「本当に肌に優しい洗剤の選び方」~洗濯洗剤の選び方で衣服と「肌」が変わる~
目次
おしゃれ着洗剤なら肌への刺激は心配せずともOK!気をつけるのはジュエル系洗剤と柔軟剤
衣類は全ておしゃれ着用洗剤で洗えばいい
◆要チェック:洗濯洗剤の残留不安な女子
・人にも自然にも優しいが理想。
・界面活性剤のことはよく知らないけど、多分悪。
・ナチュラルな生活に興味がある。
☆洗濯洗剤の界面活性剤を避けるのは的外れ。柔軟剤を使っている限り何も変わらない。
「柔軟剤を規定量の2倍も3倍も入れるのは言語道断」
①洗濯洗剤は「添加物」と「ジェル型洗剤」を避けましょう
洗濯洗剤の界面活性剤が心配という声もありますが、洗濯洗剤の界面活性剤はほぼ洗い流されるので、皮膚刺激の原因になることは少なめです。残留して皮膚刺激を招くのは、主に「酵素」「蛍光増白剤」「抗菌剤」「柔軟剤」などの添加物です。「香料」は多いとアレルギーの原因にもなります。ただし、「ジェル型洗剤」は粘性の高いゲル化剤で固めていて、添加物も界面活性剤も残留しやすく、絶対におすすめしません。
②洗濯による肌トラブルはだいたい「柔軟剤」が真犯人
ジェル型洗剤は美味しそうに見えるのか、海外では乳幼児が食べて死亡する事件まで起きています。小さい子供がいる場合はなおさら注意が必要です。「じゃあ、ジェル型以外で酵素・蛍光増白剤・香料が無添加の洗剤を選べば解決!」とはいきません。洗濯による肌トラブルの原因は、実は洗剤よりも圧倒的に柔軟剤が多いのです。柔軟剤を使わない選択方法をしっかり抑えましょう。
洗濯洗剤の注意すべき成分
・洗濯洗剤の「界面活性剤(洗剤)」は衣類に残留しづらく、皮膚刺激の原因にはなりにくい。
・残留しやすく皮膚刺激が生じるのは、「酵素」「蛍光増白剤」「香料」「抗菌剤」などの添加物。
・衣類がごわつく洗剤は柔軟剤が必要だが、柔軟剤には皮膚刺激がありこれが最大の問題。
<肌荒れの原因は界面活性剤ではない>
洗濯洗剤の界面活性剤はさほど衣類に残留せず、皮膚刺激の心配は少なめです。残留性が高く、皮膚刺激の懸念があるのは、「酵素」「蛍光増白剤」「抗菌剤」などの添加物がメインです。香料は多いとアレルギーのリスクもあります。
<洗濯洗剤の添加物の問題点>
洗濯洗剤によく使われる酵素は、汗や皮脂などタンパク質系の汚れを分解するものです。繊維に吸収するので、衣類への残留性も高めです。酵素が残留した衣類を着ると、「角層」が分解され、敏感肌の人は肌荒れすることもあります。また、蛍光増白剤も残留しやすく、これは紫外線などを受けると発光する性質があります。このような化学反応は皮膚刺激を伴うので、肌荒れやアレルギーの原因にもなります。
<洗濯洗剤が刺激になる要因>
洗濯洗剤の皮膚刺激は、界面活性剤よりも以下のことが原因と言えます。
◇原因①:柔軟剤を併用している
☞衣類がゴワつく陰イオンタイプの洗剤(通常の液体タイプ、粉末タイプの衣類洗剤、 石けん系洗剤)は柔軟剤が必要です。柔軟剤は「陽イオン界面活性剤」が主成分なので、皮膚刺激が強い
◇原因②:添加物が入っている
☞酵素、蛍光増白剤、抗菌剤、香料などの添加物が残留し、皮膚刺激がアレルギーの原因となる。
※これらの原因を排除すれば、洗濯による皮膚刺激がぐっと軽減できる!
洗濯洗剤の「界面活性剤」は3タイプ
・イオン界面活性剤(普通の洗濯洗剤):安定的な洗浄力だが、繊維がゴワつき柔軟剤が必須。
・非イオン界面活性剤(おしゃれ着用洗剤):繊維を一切傷めないので柔軟剤がいらない。
・石けん(陰イオン系の一種):洗浄力は高いが、アルカリ性のため毛や絹を洗えない。残留性も高め。
<陰イオン界面活性剤だと柔軟剤が必須>
一般的な洗濯洗剤は、洗浄成分に「陰イオン界面活性剤」を使っています。そのため、衣類がマイナスの静電気を帯びてはゴワつき、プラスの静電気を与える「陽イオン界面活性剤」を入れた柔軟剤で中和する必要があります。陽イオン界面活性剤は刺激が強めなので、この成分を主成分としている柔軟剤の方が、洗濯による肌トラブルを引き起こしやすいのです。
<柔軟剤いらずの非イオン界面活性剤>
一方、衣類をゴワつかせず、柔軟剤を必要としないのが「非イオン界面活性剤」です。これは静電気を帯びず、繊維を一切傷めないので、ウールやシルクも洗えるおしゃれ着用洗剤に使われています。おしゃれ着用洗剤1本あれば柔軟剤は不要です。
<洗濯洗剤の「界面活性剤」の3分類>
洗濯洗剤に使われる界面活性剤は、次の3つに分類できます。
◆陰イオン界面活性剤(通常の洗濯洗剤):柔軟剤が必要!
例)界面活性剤(高級アルコール系)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど。
◇長所
・どんな汚れにも安定的に高い洗浄効果を発揮する。
・少量でも優れた洗浄力を持つ。
・中性なら動物性繊維、ウール、シルクなども洗える。
・消臭、殺菌効果も少しあり。
◆短所
・頑固なタンパク質汚れ(襟垢など)や油汚れは落とせない場合もある。
・繊維がゴワつくので柔軟剤が必要。
②石けん系:柔軟剤が必要(クエン酸などでも可)
(例)純石けん分、 脂肪酸ナトリウムなど。
◇長所
・洗浄力が高く、特に皮脂汚れ、タンパク質汚れ(襟垢等)に有効。
・上手に洗えばクエン酸等を利用すると、残留した脂肪酸によって滑らかで弾力のある質感に。
◆短所
・残留した石鹸カスが異臭を放つ場合がある。
・アルカリ性なので動物性繊維は一切洗えない。
③非イオン系:柔軟剤がいらず、デメリットも少ない!
(例)界面活性剤(非イオン系)、ポリオキシエチレルアルキルエーテル等
◇長所
・繊維をほぼ傷めず洗える(動物性繊維もOK)
・油汚れを落とすのが得意。
・洗い上がりの手触りや不具合が良い。
・残留しても皮膚刺激ゼロ
◆短所
・タンパク質汚れや粒子汚れには洗浄効果が低い。
・消臭、殺菌作用がない(臭いが出やすい)
・該当商品が少ない
敏感肌のための洗濯方法を徹底解析!
・基本的にはおしゃれ着用洗剤(非イオン系界面活性剤)を。ウールやシルクも洗えて便利。
・ただし殺菌効果はないので、においが気になったら月1回ほど 酸素系漂白剤の併用。乾燥もしやすい。
・頑固な汗ジミや食べこぼしには、部分汚れ専用の洗剤(部分用漂白剤等)をスプレーして洗う。
<普段の洗濯こそおしゃれ用洗剤で!>
普段の洗濯は基本的におしゃれ着用洗剤が1本あればOKで、繊維を全く傷めないので、柔軟剤は不要です。むしろ、おしゃれ着用洗剤に柔軟剤を入れる意味はありません。しかも皮膚刺激もないので、ウールやシルクに限らず、肌に触れる下着やタオルにこそ積極的に活用しましょう。
<おしゃれ着用洗剤は商品選びに注意を!>
おしゃれ用洗剤はまだ種類が少ないのですが、できるだけ香料のにおいが残りにくいものを選びましょう。ただし、イオン界面活性剤 (直鎖アルキルベンゼルスルホン酸ナトリウム等)や柔軟剤(第四級アンモニウム塩等)が入った商品もあり、これでは台無しなので成分の確認をしましょう。おしゃれ用洗剤は、肌にも繊維にもやさしい超画期的な洗剤と言えます。
<敏感肌のための洗濯メソッド>
敏感肌の人は、次の方法で洗濯してみましょう。
・普段は:おしゃれ着用洗剤1本で洗濯。柔軟剤はなし。
・匂いが気になったら:月に1~2回ほど酵素系漂白剤の併用を。
おしゃれ用洗剤+酵素形漂白剤で洗濯(すすぎ1回)
→その後、おしゃれ着用洗剤のみで洗濯(すすぎ1回)
おしゃれ着用洗剤の「非イオン系界面活性剤」は、繊維や肌に優しい分殺菌作用がありません。ずっとおしゃれ着用洗剤1本だと、衣類のにおいが気になることもあります。その場合は、月に1~2回ほど酸素系漂白剤の併用がおすすめです。酸素系漂白剤は、消毒剤の「過酸化水素(オキシドール)」が配合されており、除菌にも使えます。
アトピー肌の人は、除菌剤の残留を防ぐために、できれば洗濯完了後、おしゃれ着用洗剤でもう1回洗うと安心です。ただし、繊維が傷みやすいので、頻繁に使うのは避けましょう。または、ドラム式洗濯機で乾燥させれば、高温で雑菌が死滅するので匂いは気になりません。
・頑固な汚れには:汚れの部分には専用の洗剤をスプレー!
おしゃれ着用洗剤は頑固なタンパク質汚れを落とすのは苦手で。汗ジミ、食べこぼし、泥などがついた部分には、頑固な部分汚れ専用のスプレー洗剤を活用するといいでしょう。その後、しっかり2回以上すすぎましょう。なお、陰イオン界面活性剤は「直鎖アルキルベゼスルホン酸ナトリウム(LAS)」が主流ですが、より上質なのは「ラウレス硫酸ナトリウム(AES)」になります。
次回、「柔軟剤選びが美肌を決める!」~消臭スプレーの誓いすぎに注意~
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