洗浄力をコントロールするのが、美肌をつくるカギ

トラブルを根本から断つケアとは？

洗浄後に「お肌が乾燥する」と感じたことはありますか？また、髪を洗った後にやたらとパサついたり広がったり、頭皮にかゆみ・フケが出て困ったことはないでしょうか？おそらく、ほとんどの人がこのような経験が一度くらいはあると思います。

肌や髪を健康に保とうと思うなら、何らかの手段で保湿成分を補うよりもその手前で乾燥の原因を断つ方が手っ取り早く、より肌・髪を傷めずに済むのです。今回は、洗浄コントロール法として、「オフスキンケア」と「プレシャンプー」を紹介します。

「保湿アイテム」を買う前に、根本から肌や髪質を変えるこれらの方法をぜひ試してみてください。

肌の乾燥の原因は「洗いすぎ」にある

毎日・毎朝きちんと洗顔し、洗顔後はお肌が乾燥するからたくさんの化粧品を使って必死に肌をうるおす。特に女性ではこのような人は多いでしょう。アトピー体質で極度の乾燥肌の持ち主であれば、たくさんの基礎化粧品を使って、洗顔による肌の乾燥をごまかしてきたかもしれません。

しかしこれらの行為は非常に非効率であり、そもそも肌はそれ一つで完成しているはず器官です。世界中の動物を眺めてみても、洗顔後にわざわざ何かを塗って保湿しないと肌がガサガサになってしまうような生き物は、人間（の主に女性）のみなのです。これは不思議なことではないでしょうか？

じつはとても無駄なことをしているのではないかと感じて、「オフスキンケア」というスキンケア法が編み出されました。もともと人の肌は勝手に皮脂を分泌し、角質の分解によってみずから保湿成分を生成します。これが足りている肌は、とくに乾燥を感じないはずなのです。

ひどい乾燥を感じるということは、洗顔によってこの油分や水分が過剰に取り去られているということではないでしょうか。もし洗浄力を調節して、肌に必要な水分や油分を十分に残した状態で洗顔を終えることができたとしたら、肌はその状態で十分潤っているので、高い化粧品をあれもこれもと使う必要はなくなるはずです。

洗浄力がカギの「オフスキンケア」とは？

「オフスキンケア」と呼ばれる肌の改善法は、単に洗顔を行わないとか基礎化粧品を使わないというものではありません。たしかに洗顔を一切行わないとか、基礎化粧品をやめるというスキンケアも注目されています。

しかし昨今の女性はみな「メイク」をするのが当然となっていますし、洗顔を一切しないというのは現実的ではありません。しかもこれまでずっと「洗顔→保湿」を繰り返してきた肌が、いきなりその両方あるいは片方をぴたりとやめて対応できるはずがありません。

角栓やくすみが溜まり、ニキビや脂漏性湿疹などができやすくなったり、極度の乾燥に悩むことになりかねません。そこで「オフスキンケア」では、洗顔料の”洗浄力”に着目しました。前にもお伝えしたようにあなたが日々用いる洗顔料に使われている「洗浄成分（界面活性剤）」には、洗浄力の高いものや低いものなど、さまざまな種類があります。

この洗浄成分の種類に着目し、ひどい乾燥肌や敏感肌の人はカルボン酸系やアミノ酸系などの洗浄力のやさしい成分を選ぶことで、洗顔後の肌の乾燥を抑えることができると考えました。普段使っている洗顔料を、これらの洗顔料と取り換えて、あとは最低限の保湿化粧品さえあらば準備完了です。

過剰な洗浄を行わないため、肌がキュキュッとする洗い上がりにはなりません。洗顔後からお肌がしっとりしています。保湿化粧品もそんなに必要ないと感じるはずです。長く続けていけば、肌がかってに水分や油分を整えてくれるようになるので、化粧品の使用量はどんどん減っていきます。

乾燥肌や敏感肌などに効果は抜群でやり方も簡単、お財布にも優しく、さらにメイクなどもＯＫの究極のスキンケア法です。

髪も洗浄力をコントロールして

「洗浄」を工夫することでキレイを維持できるのは肌だけではありません。「乾燥してパサつく」とか「ベタつく」という髪の毛の不調も、洗浄を調節することで解決できる場合があります。そもそも「髪がパサつく」という状態は簡単に言えば「洗いすぎ」です。

髪も肌と同じように健康な状態を維持するには、いくらかの保湿成分と油分を蓄えておく必要があります。しかし最近のシャンプーは洗浄力が高すぎるものが多いため、こういったシャンプーを日常的に使用することで髪が乾燥状態にある人が多いのです。

これを補おうとトリートメントする人も多いですが、保湿効果の高いトリートメントをしたところで、洗いすぎをやめなければ、すぐに「乾燥毛」に逆戻りです。”最近髪が乾燥するなぁ”、”広がったり、静電気がひどいなぁ”と感じた時は、シャンプーの洗浄力に注意すると、意外に早く改善するかもしれません。

先に不要な油分を取るひと手間を

また最近では、非常に被膜力の強いワックスや、油分を多く含んだトリートメントが人気なため、髪の毛に大量の油分がついたままになっている人が多いです。「シャンプーしたのに髪がべたつく」という症状は、そういった油分が少しずつ髪に蓄積し、残留してしまっているからです。

このタイプの髪のトラブルは、トリートメントでは絶対に治らないと言われています。油分が多すぎて不調になっているのですから、その上に油分を補給する方法（トリートメント）は逆効果です。こういった症状の基本的な原因はワックスやトリートメントなどで補給する油分と、シャンプーなどで洗い流す油分のバランスが取れていないことです。

「１０」の油を足したのに「５」の洗浄しかできていなければ、髪の毛には毎日「５」の油が追加されていくことになります。そこで最近はシャンプーを２回する「２度洗い」が主流になっています。「プレシャンプー」とはそのうち１回目のシャンプーのことを指します。

プレシャンプーの上手な使い分けとは？

しかし、ここで高洗浄のシャンプーで髪を２度洗ったらどうなるでしょうか？ワックスなどがついているわけではない普通の油分量の頭皮は、どんどん油が奪われて荒れ、刺激を受けやすくなっていきます。傷みがちで油分が少ない毛先も乾燥していきます。

２度洗いするなら少し工夫して、１度目と２度目のアイテムを変えることがおすすめです。最初のシャンプーはしっかりと洗えるものを、２度目はとことん肌に優しいものを選ぶのです。油分の除去を得意とする「プレシャンプー専用のシャンプー」なども発売されていますので、そういったシャンプーでのケアを試してみましょう。