「肌をより美しくするスキンケア」~マイナスからゼロに戻した肌に~
化粧品でシミを抑えるメカニズム
健康な肌になって初めて、もっと上を目指すケアが始められる
「洗浄」「保湿」とスキンケアの基礎を見直し、使用するアイテムが決まってくると、肌の状態が整ってきてトラブルが減ってくるのを感じられると思います。この状態になったら、やっと肌のゼロ地点。プラスアルファの効果が期待できる美容成分が配合されたスキンケアアイテムを取り入れましょう。
フォロワーさんからスキンケアの相談はたくさん受けますが、肌が荒れているのに比較的刺激が強いプラスアルファの効果が期待できるスキンケアアイテムを多数使っている方が多くいらっしゃると感じます。きれいになりたい一心で色々使われているお気持ちがよくわかるので心苦しいです。
しかし、そんな場合は、まずは肌に刺激を与える可能性があるスキンケアアイテムを排除していくところからアドバイスをさせていただいてます。肌は不要なものが体内に侵入するのを防ぐ臓器ですが、バリア機能が低下してすでに肌が弱っている方やアトピー性皮膚炎気味の方は、むしろ化粧品が浸透しやすくなっている状態です。
良いことのように聞こえるかもしれませんが、化粧品は基本的に健康な状態の肌を維持することを目的に作られています。製品によっても差はありますが、バリア機能が低下している方にとっては、化粧品の成分が過剰に浸透することによって刺激になってしまうケースが考えられるので注意が必要です。
この状態をいわゆる「敏感肌」と言ったりしますが、日本人女性は肌が敏感であると自分自身で感じている人が特に多いといったデータもあります。様々な要因が考えられますが、スキンケアもやりすぎは、逆に肌に負担を与えているかもしれないということを、ぜひこの機会に知っていただければと思います。
そのため、「スキンケア設計」では、まずは基本の洗顔と保湿を見直し、肌の状態が整ってきたところでやっと「美白」「抗シワ」「エイジングケア」などプラスアルファの効果が期待できるスキンケアアイテムを取り入れることをおすすめしています。
そして、スキンケアのことが分かってくると、使いたいアイテムが色々増えてきてしまうと思いますが、一度のスキンケアの中で使うアイテムは、敏感肌気味の方は3アイテム程度、普通肌の方でも3~5アイテム程度に収めるのが望ましいと考えています。
使いたい成分が1本に複数種類配合されているアイテムを使う場合は、使うアイテムを肌の部分によって変える、朝と夜とで使うものを分けるなどの工夫をしましょう。
シミのない肌を目指す
<シミの種類>
皆さんに肌のお悩みを聞くと、まず真っ先に上がってくるのがシミです。肌の透明感を損なう大きな要因になるので、なるべくだったらシミがない肌を目指したいですよね。シミを考える上でまず一番大切なのが「紫外線対策」です。最も多い「老人性色素斑」と呼ばれるシミは、紫外線を繰り返し浴びることが原因でできるシミです。
シミとはとにかく予防するのが何より大切で、日焼け止めや日傘防止など紫外線アイテム、紫外線対策を日常的に行ってください。そばかすなどシミやそばかすを予防するいわゆる美白化粧品は、主に紫外線によるシミに対処するものがほとんどです。
シミには他にも様々な種類があります。甲板と呼ばれる30~40代の女性に見られる特養のモヤモヤとしたシミや、「ADM」と呼ばれる褐色や灰色のシミなど、自分で判断するのは難しいこともあります。シミの種類がわからない場合は、美容皮膚科などで診断してもらいましょう。
<シミ発生のメカニズム>
紫外線によってシミができるメカニズムについて簡単に説明します。紫外線を浴びると、角化細胞がメラノサイトに対して「メラニン」を作って細胞を守るように指令を出します。これ自体は通常の反応で、肌のターンオーバーのさ剥がれた角層と一緒にメラニン色素も剥がれ落ちるため、肌の色は元に戻ります。
しかし、慢性的に紫外線を浴びたり、急激に多くの紫外線を浴びたりすると、角化細胞はメラノサイトに過剰な指令を出してしまいます。暴走したメラノサイトはメラニンをたくさん作ってしまい、うまく排出されなくなった色素がシミになってしまいます。
巷で販売されている「美白化粧品」は、メラニン生成のどの段階に働きかけるかによって種類が分かれています。
①間違ったメラニン生成の指令をストップする
②過剰なメラニン生成をブロックする。
③メラニンの受け渡しを抑制する
美白化粧品を使うときは、配合されている有効成分がどの段階にアプローチしているのかを理解して使い分けるとことがとても大事です。化粧品でシミを抑えるメカニズムとそれに対応する美白有効成分を使い分けていくことで、効率のいい美白スキンケアをすることができます。①から③の様々な経路にアプローチすることで、美白効果がよりアップします。
次回、「美白はかならずしも美肌になるとは限らない」~美白効果を得るためのメカニズム~
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