く:吸う」が2:1の長さになるように呼吸します。最初は「吐く」から始めてください。
①体内の空気を出し切るようにイメージしながら、ゆっくりと4つ数えながら息を吐きます。
②次に、今度は2つ数えながら息を吸います。①~②の呼吸を1分間ほど続けてください。
☞いつでもどこでもできる方法で、気づくと呼吸が浅くなり集中力が落ちてしまいがちな現代人にはぴったりです。
次回、「うわさの頭皮&顔筋マッサージの正しいやり方」~即効性のあるマッサージで活力を取り戻す~
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