「自分の肌質を見極める」~敏感・乾燥肌の肌質は変えられるのか~
目次
スキンケア次第で誰でも健康な肌になれる
肌質はいつからでも変えられる
肌質は日々のスキンケアで後天的に変えることができます。よく、トラブルのない美肌の持ち主は「親からもらった肌に感謝しなくちゃ」と言われますが、肌質は遺伝的要素だけで決まるわけではないようです。年齢、食事、スキンケアなどの後天的要素も大きくかかわってきます。
肌質は、皮脂量と水分保持能力のバランスで決まりますが、間違ったスキンケアを続けていると健康なノーマルスキンでもドライスキンやオイリースキンになってしまう場合もあります。肌は気温や湿度といった外的要素にも反応しやすいため、夏と冬で肌質は変わります。この反応に柔軟に対応できれば、トラブルのない肌でいられるのです。
もし今、肌悩みやトラブルがあるのなら、それは今までのスキンケアが間違っていたのかもしれません。でも心配せずともこれから、自分の肌質に合ったスキンケアを始めれば、誰でも健康な肌になれるのです。肌質を決める要素としては、大まかに性別・ホルモン・年齢・体温・食事・気温・生体リズム・睡眠・運動・スキンケアなど多くのものがあります。
そして、自分の肌質を知るための2大要素といわれるのが、「皮脂量=潤いを逃がさない力」と「保湿能力=潤いを生み出す力」になります。皮脂は全体の95%が皮脂腺由来の脂質で、残りは表皮から生産される5%の脂質で構成されています。その量によってべたつきやカサつきなどを起こしますが、水分を逃さず守るといった役割もあります。
保湿能力とは肌が潤いを生み出し、保持する能力のことでこの皮脂量と保湿能力のバランスを見ることであなたの肌質を見極めることができるようになります。
自分の肌質を知るために~5つのタイプ~
皮脂量と保湿能力のバランスで、肌質は5つのタイプに分けることができます。チェックリストとともにまずは、自分の現在の肌タイプをしっかり確認しておきましょう。
①ノーマルスキン(普通肌)
☞しっとり潤ったトラブルに強い肌質です。水分保持力は高いので、肌はみずみずしく、しっとりしています。トラブルにならない程度の適度な皮脂量があり、肌を支える弾力もしっかりあります。皮脂量と保湿能力のバランスがいいので、気温や湿度などの季節変化に強く、外的要素の振幅に柔軟に対応できます。つまりトラブルに強い肌質といえます。
「ノーマルスキン」チェックリスト
□肌トラブルを起こしにくい
□ベタつかない程度の適度な皮脂量がある
□肌はみずみずしくしっとりしている。
◆お手入れのポイントは、今の肌をキープしつつ保湿ケアをプラスする。皮脂量・水分量のバランスがいいのでスキンケアはベーシックな洗顔、化粧水、乳液・クリームで大丈夫でしょう。ただし、水分保持能力は年齢とともに下がっていくので「少し肌が乾いている」と感じたら、保湿成分入りの美容液をプラスしましょう。
②ドライスキン(乾性肌)
☞皮脂量も保湿能力も低く、外的刺激を受けやすく、季節変化に弱いのが特徴。夏は皮脂量と水分量をアップして肌の調子のよくなることもある一方、冬はともに低下して粉をふくほど肌が乾燥してしまうこともあります。また、バリア機能も弱いので、外的刺激を受けると炎症を起こしやすく、また皮脂量が少ないため毛穴は目立たないが、小ジワになりやすい。
「ドライスキン」チェックリスト
□洗顔後、何もつけないでいるとつっぱる
□朝、起きたときにカサついている
□肌を少しひっかいただけで赤くなる
□小ジワが目立つ
□キメが細かい
□ニキビになりにくい
◆お手入れポイントは、洗顔で皮脂を落としすぎず水分と油分を与えるケアをしましょう。ドライスキンの人は、化粧水に加えセラミドやヒアルロン酸などの保湿成分を配合した美容液で肌の保水力を高めましょう。そして、乳液やクリームの油分で疑似的な皮脂膜をつくり、バリア機能を強化しましょう。
また、極度のドライスキンは皮脂を取りすぎない洗顔料で、皮脂と水分の流出を防ぎましょう。ドライスキンは敏感肌になりやすく、肌が敏感に傾くと洗顔後に化粧水をつけたときに、ひりひりしたりするものの目に見える症状はないということがあります。
これは皮脂量と水分保持能力が著しく低下し、バリア機能が低下することで起こります。外から入ってくるものをブロックできずチクチクした刺激を感じるうえに、肌内部の水分も流出してしまいます。そのため、もともと皮脂量と保水力の低いドライスキンの人は、敏感肌になりやすいのです。
③オイリースキン(脂性肌)
☞皮脂量、保湿能力は高いので外的刺激には強いという特徴があります。肌はしっとりしていますが、テカリやすく脂っぽいです。オイリースキンの場合、大量の皮脂が皮脂腺を押し広げ毛穴が開きやすいですが、その反面シワにはなりにくいです。気温、湿度ともに高い夏は、過剰に皮脂が増えてしまうためニキビができやすくなることもあります。
「オイリースキン」チェックリスト
□洗顔後、すぐに肌表面に皮脂が浮いてくる
□見た目がテカっている
□毛穴が開きやすい
□肌が少し硬かったり、ゴワついている
□朝起きたとき、肌がベタついている
□昼休みに化粧直しをせずにはいられない
◆お手入れポイントは、油分は少なめにして日中も皮脂対策を行いましょう。これ以上皮脂を分泌させないように、油分を与えすぎないケアを心がけることが大切です。洗顔できちんと皮脂を落とし、あっさりめの乳液やクリームを選んで、皮脂と水分の両方のバランスを整えましょう。日中はあぶらとり紙で浮き出た皮脂をとる対策が効果的です。
ニキビがある=オイリースキンとは限らず、乾燥肌の人でもニキビはできます。ニキビができる仕組みは、まず毛穴の出口の角質が厚くなり、毛穴がふさがれます。この毛穴の中に皮脂がたまりアクネ菌が繁殖してニキビになるのです。ニキビを作らないためには角質を溜めないピーリングを定期的に行い、洗顔で肌を清潔にすることが大切です。
④インナードライスキン(乾燥性脂性肌)
☞脂っぽいのに潤い不足で乾燥ニキビができやすいです。皮脂量はあるのに保湿力が低いのがこのタイプで、一見脂っぽいのでオイリースキンと思いがちですが、肌内部の潤いが足りないためハリのなさや細かいシワが目立ちます。年齢とともに保水力が落ちてくるので要注意。脂性肌の人が若いころのままスキンケアを続けていると、この肌タイプになりやすい。
「インナードライスキン」チェックリスト
□洗顔直後はカサつく
□洗顔後、少し時間が経つとベタつく
□毛穴が開きやすい
□肌にハリ感がなく、細かいシワが多い
□ニキビができやすい
□ベタつくケアは嫌い
◆お手入れのポイントは、水分の流出防止と潤い補給で肌質を改善していきましょう。皮脂量は多いけれど、水分不足のインナードライスキンは、オイリースキンと同じようなスキンケアをし続けてきた人が陥りやすい。まずはすっきり洗い上がるような洗顔料をやめ、水分の流出を防ぎましょう。
化粧水をたっぷりと与え、セラミドなどの肌に水分を貯える保湿成分入りの美容液もプラスする正しいお手入れができれば、一気に肌が変わるはずです。また、肌質は季節によって変化します。夏は気温と湿度が上がるのでどんな肌質の人も皮脂分泌量と水分量がアップします。
脂性肌の人はより脂っぽさが増し、普通肌の人も混合肌寄りになります。逆に気温も湿度も下がる冬は、両方とも低下し普通肌の人も乾燥性脂性肌寄りになり、ニキビができやすくなることもあります。だからこそ季節によってスキンケアを変える必要があるのです。
⑤コンビネーションスキン(混合肌)
☞最近は意外に多くの人がこの肌質になりつつあります。脂っぽい部分と乾燥した部分が混在している混合肌です。個のスキンタイプは、間違ったスキンケアを続けているとオイリースキンやドライスキンになりやすく、30歳を過ぎるとホルモンの関係で、混合肌の人は増えると言われています。
「コンビネーションスキン」チェックリスト
□Tゾーンはベタつくのに口、目、頬のまわりは乾く
□30歳過ぎからあごやフェイスラインが脂っぽい
□胸元、背中の中央など皮脂の多い部分にニキビができる
◆お手入れのポイントは、混在する肌タイプに合わせたスキンケアが必要になります。顔の中にノーマル、オイリー、ドライなどの部分が混在しているため、スキンケアも部分的に替える必要があります。洗顔で適度に皮脂を取り除いた後に、顔全体を保湿成分入りの化粧水で整え、乳液やクリームは乾くところにだけ塗りましょう。
次回は「正しいスキンケアを基本を身につけよう」~化粧品を効かせるために~
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