シリコンの安全性は優秀で、上手に使えば髪の味方になる！そしてオイルでかなえる理想の髪質へ

シリコンは安全性が高く避ける必要はない

トリートメントの主成分は基本的に「オイル」（油分）です。本来はオイルではなく、マイナスの静電気を持つ「陰イオン界面活性剤」（シャンプーの主成分）とは逆のプラスの静電気を持つ「陽イオン界面活性剤」を主成分にするべきです。

それによって、シャンプーの後の髪のマイナス帯電を中和し質感をなめらかにできるからです。ただ、この成分は皮膚刺激が強いので、最近は配合を抑える傾向があります。その代わりに、髪の質感を整えるオイルを多めに配合するというわけです。

そこで最近のトリートメントとの主成分にもっとも頻繁に使用されているのは「シリコーンオイル」通称シリコンと呼ばれる成分です。有名な成分で言えば、ジメチコン、アモジメチコン、シクロメチコン、シクロペンタシロキサンなどがあります。

シリコンの種類と効果について

これらの成分はとても安定性が高いので、加熱や紫外線で分解したり肌や髪にダメージを与えたりすることがありません。また、液状の成分なので、地肌に残っても毛穴に詰まって毛髪の発育を阻害するようなこともありません。トリートメントの主剤として用いられるのは、その安全性の高さゆえです。

たしかにシリコンのコーティングが強力に施された髪はトリートメントやカラー剤、パーマ剤の浸透を妨げるので、美容室では邪魔者扱いされやすい実情はあります。しかし、ホームケアで多少用いる程度であれば、危険な成分ではないので避ける必要はありません。

むしろ上手に利用できれば、髪のダメージから守り質感を良くしてくれる優秀な成分とも言えます。

毛髪軟化に優れたトリートメント

「ウェーボ」などのスタイリングシリーズで人気のサロンブランドＤＥＭＩが発売している「コンポジオ　ＣＭＣリペアトリートメント」というトリートメントは、ごわつく髪に特におすすめで、髪の毛のキューティクルを柔軟にして質感を柔らかくする効果があります。

ダメージで手触りが硬くなってしまった髪も、このトリートメントを塗布してしばらく置いておけば、驚くほど柔らかくなります。もちろん効果には個人差がありますが、市販のトリートメントでは得られない独特の質感に愛用者は多いです。

「アボカド油」などの成分が毛髪に浸透して、キューティクル層を柔軟化することから得られる効果です。さらに主成分にはジメチコンなどのシリコーン成分も多めに配合されているので、ボリュームが出過ぎて広がってしまう髪を落ち着かせる効果が期待できます。

イソアルキルアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェートは髪本来の脂質である１８ＭＥＡ（１８－メチルエイコサン酸）の誘導体を含むため、毛髪本来の軽やかな質感を演出してくれます。硬毛に悩む人はぜひためしてみてください。

＜理想の髪質を叶える有効成分＞

・アボカド油：人間の皮脂に組成が近い油脂とその誘導体。肌や髪に浸透しやすく、使用することで髪を柔らかくする効果がある。

・ジメチコン：鎖状のシリコーンオイルの一種。肌や髪への安全性が高く、洗剤による髪のダメージやゴワつきを改善する目的で使われる。

・ステアルトリモニウムクロリド：陽イオン界面活性剤の一種。プラスの静電気を持ち、洗剤類のマイナスの静電気を中和する。残留性が高く刺激が強いので濃度は控えめな方がいい。（成分表で１０番目以降～）

軽さを出すならノンシリコンを試してみて

シリコンが主成分になっているトリートメントは、基本的にやや重たい質感になりがちです。これはシリコーンオイルが髪の表面に付着して残るからです。シリコンは配合量が多くなるほど重たい質感になっていくので、例えば成分表のトップに「～ジメチコン」などの成分が記載されていれば、重みをもった感じになります。

つまり、重みを持ったかなり落ち着きのある仕上がりがイメージできます。重たい質感が苦手な人は、シリコンの入っていないトリートメントを探すと良いでしょう。比較的手に入れやすいものだと、「リアル無添加時代　ヘアトリートメント」はノンシリコンの上、水添ナタネ油アルコールやミリスチルアルコールなどの軽めの油分を主成分としています。

肌への刺激の低さでも、優れている逸品です。

＜理想の髪質を叶える有効成分＞

・水添ナタネ油アルコール、ミリスチルアルコール：植物由来の油分で、使用感は軽め。そのためボリュームダウンを避けるトリートメントの基材として使われる。

・ステアリルトリモニウムプロミド：

陽イオン界面活性剤の一種。プラスの静電気を持ち、洗剤類のマイナスの静電気を中和する。残留性が高く刺激が強いので濃度は控えめな方がいい。（成分表で１０番目以降～）