「肌の悩み・トラブルを解決する」~肌の乾燥・シワを防ぐためのスキンケア~
目次
すべての肌トラブルは乾燥から始まる 年々増えるシワ対策は、早めのケアがカギ!
「乾燥」渇きをストップ!みずみすしい肌を取り戻す
潤った肌は、健康でトラブルに強くみずみずしくキメが整って、見た目にも美しいものです。でも、年々、乾燥しやすくなっていくあなたの肌は、大きな肌トラブルになる前に正しい保湿ケアを取り入れて、乾燥スパイラルから脱出しましょう。
乾燥は誰にでも起こる肌悩みです。人間の肌は、表皮の一番上にある角層の中にレンガのように角質細胞が並んでいて、その隙間にセラミドなどの細胞間脂質がつなぎとめ、水分をキープしています。また、角質細胞内には水分を抱え込む天然保湿因子(NMF)があり、みずみずしくなめらかな肌を維持してくれます。
そして、これらの水分を蒸発させないように皮脂膜が肌のバリアとなって肌を守っているのです。しかし気温や湿度といった外的環境や年齢とともに細胞間脂質、天然保湿因子、皮脂の量が減ってしまうと、肌は正常に働かなくなってしまいます。すると、水分を抱え込む力もバリア機能も低下し、水分が流出して乾燥してしまいます。
表皮の薄い日本人は特に乾燥しやすいといわれています。これ以上乾燥を進めないために、年々減っていく細胞間脂質や天然保湿因子などを補う、正しい保湿ケアをしましょう。普段何気なくやっていることにも乾燥の原因があるかもしれません。例えば、洗いすぎ、日焼け、保湿のお手入れをしていない、食生活の乱れ(栄養不足)、刺激のあるクレンジング、アレルギー(花粉症など)、加齢、外気の乾燥などが挙げられます。
正しい”保湿”のお手入れ
保湿とは「保湿成分を肌に入れて、油性成分で閉じ込めること」です。保湿成分には主に2種類あり、セラミド(細胞間脂質)は細胞同士をつなぎとめ、潤う強い肌にしてくれます。セラミドなどの細胞間脂質には、角層内の細胞と細胞の隙間を埋め、水分を抱え込んでキープする特性があります。
この細胞間脂質がたっぷりあれば、角層がめくれ上がったりせず健康で潤いのある肌でいられるのです。でも、年齢とともにその量は減ってしまうため、化粧品で補うことが必要です。肌にしっかり浸透させたいなら、セラミド入りの化粧水などを選ぶといいでしょう。乾燥が進んでしまった人は、美容液もプラスしてください。
他にアミノ酸やヒアルロン酸といった天然保湿因子もあり、これは肌が自ら生み出す保湿成分です。角層内に並ぶ角質細胞の中には、天然保湿因子と呼ばれる水分を貯える性質があります。この天然保湿因子がきちんとあると、外的環境に強い角質細胞になり、水分を生み出す力も高まります。
しかし、洗顔で流出したり加齢や睡眠不足で減少しやすいので、アミノ酸やヒアルロン酸、尿素などの天然保湿因子が入った化粧品で補いましょう。セラミド入りの化粧水、美容液で肌を潤した後に天然保湿因子配合のクリームを使うのがおすすめです。
また、油性成分としてワセリンやミネラルオイルなどの疑似の皮脂膜をつくり、水分の流出を防ぐものもあります。正しい保湿ケアとは、モイスチャライザー=保湿剤、エモリエント効果=なめらかさや柔軟性、オクルーシブ=密閉効果の3つを備えたお手入れのことです。
ワセリンやミネラルオイルなどの油性成分は、3番目の密閉効果を担っています。皮脂量が十分にある健康な肌なら自分の皮脂膜で肌を守ることができますが、皮脂量も加齢とともに低下していきます。クリームなどの油性成分でバリア機能を高め、水分の流出を防ぎましょう。
ひどい乾燥への対処法
<方法1>保湿化粧品を通常の倍量使う
☞からからに乾いた冬やエアコンなどによる乾燥で、どうにも肌が潤わないときには普段使っている化粧品の量を増やしてみましょう。化粧水、美容液、乳液・クリームをすべてたっぷりと使います。スキンケア後にティッシュを肌に当てると油分でティッシュがくっつくくらいに、通常の倍量を目安に使用してみてほしいです。
肌がケバ立ち、化粧水がしみるほど乾燥してしまったら通常のスキンケアはお休みにして、ワセリンをたっぷり塗って肌を守ることに徹しましょう。
<方法2>洗浄力の優しいクレンジングに替える
☞肌がひどく乾燥してしまうと、バリア機能が低下して洗顔やクレンジングで潤いが流出しやすくなってしまいます。そのうえ、油性のメイクを落とすため皮脂をとりすぎてしまうことがあるのです。メイクを落とした後に肌が突っ張ったり、すぐにカサついてしまう場合は、洗浄力の優しい潤いの残るクリームやミルクタイプに替えてみましょう。
<方法3>食事を見直す
☞きちんとスキンケアをしていても乾燥が改善されない場合は、天然保湿因子やセラミドの材料となる食材を摂って、肌や髪に潤いを与えましょう。乾燥は肌トラブルの初期症状で、潤いを作り出すことができす、ゴワついて見た目も美しさを失ってしまいます。
さらに、水分保持能力が下がり、炎症は起きることでターンオーバーが早まって未熟な細胞が角層に並びバリア機能も低下してしまうといった、乾燥スパイラルとなります。外的環境から肌を守れなくなるとシワやたるみ、シミやくすみが現れ、毛穴も目立つようになります。乾燥はすべての肌トラブルの引き金なのです。
<ワセリンの力>
天然のバリア機能=皮脂膜が強固なら外的刺激を受け付けない健康な肌でいられます。しかし乾燥が進んだ肌は皮脂量が低下して肌を守ることができません。この皮脂膜を疑似的に作るのがワセリンで、油性成分が肌の上にとどまって水分を閉じ込め、外的刺激から肌を保護します。保湿効果はありませんが、化粧水がしみるくらい肌荒れしてしまったときなど、緊急の手段として皮膚科で処方されることもあります。
肌に潤いを作る食事
潤いの98%は食事からなので、しっかりと食べて乾燥を防ぎましょう。肌の乾燥が気になるとき、見直すべきは化粧水や美容液より食生活かもしれません。なぜなら、肌の潤いは2~3%を皮脂膜が、17~18%を天然保湿因子が、残りの80%をセラミドが守っているからです。
天然保湿因子の材料はたんぱく質を構成しているアミノ酸で、肌のターンオーバーを促進する効果もあります。セラミドの材料となる必須脂肪酸には、女性ホルモンの働きを整える作用があります。どちらも食事から取り入れる必要があり、潤いの98%は食事から供給されていると言えるのです。
また、たんぱく質や必須脂肪酸を摂りこみやすくするためには、シンバイオティクスも欠かせません。そこでこれらを組み合わせて、積極的に摂っていけば体の中から潤いを作り出すことができるのです。効率的に摂るコツとしては
◇食事の一番最初にアボカドを食べる
◇魚介類を積極的に摂る
◇タンパク質はビタミンCと一緒に摂取
肌の潤いを作る食事をするなら、摂り方も大事で今最も注目さてているのが食事の一番最初にアボカドを食べる「アボカドファースト」という摂り方です。トマトやニンジンなどに含まれる美容成分カロテンは、新鮮なアボカドと食べ合わせると吸収率が高まり、肌にハリをもたらすビタミンAに変換させるのを助けるといわれています。
このことは米国・オハイオ州立大学の研究によって明らかになっています。また、魚介類にはオメガ3(DHA・EPA)など、良質な必須脂肪酸が豊富に含まれています。ビタミンCと一緒に摂って吸収率をアップさせましょう。
<乾燥に効く!オススメ食材>
・アボカド:美肌食材の代表格で、必須脂肪酸を豊富に含み肌にハリをもたらすビタミンAの先躯体、カロテンの吸収率を高める、食物繊維も豊富に含まれる。
・くるみ:女性ホルモンを調整し、肌の炎症を抑制するオメガ3脂肪酸と、美肌のビタミン=ビオチンを含み、手軽に摂れるのも魅力の食材。
・サーモン:食べる美容液と呼ばれるほど、サーモンには潤いのもとがたっぷり含まれる。アミノ酸と必須脂肪酸を両方とも豊富に含むのが魅力の食材。
・みそ:みそは手軽に摂れる日本の発酵食品で、味噌汁を毎日摂ることによって、肌の保湿力は高まり化粧ノリが良くなるといった報告もある。
・オイル:ビューティオイルで不足しがちな必須脂肪酸を取り入れましょう。ビタミンやミネラルをチャージできるパンプキンシードオイルなどに注目。
・牡蠣:別名海のミルクと言われる牡蠣には総合的な栄養素が豊富で、中でも美しい肌、爪、髪の材料となる亜鉛が断トツに含まれている食材。
・パプリカ:パプリカのビタミンCは加熱しても壊れにくく、手軽に美容成分を摂取できます。最も栄養価が高いのはオレンジのパプリカです。
・納豆:シミを防ぐ効果のあるLーシステインは大豆製品に多く含まれます。納豆は発酵により、その栄養価が何倍にもなっている優秀な美容食材です。
・高野豆腐:実は、豆腐はセラミドの材料となる必須脂肪酸も含んでいます。高野豆腐は絹ごし豆腐の10倍のタンパク質を含み、とくに栄養価が高い。
・ココア:ココアは女性は不足しがちな食物繊維や亜鉛などを含み、抗酸化力が高い食材です。豆乳や無脂肪ミルクで割ってタンパク質もチャージしましょう。
「シワ」3つのタイプ別ケアで小ジワを深ジワにさせない!
たった1本の線が老け顔に見せるので、シワはなるべく増やしたくないものです。まずは、自分のシワタイプを知って最適なケアを始めましょう。深く刻まれたシワを改善するのは至難の業なので、増やさない・刻ませないシワケアを早速始めましょう。
シワは乾燥だけは原因で起こるわけではありません。ふと顔を見たときいつも戻るシワが戻らない、そんな経験はありませんか?では、どうやってシワはできるのでしょうか。実は、シワには3つのタイプがあります。まず、いちばん最初に表れるのが、肌表面の角層部分にできる小ジワやちりめんジワです。
乾燥が主な原因なので、浅いものであれば潤いを補給すると目立たなくなります。次に表れるのが表情ジワで、ハリや弾力が低下してくる30代くらいから、笑いジワが戻らなくなることで気づきます。さらに年齢を重ねていくと、真皮のコラーゲンやエラスチンがもろく、壊れやすくなり深い加齢ジワとなって刻まれていきます。
真皮まで到達したシワは、スキンケアでは改善するのが難しくなります。だからこそ、シワ対策は予防が肝心で深いシワになる前に、正しいお手入れを始めましょう。
<シワの3タイプ>
①小ジワ:乾燥で起きる浅く細かいシワで、肌表面に表れます。水分が不足した角層は容積がしぼんでしまうため、その部分が余ってシワが寄ることで起こります。乾燥が原因なので、ドライスキンの人は若いころから現れることもあります。
②表情ジワ:表情のくせが定着してできるシワで、笑ったり怒ったり表情を作るときにできます。表情筋と呼ばれる顔の筋肉が過剰に収縮することで皮膚に折れ目がつき、これが定着することによってでき、年齢とともに深く刻まれていきます。
③加齢ジワ:年齢とともに深くなるシワで、加齢により真皮のコラーゲンやエラスチンがもろくなったり変性してできます。肌の弾力を司るコラーゲンなどが減少してしまうため、目元や頬の皮膚を支えきれず、目の下のシワやほうれい線が深くなってしまいます。
正しい「小ジワ」のお手入れ
保湿ケアをしっかり行えば、小ジワは改善できます。小ジワやちりめんジワと呼ばれる浅く細かなシワは、乾燥が主な原因です。乾燥したリンゴは中の果肉がしぼんで、皮の表面に細かなシワが寄っていますが、これと同じ状態をいいます。これらのシワは皮膚が薄くて乾きやすい目元の中でも、よく動く目尻にできやすいです。
20代後半くらいから目立ち始めます。表皮の浅い部分にできる小ジワは乾燥やお手入れ不足が原因なので、朝晩のスキンケアでしっかりと保湿すれば徐々に改善していきます。保湿成分と油分が入ったアイクリームをプラスするといいでしょう。口元であれば乳液やクリームの重ねづけも効果的です。
水分保持能力は年齢とともに低下していきます。小ジワを見つけたらすぐに乾燥対策をしていきましょう。保湿ケアをしても改善されない小ジワは加齢ジワに進行している可能性があるので、その場合はハリと弾力をもたらす加齢ジワ対策にシフトして、早めのケアが鉄則です。
正しい「表情ジワ」のお手入れ
長年蓄積されてできて表情ジワには、美容医療が効きます。笑ったり怒ったり、顔の動きに合わせてできるのが表情ジワです。このシワは、表情筋と呼ばれる顔の筋肉が過剰に収縮することで皮膚にシワが寄り、それが定着してできてしまいます。眉間や目尻にできやすく、くしゃっと笑うくせのある人は、鼻に横ジワが寄ることもあります。
表情ジワはその人が長年続けてきた表情のクセであり、年齢とともに真皮のハリや弾力が失われるとそのクセがもとに戻らなくなりシワとなって、顔に刻まれていくのです。長年蓄積され、真皮まで到達した表情ジワはスキンケアでは改善することができません。
どうしても表情ジワを消したい場合は、ヒアルロン酸注入やボトックスなど、美容医療の力に頼るのが得策です。表情のクセを抑えることができ、シワが深くなるのを防げるはずです。
<シワ対策の美容医療>
①ヒアルロン酸注入:凹んだ溝を持ち上げてシワを改善します。口元や目元の凹んだ部分に直接ヒアルロン酸を注入して、皮膚を中から持ち上げる美容医療がヒアルロン酸注入になります。ヒアルロン酸は人間が元々持っている天然保湿因子なので、徐々に代謝されて半年後くらいから元の状態に戻ります。
②ボトックス:表情のクセを抑え、シワを寄らせなくする。ボトックスとは、ボツリヌス菌から抽出した成分で、筋肉の働きを抑えシワを伸ばす効果があります。深く刻まれたシワより表情ジワに向いていますが、永久に持続するものではありません。シワを軽減するためには、定期的な施術が必要です。
正しい「加齢ジワ」のお手入れ
自分に合ったお手入れで、予防も対処も可能です。加齢ジワは、真皮のコラーゲンやエラスチン、線維芽細胞の変性、減少が主な原因です。年齢とともに真皮のコラーゲン組織がもろく壊れやすくなり、その量が減少することでハリや弾力が失われ、深いシワになってしまいます。
また、肌の奥に入り込んで真皮のコラーゲン組織を破壊する紫外線も、シワをつくる要因になります。若いころに紫外線をたくさん浴びてしまった人はシワになりやすいので、注意が必要です。加齢ジワのお手入れはコラーゲンの量を増やすことが重要で、コラーゲン生成を促すビタミンCやレチノールなどの抗酸化成分配合の化粧品を使いましょう。
他にも、定期的にピーリングを行うことで、加齢ジワを軽減することができます。これらのお手入れは、たるみや老化予防にも効果的です。アンチエイジング効果の高い抗酸化成分配合の化粧品は、加齢ジワ対策の必需品です。その代表格がビタミンCとレチノールです。
ビタミンCはコラーゲン生成を促し、毛穴を引き締め保湿力アップして肌にハリと弾力を与えてくれますので、使いやすい化粧水で取り入れるのがおすすめです。レチノールは肌のターンオーバーを整え、線維芽細胞に働きかけてコラーゲンを増やす作用がありますが、やや刺激が強いので使い始めは少量ずつ試すようにしましょう。
女性ホルモン(エストロゲン)を促すことで、女性らしいまるみのある体、柔らかな肌、つややかな髪は女性ホルモンの働きによるところが大きいです。エストロゲンには、真皮のコラーゲン生成を促す働きがあると言われています。そこで、一日1食は豆腐や納豆などを取り入れて、身体の内側からもシワ対策をしていきましょう。
コラーゲン生成を促す化粧品や美容医療としては、ケミカルピーリングやイオン導入から始めるのはオススメです。より効果を得たい人は、高周波やレーザー治療を行うのも検討してみましょう。真皮のコラーゲン組織に光や熱で刺激を与え、肌が再構築する過程でコラーゲンが増産され、シワやたるみが改善されていきます。
<シワができやすい顔タイプ>
シワは皮膚が薄くてよく動くとことにできやすいものですが、顔のタイプによってもできやすさは違います。例えば、ほうれい線で、これは顔の面積が大きい人、中でも頬が縦長の人にできやすいです。目の下のゴルゴラインと呼ばれるシワは、目が大きくて丸い人に表れやすいものです。
また、口が引っ込んでいる人は、口角から下に向かったマリオネットラインと呼ばれるシワに注意が必要でしょう。
次回「肌トラブルは起こる前に予防するのが基本」~くま・毛穴の対処法~
関連情報