「美しく見えるツヤ肌の作り方」~キレイに崩れるメイクの秘訣~
目次
「頬の光り玉」はパウダーでこそつくられる。崩れにくいメイクは成分に注意が必要!
ツヤ肌はオイルではなく粉で作るほうがいい
◆要チェック:オイルでツヤ肌メイク女子
・ファンデはツヤ肌になるかどうかで選ぶ
・ツヤとツヤとテカリの差はいまいちわからない。
・CMで見た「頬の光り玉に憧れている
☆リキットやオイル頼みのツヤ肌メイクはテカり肌と紙一重。粉でもツヤ肌は作れる!
①光の散乱の仕方は粉体の種類で変わる
最近はツヤ肌メイクが流行のようですが、ツヤ肌を作りたい女子は、油分が結構多いリキッドファンデーションなどを利用することが多いのではないでしょうか。しかし、光の拡散の仕方は粉体がによって変わるので、重要なのは粉体選び!なので、パウダーファンデーションでもツヤ肌は作れます。 ちなみにベースメイク製品は主に粉体で着色しているので、リキッドやクリームのファンデにも粉体が入ってます。
②オイル種類によっては、崩れ、肌トラブル、老化の原因に
肌にオイルを塗ったり、あるいはリキッドにオイルを入れたりしてツヤを作る女子もいますが、ツヤ感を追加するのによく用いられるベビーオイルは、脱脂力の高いクレンジングオイルに使われるミネラルオイルが主成分です。メイクを溶かすので、 メイクよれやテカリ肌の原因になりますし、馬油やアルガンオイルなど動植物の油脂は酸化するので、シミなどの原因になる懸念もあります。
ファンデの艶肌系マット肌を見極める方法
・ファンデーションは「粉体」で色をつけており、粉体の種類によって光の散乱の仕方が異なる。
・粉体=ツヤ肌系の「板状粉体」、 マット肌系の「球状粉体」の2種類に大別される。
・板状粉体の多いパンダパウダーファンデーションはツヤ肌系と判断できる。
<ファンデの色や光は粉体で作っている>
ファンデーションの色や光を演出しているのは色味のある粉体です。例えば、酸化チタンや酸化亜鉛などの白色顔料にオレンジ色の酸化鉄を加えていくという具合です。タール色素を使うこともありますが、日本製のファンデの多くは粉体メインで着色しています。
<板状粉体と球状粉体の違い>
粉体は次の2種類に大別されます。
①板状粉体:板状なので、肌に当たった光を反射板のように一方向に跳ね返します。
②球状粉体:丸い粉体なので、光を様々な方向に拡散して跳ね返します。
☞ツヤ肌希望なら、成分表示で粉体の種類を見ればOK!
<板城粉体&球状粉体の違いは?>
☞ファンデーションの粉体には、ツヤ肌系の板状粉体と、マット肌系の球状粉体があります。それぞれの代表的な成分名を覚えておくと、好みのファンデを選ぶのに役立ちます。
◇板状粉体
・主な成分:マイカ、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、ホウケイ酸、硫酸バリウム、雲母、合成金雲母
・特徴:板状構造の粉体で、光を直線的に強く反射するためツヤツヤとした輝きが生じます。若い肌の演出やツヤ肌メイクのファンデーションに広く利用されていて、天然鉱石系の成分が多いです。
◇球状粉体
・主な成分:シリカ、ナイロン、ポリエチエン、炭酸カルシウム、ポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル
・特徴:球状構造の粉体で光を様々な方向に拡散反射するため、柔らかな印象の質感を演出できます。マット感を付与したり、凹凸をぼかす作用があります。主に合成高分子の球体を利用している。
美肌女子はメイクを”キレイ”に崩す
◆要チェック:崩れないファンで愛用女子
・24時間崩れないファンデを買った。
・ブルゾンちえみのマラソンコスメもすかさず検索。肌負担や素肌美なんてどうでもいい。
☆崩れを防ぐファンでは落とすのも大変!黒ずみ毛穴や乾燥肌の元凶にも!
①崩れ防止系ファンデを落とすにはミネラルオイルなどが必要。
テカリ女子の頼みの綱「崩れ防止」系の化粧下地やファンデーション。これらは以前紹介したウォータープルーフマスカラと同じ仕組みで、成分こそ異なるものの皮膜の強い油剤 (高重合のシリコーンやフッ素加工樹脂等)によって汗や皮脂をブロックしている場合もあります。おすすめしている油脂などのクレンジングでは落ちず、脱脂力の強い「ミネラルオイル」などのクレンジングが必須となります。
②ミネラルオイル系クレンジングが乾燥肌やテカリ肌の原因に!
ミネラルオイル系なので、洗い続けると肌は確実に乾燥していきます。逆に肌が潤いを補おうとして皮脂を分泌し、 皮膚表面だけオイリーなテカリ肌になったり、油分過剰でニキビができたりもします。しっかりメイクをしながらも、肌に優しいからと洗浄力の穏やかなクレンジングを続けると、メイクの油分が毛穴に残留していき、黒ずみ毛穴やニキビにもなります。素肌美も欲しいなら、割と崩れないか、綺麗に崩れる程度の妥協をしましょう。
ファンデーションの成分アンド崩れの関係
・ファンデの成分は粉・油(リキッドは水も)を基剤に着色用の顔料、界面活性剤、防腐剤などを添加する。
・ファンデの形態(パウダー、リキッド等)は粉・油・水の比率で変わる。用いる成分はほぼ同じ。
・崩れない化粧品=溶けない油で作る。特にエマルジョン系は油分の割合が多く崩れにくい。
<粉・油・水の割合でファンデの形が変化>
ファンデーションにはパウダー、リキッド、クリームなどの種類がありますが、その差は基剤(粉、油、水)の割合で、用いる成分的にはどれも大差ありません。こうした基剤に必要な顔料、界面活性剤、防腐材などを添加していくのが、ファンでの基本的な製造方法です。
<ファンデの種類と崩れやすさの関係>
化粧崩れの原因は、油分や水分が汗や皮脂と混ざって溶けるからです。よって、溶けない化粧品を作るには、溶けない油を多く使います。パウダーとリキッドを比較すると、溶けない油がより多い方が崩れにくくなります。パウダーは約9割が粉なので、油は少ししか配合されません。一方、クリームやリキッドは油の割合が多く、溶けない油を増やすのが簡単です。同じ崩れ防止系ブランドの中で比べれば、リキッドやクリームはパウダー以上に崩れにくい傾向にあります。
<ファンデーションの成分と崩れにくさの関係>
☞ファンデーションの形は、基剤(粉・油・水)の割合によって次のように変化します。油分量が多いほど崩れにくいので注意が必要です。
・エマルジョンファンデ→粉:油=5:5(とても崩れにくい)
・スティックファンデ→ 粉:油=6:4(崩れにくい)
・クリームファンデ(油系)→粉:油:水=2:4:4(比較的崩れにくい)※界面活性剤が多いため
・リキッドファンデ(2層型)→粉:油:水=2:4:4(崩れにくい)
・クリームファンデ(水系)→粉:油:水=2:2:6(比較的崩れやすい)
・リキッドファンデ(乳化型)→粉:油:水=1:2:7(崩れやすい)
・パウダーファンデプレスドパウダー→粉:油=9:1(崩れやすい)
・ルースパウダー→粉:油=9.5:0.5(とても崩れやすい)
綺麗に崩れるメイクの秘訣
・オイル主体だと崩れにくくすぎるので、主体にオイル(シリコーン)を混ぜたリキッド系がベター。
・クリームタイプは汗や皮脂で簡単に落ちてしまいやすいので、崩れにくさはイマイチ。肌負担は低い。
・2層式のミルクタイプで粉体(紫外線散乱剤やパウダー)が多いものは割と崩れにくい傾向があり。
<肌に優しいのに割と崩れない下地>
「界面活性剤」は油と水を混ぜるので、多いと崩れの原因になります。クリーム系は常に水と油が乳化状態なので、界面活性剤が比較的多く崩れやすいものが多いです。一方、2層式のリキッド系下地は、水と油を混ぜる界面活性剤が少ないので、割と崩れにくくなっています。また、この「粉体」は皮脂を吸着するので、紫外線散乱剤やパウダーが多いとより崩れにくくなります。
<美しく崩れるベースメイクとは?>
下地は「水」を主体に「シリコーン」(シクロペンタシロキシサンやジメチコン)などの安定性の高いオイルを混ぜた構成の下地がおすすめです。肌に刺激になりにくく、汗や皮脂に溶けにくいため、 対崩れ性能の高いベースが作れます。また、シリコーン系より落ちやすいですが、「トリエチルヘキサノイン」などのエステル系オイルを主体にした下地も比較的キレイに崩れます。
<崩れにくい(=落としにくい)油剤を覚えておこう>
☞以下の成分が多いベースメイクが崩れにくい分、落とすのも大変です。多少ならOKすが、 多く配合された商品には注意しましょう。
①シリコンオイル
シリコーンは安全なオイルで、メイク用の基剤としては定番です。皮膜力強めの「鎖状シリコーン」と、皮膜力の比較的穏やかな「環状シリコーン」の2種類に大別されます。鎖状シリコーンが多いメイクは落としにくい傾向があるので要注意です。※ただし、シリコーンの皮膜力は同じ名前でも分子量によって大きく変化するので一概には判断できず、被膜力の高い環状シリコーンもあります。
◆鎖状シリコーンの例:ジメチコン、 アモジメチコン、ジフェニルジメチコン、ジメチルシロキサン
※成分表の末尾に「~コン」 か「シロキサン」がついていたら、鎖状シリコーンの可能性が大。◆環状シリコーンの例:シクロペンタシロキサン、シクロメチコン
※頭に「シクロ」がついたシリコーンは環状シリコーンの可能性が大。
②フルオロ変性シリコーンレジン
フッ素加工したシリコーン樹脂で粉体表面の加工剤で、油にも水にも溶きにくい撥水・撥油性の皮膜を作ります。数ある素材の中でも圧巻の落ちにくさをほこります。
◆具体的な成分例:パーフルオロアルキルエトキシジメチコン、トリフルオロアルキルジメチルトリメチルシロキシケイ酸
※名前の一部に「フルオロ」と付く成分は大体これ。
③炭化水素:水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、ワセリン。など
次回、「アレルギーは肌トラブルの原因になる化粧品」~リスクのある染料を見極める方法~
関連情報