「化粧品」でも「医薬品」でもない中途半端な位置づけ　メーカーの宣伝やうたい文句にある効果効能に踊らされてない？

化粧品でも医薬品でもないとはどういうこと？

化粧品コーナー物色していると、成分表示欄に「有効成分」と書いてある化粧品を見つけることができます。もしくは「薬用」という記載のあるものもありますが、両方とも同じ意味を持ちます。あなたは化粧品を買う時に、この意味をしっかり理解して選んでいるでしょうか？

これらは「医薬部外品」と呼ばれ商品群で、このタイプの化粧品は法律（医薬品医薬機器等法：旧薬事法）上ではただの化粧品とは一線を画すものであると規定されています。「化粧品」と「医薬部外品」の違いはズバリ”有効成分”を配合しているか否かです。

有効成分とは「医薬品」にも使用されるような実際に効く薬効効能がある成分を指していて、このような成分が規定量配合していることが役所から認められると、「化粧品」の区分では宣伝することが許されなかった効果効能をうたうことができるようになります。

例えば、普通の化粧品では「ニキビを予防します」や「美白効果があります」とは宣伝できませんが、その効果に見合った有効成分を十分量配合した医薬部外品であれば、これらの宣伝を行っても良いことになります。要するに医薬品ほどではないが、化粧品より強い有効成分を持つ商品群を「医薬部外品」と呼びます。

効果効能はリスクを伴うワケ

そのため各メーカーでは、自社の主力商品の多くをこの「医薬部外品」として登録しています。そうすることで化粧品には認められない効果も公に宣伝できるため、消費者に対してより魅力的な商品情報を紹介することができるからです。

流行のアンチエイジング化粧品の中でもメインとなる商品と言えば「美白化粧品」ですが、美白化粧品はもれなく医薬部外品となります。また、ニキビケア系の商品やフケ・かゆみ防止用のシャンプーなどもこの類です。しかし中には、「医薬部外品なので化粧品より”安全”である」というイメージを与えている業者もあります。

「薬用化粧品」と聞くと、なんとなく「医学的にきちんと認められた成分が入っていて安全ね」「効果を考えた薬に近い化粧品だから安心だ」と感じる人もいるかもしれませんが、じつは一概にそうとも言えません。「医薬品」には必ず副作用があるように、同様の成分を配合しているので同じような副作用のリスクが存在します。

一応、医薬部外品は法律上では「人体に対して緩和な作用のもの」とされていますが、配合する成分の種類によっては秋rかな健康危害を起こしてしまったという例も、これまで何度も報告されています。あまり意識したことのない人は多いと思いますが、昨今報道されている化粧品にまつわる健康危害の事例は、そのほとんどが医薬部外品なのです。

つまり医薬部外品はきちんとその使用法やリスクについて情報を知っていなければ、最悪の場合あなたの身に危険が及ぶかもしれない商品ともいえるのです。安全性という面で言えば、ただの化粧品の方がよほど安全です。

その効果はあくまで「予防」と限定的

しかし、いかに医薬品に使われる成分を配合しているからといっても、たいていの医薬部外品には医薬品並みの効果はありません。配合している成分の濃度は医薬品に比べるとはるかに少ないですし、処方の仕方も医薬品ではなく、あくまで化粧品のものをベースにしています。

成分が皮膚の奥底（真皮層）まで浸透したり、使うごとに肌が白くなっていくような効果は、まず期待するべきではありません（もし、医学的知識のない一般人が使う化粧品でそんな効果があったとしたら大変危険です）。医薬部外品の効果として求めるべきはずばり「予防」です。ニキビをできにくくしたり、肌を黒くなりにくくしたり、という効果が基本です。

種類によって、見るからに症状を良くしていくものもありますが（ニキビ系に特に多いです）、そういうものは後に響く副作用もあり得るのでこれも考えものです。化粧品メーカーはあの手この手で医薬部外品がお客様の肌悩みを一挙に解決できるかのようにアピールしてきます。

しかし、実際にはそこまでの効果が見込めるものはほとんどありません。薬ではないということを忘れずに「そこそこの予防効果」程度を期待しながら使用しましょう。

成分表の表記の違いを知ってほしい

医薬部外品と化粧品とでは、成分表も大きく違います。化粧品にはある「すべての成分を配合順に並べる（１％以下は順不同）」という「全成分表示義務」が医薬部外品にはないのです。とはいえ、消費者の信頼を得るため、現在ではほとんどの企業が有効成分とその全成分を自主的に記載しています。

しかし、「成分記載順」については、多くの医薬部外品が配合順ではなく順不同で記載しており、「成分表の上位成分から優劣を判断する」という技は使えません。少なくとも、一般の人には非常に難易度が高いと思います。ですから、医薬部外品の場合は、何より有効成分に着目することがポイントです。

効果効能を左右する有効成分が、安全で効果的な成分を配合しているかを見ることで、基本的な優劣を判断できます。このブログでは、その見極めるポイントやテクニックも紹介しているので参考にしてください。