オーガニック化粧水の効果と落とし穴
目次
イメージに惑わされず効果とリスクを比べて賢い使い方をするのが大切
「ナチュラル=肌に良い」のか?
自然派化粧品に厳密な定義はありませんが、おおまかには「植物成分を主に使用したもの」というイメージがあると思います。「オーガニックコスメ」という呼び方もあります。例えば、”カミツレエキス”とか”ラベンダー油”のような草花の名前が付いた成分が多く配合されている化粧品だと、そのように呼ばれます。
最近ではこういった自然派化粧品のみを扱っている専門のブランドも生まれてきており、このタイプの化粧品を手にしたことのある女性は多いでしょう。これは「化学が生み出した合成の成分などより、自然が作った天然の成分のほうが人体に安全なはずで、安心して使用できそう」と考える消費者が多いからだと思われます。
メーカー側もリスクを知っている?
しかし実際のところは、この考え方には大きな誤解があります。じつは、天然の植物成分などは人に対して安全どころか、むしろ刺激が強くアレルギーなどのリスクが大きい場合が多いのです。なぜなら植物の多くには、”毒”があります。
植物は動いて逃げることができないため、あらかじめ自身の身体に毒を仕込んで外敵に備えているのです。植物から直接成分を抽出すれば、この毒素も当然含まれてしまうので化粧品では、植物から得られる成分(植物エキス・精油)は基本的にごく微量にしか配合されていません。
皮膚に塗っても刺激やアレルギーのリスクが小さくなるように処方されています。自然派化粧品には「~エキス」という成分が何種類も配合され、その上さもその成分の効果がすごいかのように宣伝しているものもありますが、実際にはそれらの配合量は驚くほど少なく肌に劇的な影響を与えるほどのものではないです。
ですから、「~エキス」をあれもこれもと10種類も20種類も配合し多様な化粧品を作ったとしても、それは特に意味はないことです。むしろ植物抽出エキスはエタノールなどの溶剤に溶かしてあるものが多く、エキスの種類に比例して増えるので、逆に肌の負担になる商品も少なくありません。
じつはシンプルな構成が理想
もちろん植物エキスなどの成分には、種類によってはそれなりの効果が見込めるものもあります。例えば「カンゾウ(甘草)」という植物は、医薬品の抗炎症成分に使われる「グリチルリチン酸ジカリウム」という有効成分の原料です。
そのため甘草から取り出した「カンゾウ根エキス」は同様の抗炎症効果などが期待できます。こういった効果的な成分のみを厳選し、できるだけ肌に負担を与えないシンプルな構成で作った化粧品があったとしたならば、それは優れた「自然派化粧品」といえるでしょう。
ここで例に挙げるのは自然派と言える化粧水の中では比較的理想に近いものです。主成分はグリセリンと低刺激なベース成分となっており、配合されるエキスは先ほど紹介したカンゾウ根エキスを含めて5種類のみです。
増粘剤には天然成分の「キサンタンガム」を使用し、防腐剤として青森ヒバなどから得られる芳香成分である「ヒノキチオール」を代用しています。植物成分のみから作り上げた化粧水としては、なかなか刺激などを抑える工夫があり、ある程度肌の弱い人でも使用できるはずです。
<理想的な化粧水成分の一例>
成分表示:水。グリセリン、トレハロース、クインスシードエキス、ビワ葉エキス、シラカバエキス、ヘチマエキス、カンゾウ根エキス、キサンタンガム、ヒノキチオール、クエン酸、クエン酸Na、エタノール
・カンゾウ根エキス:抗炎症成分グリチルリチン酸2Kの原料で、同じ効果があると見込まれる。漢方薬でも良く使用される。
・キサンタンガム:食品にも使われる増粘剤で、デンプンを微生物の力で発酵させたもの。
・ヒノキチオール:青森ヒバやタイワンヒノキに多く含まれる。殺菌・抗菌効果があり防腐剤として使われる。
適度な合成成分は肌の味方
しかし、それでも安全性抜群というわけではないのは先にも述べたとおりで、たとえば増粘剤のキサンタンガムは微生物発酵で作る成分のため、思わぬ不純物が混ざっている懸念があります。そして、防腐剤代わりにしようしているヒノキチオールはヒノキ科の樹木の持つ天然の殺虫成分を抽出したものです。
虫が嫌がる成分ですから、人間の敏感肌にも刺激になることがあります。合成成分は、一部のメディアや根も葉もない噂のおかげで攻撃の的になっていますが、じつはこのような天然の成分を無理に使うよりも、合成の増粘剤や防腐剤を少量使うことで、肌への総合的な負担を軽くできることも多いのです。
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