「つるんとした素肌を目指すには」~毛穴・ニキビのない肌を目指す~
目次
薬機法による化粧品の広告宣伝と効果・効能
毛穴トラブルが起こるメカニズム
シワ・シミ、たるみに次いで多い肌悩みが「悪目立ちする毛穴」です。毛穴は全ての人に存在するので過剰に気にする必要はありませんが、凹凸が悪目立ちしてしまうと肌の透明感をそこねる原因になるのでなんとかしたいもの、悪目立ちする毛穴は大きく3種類に大別できます。
毛穴の出口が本来よりも大きくなり、すり鉢状に開いた「開き毛穴」、角線が溜まった状態の「詰まり毛穴」、肌の弾力が失われてしずく形に開いてくる「たるみ毛穴」です。毛穴はスキンケア研究がまだまだ進んでいない分野ですが、このうち開き毛穴と詰まり毛穴は、皮脂の過剰な分泌が引き起こすターンオーバーの乱れが原因の1つと推測されています。
過剰な皮脂分泌で毛穴が目立つようになる原因が、「不飽和脂肪酸」という炎症を引き起こす刺激物質の存在です。皮脂に多く含まれる「トリグリセリド」という物質は、マラセチア菌やアクネ菌といった皮膚常在菌が出す酵素により分解されると、「遊離脂肪酸」という物質に変化します。
そして、この遊離脂肪酸に多く含まれるのが不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸は、肌の上にあると炎症を引き起こす刺激物質となるため、毛穴周辺の肌を刺激し、その結果ターンオーバーのサイクルが速まってしまうこと、繰り返される炎症ダメージによって、毛穴周辺の皮膚の構造が変化してしまうことで、凹凸が目立つようになると考えられます。
毛穴の中に溜まる「角栓」も、炎症から肌を守るための防御反応の副産物として生まれるタンパク質が原因になっている可能性が指摘されているので、ここでも炎症を抑えるスキンケアが大切になってきます。
「毛穴バランスリセット法」とは
そこでぜひ試していただきたいのが、「ベビーオイル洗顔」「3ステップ保湿法」と並んで推奨している美容法「毛穴バランスリセット法」です。毛穴バランスリセット法は、毛穴トラブルの原因となっている現象を、化粧品に含まれる美容成分の働きで1つ1つ抑え込んでいくことで、毛穴トラブルを解消していく今までとは全く異なるスキンケアの考え方です。
毛穴バランスリセット法では、まず肌の上で起こっている炎症を食い止めることを大切に考えています。そのため、毛穴が気になる方は、まず先に紹介したスキンケア基本の3原則をぜひ守ってください。その上で、化粧品の有効成分を取り入れることで、まずは肌表面で悪循環を起こしてしまう炎症を積極的に抑えていきましょう。
毛穴バランスリセット法に必須!①炎症を抑える美容成分
ここで取り入れる成分は、お気に入りの「トラネキサム酸」を第1選択肢としておすすめしています。「グリチルリチン酸」は、先ほどもご紹介しましたように大変ポピュラーな抗炎症成分なので、製品を探しやすいという利点があります。
ただ、この2つ以外にも炎症を鎮めてくれる成分はたくさんあります。
敏感肌向けの化粧品によく配合されている「アラントイン」や、韓国コスメの流行で名前を知られるようになった「ツボ草エキス」、「CICAエキス」などが配合された製品も、肌を鎮めてくれる作用が期待できます。そのほかの植物エキスにも、炎症を鎮めてくれる作用が期待できる成分は多数あります。
「カンゾウエキス」「オウゴン根エキス」など、私もおすすめな鎮静系の植物エキスです。美容成分に興味が出てきたら、インターネットで抗炎症植物エキスなどの検索ワードを入れて探していただけると、お気に入りの成分に出会えるかもしれません。
<おすすめ化粧品①>
◇メラノCC 薬用シミ対策 美白化粧水
☞高浸透ビタミンC誘導剤が配合された化粧水。
◇キュレル 皮脂トラブルケア保湿ジェル
☞皮脂は気になるけれど、乾燥も気になる方に。ノンオイリー処方でさっぱり肌に馴染む一品。
ケアバランスリセット法に必須!② ニキビを予防する殺菌成分や美容保湿成分
炎症を抑えるのと同時に行いたいのが、根本的な毛穴トラブルの原因である過剰な皮脂分泌と過剰な皮膚常在菌の活動の抑制です。特に過剰な皮脂分泌は遺伝的な要素もあるため、完全に化粧品で抑えることは難しいですが、最近はスキンケアでもある程度アプローチできる製品が出てきました。
中でもイチオシが「ライスパワーNO6」医薬部外品の皮脂の分泌を抑制する新規効能が承認されています。「アゼライン酸」という成分も皮脂の抑制効果があると言われ、ニキビ予防にも有効な成分なのでおすすめです。また、前述した通り、「レチノール」や「ビタミンC誘導体」にも皮脂分泌の抑制効果があります。
特にレチノールは、毛穴トラブルの原因になってくるターンオーバーサイクルの乱れを正常化してくれる効果も期待できるため、ぜひ取り入れていただきたい成分です。「抗炎症」「皮脂分泌抑制」がうまくいってきたら、過剰な皮膚常在菌の活動を抑制する「イソプロピルメチルフェノール」などの抗菌成分配合の洗浄剤をスキンケアに取り入れてみてください。
肌にさっと泡を乗せて流す程度の洗顔を週2~3回程度取り入れていただければと思います。
<おすすめ化粧品②>
◇スキンライフ 薬用泡のふんわり洗顔
☞殺菌成分と炎症を抑える成分が配合された泡タイプの洗浄剤
◇クリアレックス Wi
☞殺菌成分と炎症抑える成分が配合された洗浄剤。弱酸性でマイルドな洗い上がりが特徴。
◇ライース クリアセレムナンバー6
☞皮脂分泌を抑える効果効能を持つ有効成分「ライスパワーナンバー6」を配合。ジェル状の美容液。
◇ONE BY KOSE バランシングチューナー
☞「ライスパワーナンバー6」が配合された化粧水。スキンケアの最初に取り入れることで皮脂の分泌量に変化を感じるように。
◇シェルシュール アドバンストエッセンス AZ
☞持続型「アゼライン酸」が配合されたジェル状の美容液。皮脂やテカリが気になる方に。
◇バランシング VCクリアスポッツ
☞「アゼライン酸誘導体」と「ビタミンC誘導体が配合されたジェル状の美容液。ニキビができそうな時や毛穴が気になる部分に。
次回、「あなたの肌に合う化粧品の見つけ方」~化粧品の効果・効能は法律で決まっている~
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