施術後のダメージを抑制する黒い成分へマチンの力とは？パーマ・カラー専用のシャンプーでないと髪をさらに傷めてしまう原因に

パーマやカラーの薬剤は髪にどう働くのか？

髪がダメージを受けるもっとも大きな要因は、パーマや縮毛矯正、カラーリングなどの化学処理です。髪の表面の「キューティクル」という部分は、うろこ状にしっかり密着しており、これが髪を保護しています。ところがパーマなどの施術には、このキューティクルを開くためのアルカリ剤と、さらに毛髪の分子結合を切断するための薬品が用いられています。

髪は本来、肌と同じ弱酸性でその状態ではキューティクルはしっかりと閉じています。しかしこれがアルカリ性になると、キューティクルを密着させていた接着性分が溶けて、うろこが剥がれたように開きます。このキューティクルが開いたところから、薬品を髪の中に入れていくのです。

ダメージを蓄積しないケア

しかし、パーマなどの薬剤が髪にとってとても大きなダメージになるのは当然ですし、さらには施術後になにもケアしなければ髪の中に薬剤が残留し、その後もじわじわと髪を蝕んでいきます。正しいケアを行わなければ、髪はどんどんダメージを蓄積してしまうのです。

施術後のケアに市販のトリートメントを使う人もいますが、「毛髪を補修」などと書いてあるキャッチコピーはあくまでシリコンなどの皮膜成分で髪の表面をコーティングして、指通りを改善しツヤがあるように見せかけているだけです。

実際には、一度壊れた髪の構造はもう二度と元通りに戻すことはできません。なので、本当の意味で健康な髪を維持するには、受けたダメージを後から治すよりも、始めから「ダメージを蓄積しない」ことのほうが重要です。

ヘマチンで残留薬剤を除去する

このダメージを抑制するには、髪の毛の中に残った薬剤を除去できるシャンプーやトリートメントを使用するのがおすすめです。現在、この作用を持つ成分としてもっとも注目を集めているのが「ヘマチン」と呼ばれる成分です。じつは、血液中の「ヘモグロビン」を形成するタンパク質の一種です。

主に体内では酸素の受け渡しを担当しています。ヘマチンはこの作用によって、パーマ剤などの残留薬剤を失活（活性が失われて、反応を起こさなくなること）させてくれます。また、パーマやカラーの仕上がりを長引かせるといううれしい作用もあります。

ヘマチン配合のオススメシャンプーは？

ヘマチンが入っているシャンプーやトリートメントは美容メーカーからいくつか発売されていますが、どの製品も驚くほど黒っぽい色をしていますが、これはヘマチンの色です。特におすすめの商品は「ナプラケアテクト　ＨＢカラーシャンプーＳ」と同じ「トリートメントＳ」です。

これはヘマチン配合製品の中では特に実績のあるアイテムです。トリートメントにはヘマチン意外にも髪の毛と同じ構造を持つケラチンという成分が配合されており、切れた毛髪内部の結合を仲立ちして、ある程度ハリ・コシを取り戻すことができます。

ノンシリコン処方で少々ボリュームアップしやすい仕上がりですので、髪のダメージにお悩みの人にはぜひおすすめです。

＜配合されてるおすすめ成分　ナプラケアテクトシャンプー＆トリートメント＞

・ヘマチン：髪の中のケラチンと結合して髪質を改善するほか、パーマ剤などの残留薬剤を失活させる作用や抗酸化作用まである。

・ラウロイルメチルアラニンNa：弱酸性のアミノ酸系界面活性剤。低刺激という点では特に優秀で、洗い上がりは比較的しっとりする。

・ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ケラチン：髪に浸透し、内部の空洞化した部分を補って弾力を与える。ケラチンは髪の重要なタンパク質なので、親和性が高い。

パーマ後に避けるべきな処置とは？

これとは反対にパーマやカラーリングなどでダメージを受けた髪にもっとも使ってほしくないのが「石けん」を主成分にしたシャンプーです。石けんをシャンプーとして使用する消費者は少なくありません。石けんは長らく「肌にやさしく環境にもいい」というクリーンなイメージを持たれ、自然派嗜好の方々に好まれてきました。

しかし前述したように、弱酸性だという毛髪の特性を化学的に考えると、シャンプーとしてアルカリ性の石けんを利用するのはおススメできません。まったく傷んでいない健康な髪なら簡単にキューティクルが開いたりはしないのですが、パーマやカラーリングの後は困ったことになります。

つまり施術によってキューティクルが一度開いてしまうため、その後はしっかりと閉じていない状態になります。ここでキューティクルの接着部分を溶かすアルカリ性の洗剤を使ったらどうなるでしょうか？結果としてキューティクルが開きっぱなしになり、毛髪同士で摩擦が生じやすくなるためゴワつくようになります。

このままの状態で無理に洗髪を続けると当然ながら髪がとても傷んでしまいます。パーマやカラーリングの後はしっかりと弱酸性に戻してキューティクルを閉じなければ、どんどんダメージが進行するばかりなのです。「石けんシャンプー」のようなアルカリ性シャンプーはパーマやカラーと相性が悪いので気をつけましょう。

＜避けた方がいい成分表示ー石けん＞

・カリ石ケン素地：石けんのことで、アルカリ性なので肌刺激があることに加え、髪に使用するとキューティクルの接着部分を溶かす恐れがある。