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「化粧品の買い方」~化粧品によって肌質が大きく変わる~

何が安全か知り、どうやって選ぶのか? オーガニックコスメなら安全とは言えない理由

オーガニックコスメ 美肌のための化粧品

 

 

市販の製品の種類を知る

私たちが普段、化粧品と一緒くたに呼んでいるものは、薬事法によって3つに分けられます。治療を目的とした医薬品と美容目的の化粧品、そして医薬部外品と呼ばれるある効果を保証した化粧品が存在します。健やかな肌の維持かトラブル改善化目的に合わせて選びましょう。

 

化粧品:健やかな肌をキープするのが目的!

 ☞私たちが普段使っているものの多くが化粧品と呼ばれ、薬事法では健康維持、健康状態を維持するものとして位置づけられ、作用が穏やかであることが基本です。自分をより良く見せるためのメイク要素も含まれます。スキンケアの目的は、清潔、感燥対策、紫外線カットとなります。

 

それ以上の効果は薬事法的には言えませんが、最近では抗老化などをうたった機能性化粧品も増えています。化粧品と名乗るのに条件や基準はなく、水に何かを少し入れただけでも化粧品とうたえるのです。品質も様々なので、慎重に選ぶ必要があります。

 

医薬部外品:日本オリジナルの準医薬品的な化粧品

 ☞疾病の予防、改善を目的にしているのが医薬部外品で、中には名称に薬用がつくものもあります。日本独自のもので、立ち位置としては化粧品と医薬品の中間です。厚生労働省が効果と安全性のどちらも認めた成分を規定の範囲で含んでいることが条件です。

 

目的は、シミ・そばかすを防ぐ、ニキビを防ぐ、肌荒れの改善、皮膚の殺菌などが挙げられ、これらについては正式にアピールすることができます。ただし、化粧品同様、人体に対する作用は優しいことが基本であり、化粧品との境目が曖昧なのが実状です。

 

医薬品:トラブルを治すことが使命の薬!

 ☞薬であり、疾病の治療を目的にしたものです。配合されている成分の効果が厚生労働省から認められているものであり、炎症などを治せるパワフルに力を持つ分、塗りすぎは厳禁です。用法や用量をきちんと守る必要があります。医薬品には2タイプがあります。

 

医師が診察した後に出す処方薬と、ドラックストアなどで購入できる市販薬があり、市販薬はOTC医薬品とも呼ばれています。肌に塗るものとしては、かゆみや皮膚炎に対する外用薬があり、スキンケアに用いられる医薬品として代表的なものがワセリンです。 乾燥を防ぎ、外的刺激から肌を守ります。

 

クリニック処方されるものは、個々の肌に的確に合って効きます。クリニックで処方される薬は医療用医薬品とも呼ばれ、医師の診察を受けないと手にできないものです。市販薬よりも成分が多く配合され、効きがいいのが特徴です。スキンケア化粧品を処方されることもあり、ドクターの考えをもとにオリジナルレシピで作られてる場合もあります。

高濃度のコウジ酸やハイドロキノンなどを用いた美白剤はその一例です。肌トラブルが市販薬で治らない場合は、クリニックの受診をおすすめします。

 

 

製品の表示の読み方

◇化粧品(一般的な美容液)の場合

<解読ポイント>配合量が多い順に記載され、水から始まり添加物で終わる

 ☞化粧品における全成分表示は、配合量が多い順に記載され、1%以下のものについては順不同です。ただし、どの成分からが1%以下なのかはわかりません。最後にその他と書いてある場合がありますが、これは企業秘密を理由に承認を取った上で記載しなくてもいい成分を含んでいることを表しています。

記載されている成分名は、私たちがよく目にする呼び名ではなく、通常「インキネーム」という名称で載っています。例えば美容液の成分表示の場合、アンチエイジング目的の主要成分の1つであるEGFは「ヒトオゴペプチドー1 (保湿)」と記載されます。これは、美肌効果のある代表的な美容成分です。

水から始まり、美容成分を溶け込ませるための基材や美容成分が続き、防腐剤、香料や着色料で終わるのが一般的な表示パターンです。

 

◎知っておきたい成分表示①

 ①ビタミンC:ビタミンCと表記されるケースは珍しく、多くがアスコルビン酸と記載されます。誘導体では、リン酸アスコルビルマグネシウム、 テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(BCIP)が代表例と言えます。

 

 ②パラベン:メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなどの種類があり、防腐剤の1つだが他の原料自体に添加されてる場合は記載されないこともあります。

 

 ③美白成分:ビタミンC誘導体(リン酸アスコルビルマグネシウムなど)やアルブチンといった医薬部外品に指定されている有効成分で規定量入っている場合は一番最初に記載されます。ただし、有効成分でも規定量よりも少なかったり、メーカーの意図で医薬部外品の承認を得ていない場合は、配合量の順に従って記載されています。

 

化粧品には2001年から全成分表示が義務付けられているため、パッケージからも製品の情報を読み取ることができます。少々専門的ですが、覚えると参考になるはずです。

 

◇医薬部外品の場合

<解読ポイント>有効成分を最初に表記し、その他は化粧品と同じルール!

 ☞医薬部外品の場合は有効成分が最初に記載されます。ある製品の場合、美白の有効成分であるアルブチンと、抗炎症の有効成分であるグリチルリチン酸からスタートしていました。その他の成分とは別に分けて記載するケースもあります。
有効成分 から後は一般的な化粧品と同じです。

 

1%以上配合されている成分は配合量の多い順に記載され、1%以下の成分は順不同で記載されています。また、ビタミンC誘導体であるビタミンCテトラヘキシルデカン酸も入っていますが、配合量の関係で有効成分ではなく、その他の成分の1つとして記載されている場合もあります。

 

他にも、バリア機能に関わるセラミドの誘導体マスフィンゴ脂質や現地アエキスなどの抗老化成分が配合されており、美白以外にも保湿やアンチエイジング作用などがあることがわかります。

 

◎知っておきたい成分表示②

 ①セラミド: 保湿成分として用いられるセラミドは、セラミド1、セラミド3などと表記されるほか、誘導体タイプもあり、スフィンゴ脂質、ウマスフィンゴ脂質、セレブロシドなどが該当します。

 

 ②グリコール酸など: ピーリング剤の成分名を見ても、AHAやフルーツ酸といった記載にはなりません。どちらも酸の総称を表しており、具体名としてはグリコール酸や乳酸、リンゴ酸、シュウ酸などが該当します。

 

 ③コラーゲン:分子が小さい加水分解コラーゲン(浸透型コラーゲン)やそれよりやや分子が大きい水溶性コラーゲン、アレルギーの出にくいアテロコラーゲンなどの3つが主に使われています。

 

 ④アルコール類:保湿剤のグリセリンや、溶剤や収れん成分として用いられるエタノール、防腐剤のフェノキシエタノールや酸化防止剤のBHTなどは アルコールです。敏感肌の人には刺激になることもあります。

 

※防腐剤(保存料)は悪者なのか?肌の負担になるとされる防腐剤ですが、確かに食べると人体に影響を及ぼすものがあり、敏感肌の人が塗るとかぶれる場合もあります。しかし、基本的には肌に塗る分には問題がなく、反対に防腐剤フリーだと酸化などの変質が起こりやすく、それが肌の刺激になることもあります。

 

 

配合成分から読み解く 製品の選び方Q&A

Q1:スキンケア製品はほとんど水でできているって本当?
 A:本当です。 こっくりと濃厚なクリームでは、グリセリンなどの保湿剤が多く使われていたり、オレンジフラワー水などの植物由来の成分を水代わりに使用している化粧水もありますが、 全成分表示をチェックしてみると、水が最初に記載されているケースがほとんどです。有効成分などを溶け込ませるや基材として使われています。そもそも水は腐りやすいため、そのままでは化粧品が変質して品質が保てないので、防腐剤を入れているのです。

 

Q2:ミネラルコスメは肌に優しいもの ?

 A:ミネラルはズバリ鉱物のことで、添加物として嫌われがちな鉱物油もミネラル由来で、ミネラルファンデに使われる鉱物シリカは 添加物として敵視されることが多いシリコンの一種となります。肌なじみを良くする効果がある一方で、クレンジングや洗顔できちんと落とさなければ、毛穴を埋めてニキビや炎症の元になります。ミネラルだからといって、肌にいい、悪いとは一概に言い切れません。

 

Q3:シリコンという成分表示を見たことがないけれど?
 A:シリコンの表示がないのは、記載されるインキネームがジメチコンやシクロメチコン、シリカだからです。ヘアケアのみならず、多くのスキンケアに配合されています。何かと悪者にされがちなシリコンですが、髪をコーティン グして、摩擦を軽減して指通りを滑らかにしたり、化粧品の肌なじみを良くするために大活躍します。きちんと洗い流して落とせば問題ありません。最近流行りのノンシリコン物には、オイルなどシリコンに変わる成分が入っています。

 

Q4:肌が弱い敏感な人が気をつけたい刺激の強い成分は?
 A:気を付けるべきは、高分子の界面活性剤と紫外線吸収剤となります。界面活性剤は水と油を混ぜて乳化するために入っているもので、乳液やクリーム、とろみのある化粧水、洗顔料やクレンジングなど多岐にわたって使われています。ココイルメチルタウリンナトリウムなどのアミノ酸系のものは肌に優しいとされています。

 

しかし、注意したいのは ラウリル流酸ナトリウムやアクリル酸、カチオン系などの高分子合成系です。また、紫外線吸収剤も肌の上で化学変化を起こすため、刺激になることがあります。肌が弱い人は、吸収剤不使用のものを選ぶか、吸収剤をコーティングした低刺激のものを選びましょう。

 

 

オーガニックコスメは肌に優しくて安全なのか。

ブームが続いているオーガニックコスメですが、実は誤解が多くあります。長所と短所をきちんと理解した上で、正しく選ぶことをマスターしましょう。

☆長所

・効き目がパワフル

・天然ゆえの安全性

・化学成分が入っていない(成分表示を要確認)

・環境に優しいものが多い

・香りがナチュラル

 

★短所

・保存が効かない、

・刺激が強いこともある、

・テクスチャーが使いづらいことがある

・基準が曖昧で少量しか配合されていない場合もある

 

オーガニック=有機のことで、一般的には農薬や化学肥料に頼らずに作物を作る農法を指します。オーガニックで作られた植物は活性が増すため、そこから抽出された成分はとてもパワフルです。自然由来でマイルドなイメージがありますが、実際は効きがよく、肌が弱い人が使うと刺激に負けてトラブルを起こすことさえあります。

 

もう1つ抑えておきたいのが、エコサートやコスメビオといった認証制度についてです。これらは肌への安全性を保証するものではなく、あくまでも植物の栽培方法に対するものになり、たとえ認証を受けたオーガニック原料でも科学的な処理が施されている場合があります。

 

また、日本では特に規制がないため、ほんの少しでもオーガニック成分が入っていればオーガニックコスメと名乗れてしまうのも事実です。成分にこだわるあまり、伸びが悪かったり、ベタついて使い勝手の悪いものもあります。オーガニックコスメとは、実は自分の肌に合うかどうかを見極められる人でないと難しいのです。

 

「無添加」、「自然派」、「天然由来」などはオーガニックとは違います。全てをうたっているものがあって混同しがちですが、1つ1つの意味は全く異なります。まず、無添加はその名の通り、防腐剤や合成形の界面活性剤、鉱物油、着色料、香料などの添加物が入っていないことを指す言葉となります。

 

防腐剤などが入っていないため、開封後は早めに使い切る必要があります。自然派という言葉は、植物や動物、 海泥といった自然界にある天然由来の原料を多く配合した化粧品によく使われています。これらはナチュラルコスメとも呼ばれ、オーガニックコスメもこの中に含まれます。

 

次回、「美容クリニックでできる施術」~活用する場面、上手な付き合い方とは?~

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