トリートメントは髪の保護と保湿が目的　毎日のケアでダメージを広げないためにできることとは？

トリートメントは２種類使い分ける

シャンプーでしっかり汚れを落としたら、今度はトリートメントで油分を補いダメージをストップさせましょう。トリートメントには「インバス」と「アウトバス」の２つのタイプがあります。インバスのアイテムは、お風呂の中でシャンプーのすぐ後に使って洗い流すものです。

アウトバスのアイテムはお風呂を出てから使う洗い流さないタイプのものです。一度傷んでしまった髪というのは、基本的には元には戻りません。そもそも髪の毛は「死んだ細胞の集まり」なので、自己修復機能がないのです。そのため、インバスのケアはダメージの進行を防ぎ、剥がれかけたキューティクルを修復するためのものです

一方アウトバスのトリートメントはドライヤーの熱から髪を守ったり、静電気を抑えて髪の引っ掛かりをなくしたり、紫外線から髪を守るなど、外側のコーティング効果があります。髪は毎日ダメージを受け続けますから、インバスのアイテムを使わないのはＮＧです。

日中の摩擦や紫外線のダメージを軽くするためにも、必ず使うようにしてください。リンス・イン・シャンプーは、どちらの役割も中途半端になってしまうので、シャンプーとインバスのトリートメントはきちんと使い分けましょう。

インバスはすべての人に、アウトバスは髪の長い人なら毎日のケアとして必須です。ただし、どちらもたくさん塗ったからといって効果は変わりません。多すぎると重たくなって髪のふんわり感が無くなってしまうので、使いすぎには注意してくださいね。

インバスのトリートメントはしっかり流すこと

インバスのトリートメントの選び方はシャンプーと同じです。髪のボリュームが出ないという場合や頭皮がベタつきがちという人は、あまりリッチなタイプ（油分が多いタイプ）は、選ばない方がいいでしょう。

頭皮のベタつきが髪をヘタらせている可能性があるので、トリートメントは毛先を中心につけるように気をつけてください。逆に広がりがち、乾燥しがちという場合には根元の近くからしっかりと塗ると落ち着きやすくなります。ただ、頭皮には塗らないように気をつけましょう。

広がってしまいがちな髪は、キューティクルが開いている状態なので、そこから油分と水分がともに蒸発してしまって足りない状態です。湿気の多い日には、そこに水分が付着してさらに髪を膨らませることになってしまいます。

梅雨時になると髪が膨らみやすくなるのはこれが理由です。そのため、トリートメントは少し重たくしてあげたり、ヘアマスクを使うなどして油分を多めに足して、キューティクルを閉じてあげるようなケアを心がけると落ち着きます。

ヘアマスクでサロンのようなツヤ髪になれる？

トリートメントとヘアマスクの違いは、そのテクスチャーの重みからもわかるように油分の多さです。だから、ペタンコ髪の人がヘアマスクまでする必要はありません。むしろべったりした質感をさらに加速させてしまうのでオススメしません。

でも朝家を出るときはきちんとしていたのに、会社に着くころにはパサッとしてなんだか全体に髪が広がっているというような乾燥した髪は、ヘアマスクを使うことでずいぶんと改善するとおもいます。サロンでヘアトリートメントをしながら、スチームを当てるのと同じようにお風呂で蒸しタオルをするのも有効です。

キューティクルをやさしく開かせて、トリートメントの浸透力をさらに高めることができます。そしてそのまま湯船に浸かると、スチーム効果がプラスされて浸透力もよりアップします。１０分ほど置けばじっくり浸透させることができるので、頭皮につけないように気を付け、その後はしっかり洗い流しましょう。

週に何回かでいいので続ければ、キューティクルが整ったツヤのある髪がよみがえってきます。ただし、インバスのトリートメントを流す際に気をつけたいのが洗い残しです。トゥルンとした指通りは、効いているのではなくまだ落ちていない証拠です。手で触ってぬるつきがなくなるまで洗い流すのが目安です。

ドライヤー前にアウトバストリートメントで保護

アウトバスケアの場合、つけるタイミングはタオルドライした後、ドライヤーの前になります。熱は髪にとって大敵で、乾燥している髪にドライヤーの温風を当てると静電気を発生させて、キューティクルが剥がれやすくなってしまいます。

キューティクルは髪にとって最後の砦ですから、これが剥がれてしまえば髪の内部の水分も栄養も流れて髪がどんどん傷んでしまいます。そのため、ドライヤー前の髪が濡れた状態が、アウトバストリートメントをつけるベストタイミングになるのです。

１プッシュ（１００円玉くらい。髪の長い人は２プッシュ程度）を髪の中間から毛先につけてください。根元につけてしまうと、これもペタンコ髪を招くのでくれぐれも注意しましょう。アウトバスケアをしながらクシを使うときには注意が必要です。

クシを通すことで、髪全体にトリートメントを行き渡らせる効果はあるのですが、過剰な摩擦はキューティクルの剥がれる原因になると同時に、切れ毛や枝毛の原因になる可能性があります。クシを使うなら、かなり目の粗いもので、通すのは１回か２回にしましょう。

髪のツヤをよみがえらせるために

アウトバストリートメントには、大きく分けてオイルタイプとミルクタイプの２種類があります。オイルタイプの中でもしっとり系のオイルは、ペタンコ髪の人が使うと重くなりすぎるのでＮＧです。軽やかなミルクタイプの方が相性がいいでしょう。オイルを使う場合でもサラッとしたテクスチャーの軽いものを選んでください。

髪が広がってしまう人はシャンプーと同じく重めのタイプと相性がいいので、オイルか補修効果の高いミルクを選ぶのがいいでしょう。髪を柔らかく扱いやすくしてくれる効果もあるので、髪がまとまりにくいと感じている人は毎日使うことをおすすめします。

ただし、髪がひどく傷んでまとまらない場合は家でケアしきれないこともありますから、サロンで月に１回トリートメントしてもいいかもしれません。修復できないくらい傷んでしまった場合は、思い切って短く切ってしまった方が、全体のツヤがよみがえることもありますので、美容師に相談してみてください。

「すぐ乾かす」だけで髪のダメージは１０倍軽くなる

髪は濡れているとキューティクルが開いた状態になります。だから、そのままにしているだけで髪の内部の水分がどんどん蒸発してしまいます。お風呂から上がったらなによりもまず、できるだけ早く髪を乾かしましょう。通説では「髪は８割乾かせばいい」と言われ、２割を自然乾燥する人もいますが、大きな間違いです。

濡れているということは、キューティクルがまだ開いている状態ですので、あらゆることをきっかけにキューティクルが剥がれてしまいます。もしそのまま寝たら開いたキューティクルが枕との摩擦でどんどん剥がれてしまうことにもなりかねません。

そうならないためにも髪は中途半端にしておかずに、しっかり乾かすことが大切です。髪がまとまりにくい人に話を聞くと自然乾燥派という人も結構多く、しっかり乾かすようにするだけで驚くほど手触りが変わったという人もいます。

お風呂から出たらタオルドライでしっかり水分をとってすぐにドライヤーで１００％髪を乾かしましょう。なかには、ドライヤーの熱が髪に良くないのでは？と心配される人もいるのですが、風量も多く、低温度で乾かすドライヤーも各メーカーから発売されています。短時間で乾かせる風量の多いものを目安に買いましょう。

濡れた髪にヘアアイロンは厳禁

アイロンで髪を巻く＝髪を傷めるというのは多くの人が心配されていると思います。もちろんアイロンを同じ場所に何度も当てたり、長時間熱を当ててしまったら傷みます。でも実は、キューティクルと同じ方向に沿ってアイロンをかけることで、面が整いツヤが生まれます。

キューティクルはウロコのような形をしていて、上から下に向かってついています。そのために上から下に向かってアイロンを使えば、浮き上がったキューティクルを落ち着かせてむしろツヤを生み出してくれるのです。それよりも危険なのが、濡れた髪に熱を加えることです。

朝、髪を洗ってからすぐにアイロンを使おうとしたり、ちょっとした寝ぐせを直すために髪を濡らしてからアイロンを使っている人はいませんか？もしも、ジュッという音がしてしまったらそれは水蒸気爆発の音です。この音がしてしまったら、もう二度と髪はよみがえりません。

寝ぐせのままアイロンをしても効果はありませんので、寝ぐせのある日には一度地肌を濡らす必要がありますが、その際は必ず水分を全部ドライヤーで乾かしてからアイロンを使うことを徹底してください。一度、チリチリになった髪は戻りませんので、ご注意くださいね。

髪がツルツルになる「ナイトキャップ」

また、ほとんどの人が意識せずにやっているのが枕での髪の摩擦です。濡れた髪はもちろんですが、乾いた髪であっても一晩のうちに何度も寝返りをして枕にこすりつけられた髪は傷みます。こうした摩擦を避けるために、髪の長い人は軽く編んだり、頭の上でゆるく一つに結んで寝るのがおすすめです。

地肌を引っ張るほどの力では抜け毛の原因になってしまいますから、ごくゆるくしておくといいです。結んだあとがつくのが気になる人は、シュシュなどを使って、ゆるゆるにとめておくだけでもいいと思います。結びたくない派の人は、枕カバーをシルクなどの摩擦のおきにくい素材にしましょう。

あるいは、枕の上に襟足から全部の髪をのせるようにして寝るだけでも少しは摩擦を防げます。中でも一番おすすめなのは「シルクのナイトキャップ」です。本当にツルツルの手触りに変わっていくのを実感できます。最近流行っているナイトキャップを一度使うとハマる人が多いのにはうなずけます。

ただ寝ているだけでこんなに違うということは、一晩の摩擦はかなりのものなのだと実感できます。ショートでもボブでも使えますし、３日続ければその手触り感にびっくりします。まさにシルクの手触りに髪の質感が変わりますので、ぜひ試してみてください。