「大人女子のための暮らしケア」~着る服の素材を気にしてますか?~
目次
静電気は皮膚刺激として最も気をつけたいものの一つ バスタオルやまくらカバーの選択頻度
繊維へのこだわりが美人度を上げる
◆要チェック:冬は静電気まとう女子
・コートを脱ぐときパリパリ音を立てる
・冬は髪が広がってまとまらない
・冬のドアノブは恐怖
☆安価の化学繊維の衣類は「静電気」を帯びる。肌はかゆくなりやすく、汚れも目立つ!
「埃の目立つ服は安物の化学繊維だと一目瞭然」
①安価の化学繊維は、肌とは逆の「マイナス」の電気を帯びている
冬になると肌が乾燥してかゆくなるなど、「静電気」に悩まされるシーンが増えます。実はこれに拍車をかけているのが、冬に出番の増える「アクリル」や「ポリエステル」などの衣類なのです。人間の皮膚表面は「プラス」の電気、 アクリルやポリエステルなどは「マイナス」の電気を帯びています。このように帯電性が逆同士の素材が接触すると、静電気が起きます。肌の周りで静電気が起きると「肌のかゆみ」などにもつながります。
②静電気を帯びると冬はかゆくなり、ホコリや髪の毛もくっつきやすい
人間にとって静電気は刺激です。一部の界面活性剤に皮膚刺激があるのは、静電気を帯びるからだとお伝えしました。衣類も静電気が起きると刺激を生じ、敏感肌の人は肌がかゆくなることもあります。また、静電気を帯びる素材はホコリや髪の毛がつきやすく、見た目も美しくありません。敏感肌の人や良質なおしゃれを楽しみたい大人女子は、皮膚表面と同じくプラス側に帯電している「綿」や「ウール」などがおすすめです。
静電気(刺激)が起きる素材をチェック!
・アクリル、ポリエステル、ポリウレタン=皮膚とは逆の「ー」に帯電。静電気(刺激)が起きやすい
・綿、ウール、麻などの天然素材=皮膚と同じく「+」に帯電しており、静電気が起きにくい
・化学繊維でも、ナイロン、レーヨン(キュプラ)は「+」に帯電しており、静電気が起きにくい。
<静電気が起きにくい優良素材>
プラスの電気を帯びた素材とマイナスの電気を帯びた素材が接触すると「静電気」が起きます。逆に同じ帯電性同士なら静電気は起きません。「綿」「ウール」「絹」「麻」などの天然繊維は皮膚と同じくプラスに帯電していてるのでオススメです。化学繊維はマイナス側が多いですが、「ナイロン「レーヨン(キュプラ)」はプラス側です。
<混合素材は「毛玉」にも注意!>
帯電性がプラスとマイナスの素材を混ぜた衣類は、皮膚に触れなくても素材同士の間で静電気が起きます。しかも静電気によりお互いの繊維がくっつき、それが徐々に大きくなって毛玉になります。「ウール100%のコートは高いから、少しくらいアクリルやポリエステルが入りでもいいよね」という妥協はイマイチです。100%のアイテムは高価ですが、しっかりお手入れすれば長持ちする分お得かもしれません。
<さまざまな素材の帯電性>
さまざまな素材の帯電性を序列化したものです。配置が遠い素材を同士ほど静電気を帯びやすくなります。人などの皮膚は比較的プラス側にあり、ポリエステルなどの化学繊維は帯電性がかけ離れていることがわかります。
(帯電列)
「+」に帯電しやすい
・空気
・人毛・毛皮
・ガラス
・羊毛
・ナイロン
・レーヨン
・鉛
・絹
・木綿
・麻
・木材
・人などの皮膚
・ガラス繊維
・銅
・エポナイト
・銀
・クロム
・アルミニウム
・紙
・亜鉛
・アセテート
・ニッケル
・金
・ゴム
・ポリステレン
・白金
・ポリプロピレン
・ポリエステル
・アクリル
・ウレタン
・ポリエチレン
・セロファン
・塩化ビニール
・テフロン
「ー」に帯電しやすい
◇化学繊維でもナイロンやレーヨン(キュプラ)などは静電気を帯びにくい。
◇人の皮膚はプラスに帯電しやすく、化学繊維の多くはマイナスに帯電しやすい。
◇人に刺激を与えにくいのは天然繊維である。「綿」「絹」「毛」「麻」。
選ぶ身の回りの素材はここに注意して選ぶ
・化粧品は優秀な化学成分も多いが、繊維は天然系を選ぶのが間違いない。(ナイロン、レーヨンはOK)
・帯電性が逆の繊維同士が接触した場合も静電気が起きる。天然繊維には天然繊維を組み合わせる。
・服は表地だけでなく裏地もチェック。表地が良い素材でも、裏地がポリエステルだと静電気が起きる。
<スカートが足に張り付く原因>
ストッキングは「ナイロン」の割合が多いアイテムです。ナイロンは優良素材ですが、プラスの帯電性が強く、アクリルなどのスカートだと静電気が起きて足に張り付く原因になります。ナイロンと同じ帯電性である天然素材(綿、毛等)、またはレーヨン、ナイロンのスカートを選べば大丈夫です。
<アウターも裏地を忘れずにチェック!>
高価なウールやカシミヤ製のコートでも、裏地がポリエステルだと静電気が起きます。天然素材のアウターなら裏地は「キプラ(レーヨン)」が理想です。ポリエステルは湿気がこもりやすいのに対し、キュプラは吸湿性が高く、さらっと着られます。なお、裏地がキュプラのアウターに「アクリル」のニットなどを合わせると、着脱時に猛烈な静電気が発生します。
アクリルのマフラーなども髪が逆立つので注意しましょう。
<身近なアイテムの素材>
肌が敏感な人は、普段使っている身の回りアイテムの素材にもこだわりましょう。
◇肌に触れるインナー
☞綿や絹がベストですが、「ナイロン」や「レーヨン」もOKです。ちなみに 吸湿保温系のインナーは化学繊維が中心な上に、言われるほどの温感効果はなし。天然繊維はもともと吸湿して発熱する繊維ばかりなので、綿で十分。綿に少量の毛を混ぜたインナーは肌に優しく、保温効果も抜群です。
◇ヘアブラシ
☞プラスチック製は静電気が起きやすいので、「動物毛(豚毛)」などがベスト。
◇メイクブラシ
☞ナイロン(高級タクロンなど)よりもさらに皮膚に近い素材の「動物毛(馬毛)」などがベスト。
◇冬物のアウター、マフラーなど
☞「ウール(毛)」や「カシミヤ」がおすすめです。アウターの場合、裏地は同じプラスの帯電性のキュプラ(レーヨ
ン)を選びましょう。
※カシミヤ:カシミヤヤギから微量に採取できる 保湿&保温性抜群の高級ウールです。ただし、安価なカシミヤだと、毛足が短く毛抜けしやすいものや、少ない毛量をスカスカに編み込んでいて保温性が低いものもあります。適当なカシミヤを買うくらいなら、しっかり編み込まれた普通の「毛」の方が良い場合もあります。
☆ヒート系で肌が乾燥⁈
ヒート系の化学繊維肌着は「 吸湿発熱素材」だから肌の水分を吸収して肌が乾燥するという噂がありますが、これは誤りです。化学繊維の繊維はプラスチックを繊維状にした素材で吸湿力は非常に低い素材です。化学繊維による肌のかゆみは、帯電摩擦による接触皮膚炎と考える方が自然です。また、プラスチックは油と仲良しなので、水分ではなく「皮脂」を奪いやすい性質があり、これが乾燥の原因と考えられています。
バスタイルは1回使っただけで菌だらけ
◆要チェック:バスタオル、枕カバー毎日取り替え女子。
・毎日取り替えなきゃ気が済まない。
・やたらとリネンのストックが多い。
・洗いすぎてごわごわのリネン。
☆昨今の女子はみんな菌を敵視しすぎ!バスタオルの菌はほぼ「皮膚常在菌」
「菌より柔軟剤を心配したほうがいい」
①皮膚常在菌が増殖しても通常の範囲なら悪影響はない
「バスタオルは1回使っただけでも菌だらけだから洗濯すべき!」という声をよく聞きます。しかし、使用後のバスタイルにいる菌は、自分の肌にいた皮膚常在菌がほとんどです。それがタオルに含まれる水分や汗を食べて増殖しても、通常の範囲なら問題ありません。もちろん匂いが気になったら洗った方がいいですが、1回で洗濯しないと雑菌だらけで不衛生というのは少し潔癖気味かもしれません。
②枕カバーの皮脂も心配無用。そんなことよりも洗濯方法が肝心!
枕カバーなども、汗や臭いが気になったら洗えばいいだけのことです。枕カバーに皮脂が蓄積してニキビになると心配する人もいますが、顔全体の皮脂量に比べれば、枕から顔に移る皮脂量なんて取るに足らないものです。洗濯の頻度はもちろん自由で、毎日でもOKです。ただ、そうすると繊維がすぐにごわつくので、柔軟剤をたくさん使いがちになり、こっちの方が大問題です。
次回、「本当に肌に優しい洗剤の選び方」~洗濯洗剤の選び方で衣服と「肌」が変わる~
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