「サラサラヘアをつくり美髪なるには」~本当に価値があるシャンプーを見極める~
目次
パーマ&縮毛矯正後にも美しい髪をキープするために
サラサラヘアが理想なら、ヘアオイルは捨てましょう
◆要チェック:ヘアオイル愛好女子
・ヘアオイルはお風呂場が定位置。
・部屋にはいろんな香りが入り乱れている。
・ルームフレグランスは欠かせない。
☆ただでさえ整髪料やトリートメントなどで油まみれの髪にオイルまで塗るのは余計!
「多くの現代人は髪が油まみれだという事実」
①ヘアオイルの主成分は落ちにくい「シリコーン」が定番
アルガンオイル配合などと言っても、ヘアオイルの多くはシリコーンが主成分であり、シリコーンは落ちにくい油です。トリートメントにも使われていますが、界面活性剤のおかげであまり残らず洗い流せます。でも、ヘアオイルは基本的に界面活性剤を含まないので、クレンジングシャンプーをしないとシリコーンが残りがちになります。アルガンオイル100%などの油脂100%は紫外線やドライヤーの熱で酸化し、異臭の原因になることもあるので注意しましょう。
②油と油はくっつきやすい。どんどん蓄積してギトギトヘアに!
油性の物質同士はお互いに惹かれ合う性質(疎水性相互作用)があり、くっつきやすいのが特徴です。シリコーンが残留した髪にヘアオイルや整髪料、油の多いトリートメントを塗り続けると、油と油がくっついて蓄積し、髪がギトギトになり、 ヘアカラーやパーマの薬剤も浸透しづらくなります。ヘアケア製品はトリートメントで十分。ドライヤーなどの熱から髪を守りたい場合には、「ヘアミスト」を使いましょう。
市販シャンプーでダメージケアは難しい でも、高級ブランドにも注意
◆要チェック:ちょっと高めだから大丈夫!市販シャンプー女子
・ノンシリコンじゃないと買わない。
・使いかけでも良いシャンプーがあればすぐ買える。
・ブログ、インスタで日々シャンプー探し。
☆優秀なヘアケア製品は使ってすぐにわかる。でもドラッグストアにはほぼ売っていない。
「市販シャンプーの濃密ダメージ補修はウソ。」
①大衆価格のシャンプーにダメージ補修効果などない。
本当に良いシャンプーやトリートメントはドラッグストアには滅多にありません。優れた成分を配合したヘアケア製品は1000円未満で売ったら大赤字です。大衆向けのシャンプーがダメージ補修効果などを宣伝していますが、期待するだけ無駄です。安いヘアケア製品の多くは「ラウレス硫酸ナトリウム」、「オレフィンスルホン酸ナトリウム」などの安価な界面活性剤が主成分です。真剣にヘアケアをするなら、優秀な美容専売品などを選ぶのが基本です。
②高級だから良いとは限らない。優れた商品は良さが明確に分かる!
ただし、美容専売品や有名なヘアケアブランドだから良いとは限りません。「まだ効果がないけど、使い続ければ変わるよね」「 使用感はイマイチだけど成分は良いはず。」なんて思ってるなら騙されているかもしれません。良質な成分で作ったシャンプーなどは、基本的にギシギシとかバサバサの仕上がりになることはまれです。ただし、髪がとても痛んでダメージが蓄積していると、どれだけ高品質のアイテムでも補いきれない場合もあります。
シャンプーが頭髪に与える影響とは?
・抜け毛にシャンプーは関係ないが、洗浄力の過不足などで頭皮が荒れ、抜け毛につながることも。
・カラー、パーマ、縮毛矯正=低品質のシャンプーでは、キューティクルが開いてバサバサに。
・パーマ、縮毛矯正=ホームケアを怠ると、どんどん髪が弱って切れ毛や枝毛の原因に。
<シャンプーと抜け毛の関係>
抜け毛の原因は主に男性ホルモンの影響で、シャンプーが悪いのではありません。しかし、洗浄力の過不足や殺菌剤配合のシャンプーだと地肌環境が乱れ、これが間接的に抜け毛につながる場合もあります。また、きしみの強いシャンプーに変えると、髪同士の摩擦で抜け毛が増えるケースもあります。
<バージン毛以外に安物のシャンプーはダメ!>
カラー・パーマ・縮毛矯正などの化学施術は、化学薬品による化学反応を応用して髪に色や癖をつけています。その薬剤を浸透させる際、アルカリ剤という薬品で髪の防御膜であるキューティクルを開くため、何も手術していない髪(バージン毛)と、一旦防御膜を壊された髪は状態がまるっきり異なります。基本的に化学施術を行った髪は、市販の安価シャンプーではケアしきれないと心得ましょう。
<キューティクル&ダメージヘアの関係>
☞酸性とアルカリ性それぞれの髪に対するダメージ 酸性(PH順:酸性→アルカリ性)
酸性だとキューティクルは閉じ、アルカリ性だとキューティクルは開く。
・ヘアマニュキア
・サロンシャンプー(弱酸性)
・弱酸性ヘアカラー
・市販シャンプー(中性)
・パーマ・チオ系
・パーマ・シス系
・ヘアカラー
・ブリーチパウダー(アルカリ性)
◇紙の一番外側にあり、髪を包んで保護しているのが「キューティクル」です。キューティクルはうろこ状に重なっており、通常は弱酸性で閉じています。しかし、アルカリ性になるとキューティクルのうろこが開きます。傷んだ髪がザラザラなのは、キューティクルが開いて毛羽立っているような状態だからです。
シャンプーの基本的な選び方アンド洗い方
・市販のシャンプーはほぼ中性か弱アルカリ性で、美容室専売品などから弱酸性を選ぶのが良い。
・弱酸性でも低品質の界面活性剤が多いとダメ。カルボン酸系やアミノ酸系の商品を選ぶ。
・シャンプーは「髪」を洗うものなので執拗な地肌の揉み洗いは不要。
<頭皮よりも髪を洗うべし>
皮脂や汗はお湯だけで8割がた落ちます。そしてシャンプーを髪になじませると簡単に落ちるので、地肌の揉み洗いはそんなにいりません。現代人は整髪料やトリートメントの油が髪に残りがちで、この手の油は落ちにくく、蓄積すると髪がギトギトになるので、髪こそよく洗浄をしましょう。
<シャンプーは弱酸性が絶対!>
パーマ、縮毛矯正、カラーの経験者は、キューティクルを整える弱酸性のシャンプーを使うようにしましょう。バージンヘアならどんなシャンプーでも髪が痛むことはそうありません。ただし、殺菌剤系は頭皮環境が乱れ、石けんシャンプーは髪がきしみます。シャンプーは常に弱酸性タイプを使うのが鉄則でしょう。
<ダメージヘアのシャンプーの選び方>
シャンプーは弱酸性で、なおかつ「カルボン酸系」、「タウリン系」、「アミノ酸系」、「両性イオン系」のいずれかの洗浄成分がベースのものを選びましょう。見分け方としては、成分表示の1行目あたりの次の記載がある商品です。一番前の成分が最も多く配合されています。
①タウリン系: さっぱりした洗浄力ながら、比較的低刺激。
☞「~タウリンナトリウム」
(例)コココイルメチルタウリンナトリウムなど。
②カルボン酸系:さっぱり感と低刺激性を両立した洗浄剤で、酸性石けんとも呼ばれる。
☞「~カルボン酸ナトリウム」「~酢酸ナトリウム」
(例)ラウレスー5ーカルボン酸ナトリウム 酸。
③アミノ酸系:非常に低刺激でしっとりとした洗い上がり。洗浄力は穏やか。
☞「~メチルアラニンナトリウム」「~グルタミン酸ナトリウム」
(例)ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム。
④両性イオン系:最も低刺激の洗浄剤。その他の成分を低刺激化する目的でも配合。
・コカミドプロピルペタイン
・ラウラミドプロピルベタイン
・ココアンホ酢酸ナトリウムなど。
◇この中では比較的洗浄力のある「タウリン系」や「カルボン酸系」からスタートするのがおすすめです。乾燥が気になる人やより低刺激を極めたい人は、そのうち「アミノ酸系」や「両性イオン系」に移行してもOKです。ただし、洗浄力が低ければ良いわけではないので、自分に合った洗浄力のシャンプーを探しましょう。
※上記に該当する商品でも、成分表示の上位に「ラウリル硫酸ナリウム」、「ラウレス硫酸ナトリウム」、「 オレフィンスルホン酸ナトリウム」が入っていたら注意しましょう。
本物の価値があるシャンブアンドトリートメントとは?
・優秀なシャンプーアンドトリートメントは、素朴ながら良質な使用感のものが多い。
・高いのにきしむシャンプーを無理に使うのは損。摩擦で髪が抜けることも。
・数百円で優秀なヘアケア製品は買えない。でも高いから良いというわけでもない。
<有名高級ブランドが良いとは言えない>
良いヘアケア製品はほぼ美容専売品です。でも、美容室専売品の全てが良いとは限りません。特に外資系の高級ヘアケア商品は要注意で、価格と成分が全く釣り合っていないものもあります。女子憧れの某有名高級ヘアケブランドも、香りがいいだけで効果は市販品並みです。
<本物のヘアケアは本当に美髪になれる>
本当に優秀なシャンプーやトリートメントは、使った途端髪のダメージがみるみる修復し、クセやうねりが一気に収まるなんてことはもちろんありませんが、上質な使用感の場合が多いです。髪のダメージを進行させないので、切れ毛が増えることもなく、使い続けるといつ間にか美髪になっていく感じです。「本物はきしむもの」という意見もありますが、髪に大したダメージがないなら、良質なシャンプーでギシギシになることはまれです。
<ヘアケア製品思い込み>
ヘアケア製品に対する下記のような考えは全て誤解であり、思い込みには要注意です。
◆有名高級ブランドなら間違いない。
☞外資系ブランドだとぼったくりのものもちらほら。
◆昔からある商品が1番
☞最近になって使われるようになった新規成分も多いので新製品も優秀。
◆テレビCMでは嘘をつけないはず。
☞CMはあくまでイメージなので、まるまる信じてはダメ。
◆髪がきしむけれど成分は良いはず。
☞明らかにギシギシ・ゴワゴワになってるなら成分を疑った方がいい。
◆とりあえずノンシリコンが良い。
☞トリートメントのシリコンはあっても良い。
◆ヘアケアはラインで揃えるべき。
☞むしろ成分が被るのでバラバラで構わない。
◆コンディショナーよりトリートメントやヘアマスクの方が優秀。
☞明確な定義はないし、場合によっては全部同じ成分のものもある。
パーマと縮毛矯正は髪の結合を破壊しているという事実
◆要チェック:パーマ&縮毛矯正リピート女子
・なんとなくずっと同じ美容院。
・今のヘアスタイルが一番!
・前髪だけ流行を追う
☆縮毛矯正はリタッチが基本なので取れちゃう人は美容院を変えて!パーマも傷むのでケアを忘れずに!
「隔月きでパーマをかけても、ほぼノーダメージにできる」
①パーマ&縮毛矯正は大ダメージ!縮毛矯正はリタッチが基本
パーマや縮毛矯正では、「還元剤」と呼ばれる化学薬品で毛髪内部の主要な結合(ジスルフィド結合)を一旦切断し、整形して酸化剤の力で再結合させています。再結合と言っても元通りにできるわけではなく、毛髪内部は所々結合が切れたままになっています。回数を重ねるとその分結合が切れて髪も弱っていくので、重ねがけは避けましょう。縮毛矯正はうまくかければクセが戻ることは基本的にないので、伸びた部分のリタッチで十分です。
②縮毛矯正+パーマは可能だけど、チリチリパーマになるかも⁉
髪が非常に傷むのを覚悟すれば、縮毛矯正をした髪にパーマをかけることは可能です。ダメージ毛はキューティクルが開いてる分、薬剤が浸透しやすく、健康な髪よりもパーマがかかりやすいのです。ただし、かなりチリチリになりやすいので、できれば縮毛矯正の部分の髪を切ってからにしましょう。縮毛矯正やパーマはダメージ必至ですが、ホームケア次第では美髪をキープできるので諦めないでください。
カラーパーマ縮毛矯正後もビガミをキープする極意
・施術後10日は美容院の有料トリートメント禁止!薬剤を髪に閉じ込めるので超絶に傷みます。
・施術後10日は弱酸性シャンプーとヘマチン配合のトリートメントで還元剤除去ア&カラーの持続がオススメ。
・パーマを定着させたいなら半日待ってシャンプー。弱めたいなら帰宅後すぐシャンプー。
<美容院の有料トリートメントの弊害>
術後も髪からと特異な臭いがするのは、残ったパーマなどの薬剤が気化しているからです。美容院のトリートメントは髪をコーティングします。施術後にトリートメントするとコーティングされ、薬剤が気化しにくくなります。パーマや縮毛矯正は強力な薬剤を使うので、トリートメントで閉じ込めると厄介です。
<化学施術後は残留薬剤を早めに除去するべし>
パーマや縮毛矯正、カラーリングは化学薬品を使っているのでダメージがありますが、髪へのダメージが表面化するのは数週間ほどの時間が経ってからです。実は、化学施術後に髪が傷んでいくのは、残留した薬剤とその後の弱った髪に対するヘアケアが間違っているからです。「ヘマチン」という成分で薬剤を早めに除去して、弱酸性の適切なシャンプーを使用すれば、化学施術を行ってもダメージが深刻化することはほとんどありません。
<カラー、パーマ、縮毛矯正後のケア>
カラーやパーマ、縮毛矯正をしたら、次のケアでダメージを軽減しましょう。
(シーン別対処法)
・有料トリートメントを進められたら、、、
☞コーティングによって薬剤が髪に残留してしまうので、やんわり断りましょう。
※カットのみの日はトリートメントOKです。
・パーマが強すぎて後悔!
☞あまりにクリンクリンだと難しいですが、早く家に帰ってシャンプーをするとパーマが弱まるケースもあります。薬剤をできるだけ早く除去した方が良いので、最初はヘマチン入り&弱酸性のものを用いて、トリートメントは重めの皮膜系を選ぶとパーマが伸びやすいです。ただし、ヘマチンはパーマの定着も強めるので、最初数回以降はヘマチなしのものにした方がいいでしょう。
(ホームケア)
・シャンプーは絶対に「弱酸性」
☞施術後も髪がアルカリ性でキューティクルが開いたままだと、摩擦が増えてキューティクルが剥がれやすくなりますし、 髪内部のタンパク質が溶出しやすくなり髪が傷んでしまいます。また、ヘアカラーの場合もカラー成分が流出しやすいので、必ず弱酸性のシャンプーを使いましょう。
・「ヘマチン」入りのシャンプーorトリートメント
☞ヘマチンには化学施術に使った還元剤(髪の結合を切る薬剤)や酸化剤(髪を固めたり脱色する薬剤) の作用を穏やかに抑制する効果があります。また、パーマ&カラーの長持ち効果もあり、ヘマチンはトリートメントかシャンプーのどちらかに入ってれば十分です。※ただし、カラー、パーマ、縮毛矯正の前に使うと薬剤が効きにくくなるため、施術前3日間は控えましょう。
次回、「ヘアアイロンの正しい使い方」~美髪成分を見極めて取り入れるには~
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