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「糖質制限が美肌を遠ざける」~肌にダメージを与える糖質制限ダイエット~

炭水化物の制限しすぎは、肌トラブルや体調不良を招く

 

 

極端な糖質制限は肌にダメージを与える

ばっかり食べ」はフードアレルギーリスクを高めてしまいます。ここまでに紹介してきた美肌菌のための食事術ですが、色々あって全部を実践するのは大変だと思います。「何から始めていいのかわからない」といい方は、まずは和食中心の生活に切り替えてみるだけでも効果があります。

和食にする場合は、昔ながらの和食の基本であるご飯、汁もの、主菜1品、副菜2品の「一汁三菜」にするのが理想的です。スーパーフードだから美容にいいといって、アーモンドばかり食べるなど、1つの食材に偏って食べる「ばっかり食べ」をするのは危険です。

遅延型フードアレルギー(食物過敏症)になるリスクを高めます。遅延型フードアレルギーは老化も早めると言われていますから、美容の面でも大敵です。その点、昔ながらの和食メニューなら、1つの食材に偏らないので、バランスよく栄養を摂取することができます。昔の人に習って、その折々の旬のものを食べるように心がければ、さらにベターです。

本来は季節によって食べられるものは限られています。だから、「ばっかり食べ」などできるわけがないんですね。しかも、和食は美肌菌が喜ぶ食物繊維とともに、腸の薬とも言われる発酵食品が豊富というのも見逃せないところです。味噌、醤油、ぬか漬けなどには、植物性乳酸菌や酵母などの微生物がいることがわかっています。

 

その他にも、納豆、塩麹、甘酒など、和食のラインナップには発酵食品がたくさんあります。和食を食生活の中心にすれば、発酵食品が無理なく取れるはずです。毎食和食を取り入れるとともに、3食きちんと取ることが理想的で、 定期的に腸に刺激を与えることは便秘の改善にもつながります。

 

近年、「1日1食健康法」がブームになりましたが、長期的に言えば生活習慣病の発現率が高くなるのではないかと思います。栄養やカロリーは何度かに分けて取った方が無駄なく効率的に吸収できるからです。また、1日1食は食後の血糖値の急上昇をも招きやすく、糖化早めてしまいます。

 

お肉を敬遠しないで!タンパク質は美の源

炭水化物、脂質とともに三大栄養素と言われるタンパク質は、美肌菌にも欠かせないものです。肌や髪などの材料となる重要な栄養素だからです。タンパク質が不足すると、細胞の新陳代謝がスムーズに行われなくなるため、肌の老化が進行してしまいます。顔の筋肉もそげ落ち、たるみにもつながります。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、18歳以上の女性のタンパク質の摂取推奨量は50gです。その基準を満たすために、「タンパク質をどんどん取らなきゃ」と張り切ってプロテインドリンクに頼るのではなく、食事から良質なタンパク質を積極的にとりましょう。

ところで、この「良質なタンパク質」という言葉をよく耳にすると思いますが、どういう意味かご存じでしょうか。アミノ酸がバランスよく含まれたタンパク質のことです。良質なタンパク質は体内での利用効率が良く、余分な老廃物などが出にくいです。良質なタンパク質が含まれている食材には、肉類、魚介類、乳製品、卵類、大豆製品などがあります。

大豆製品以外のほとんどが動物性食品由来のタンパク質です。タンパク質をとるときは、1つの食材に偏ることなく、お肉やお魚、大豆などいろんなものをまんべんなく食べてください。同じタンパク質でも、アミノ酸の種類が違ったり、食品自体に含まれている栄養素が異なったりするからです。

例えば、「太るから」「脂っこいから」という理由で女性は肉類を敬遠しがちですが、牛肉や豚肉は必須アミノ酸のバランスが整った食材で、しかも赤身にはタンパク質を効率的に吸収するミネラル分も含まれています。また、同じく高タンパク質なサバやサンマ、アジなどの青魚には、肌の代謝や女性ホルモンのバランスを整えるオメガ3脂肪酸がたっぷりです。

 

「豆腐を食べているからタンパク質はきちんと取れているはず」と過信せず、植物性、動物性は半々くらいの割合でバランスよく摂取しましょう。ちなみに、鶏の胸肉は高タンパク質、低脂肪食品として人気ですが、コンビニなどで販売されているサラダチキンは食品添加物がたっぷりであまりおすすめできません。

 

面倒でも生の胸肉を自分で入った方が健康的ですし、おいしいですよ!それから注意したいのは、食べた量の全てがタンパク質として体に吸収されるわけではないというこです。お肉を100g食べたとしても、タンパク質として体に吸収されるのはたった10~20gほど(食品の重量に対して、おおむね10~20%ほど)です。

 

 

炭水化物の過剰制限は逆効果

数年前から流行っている糖質制限ダイエット(炭水化物抜きダイエット)の実践者の中には、ご飯や麺などの主食を全く取らないという極端な人もいるようです。炭水化物を過剰に制限することは、腸の専門家はおすすめしていないようです。美肌菌にも悪影響を与え、食物繊維の摂取量が減ってしまう可能性があるからです。

 

炭水化物は糖質と食物繊維で構成されていることをご存じですか。つまり、炭水化物=糖質+食物繊維ということです。炭水化物と糖質はイコールだと勘違いされる方もいますが、糖質は炭水化物の一部なのです。糖質と食物繊維の割合は、炭水化物の種類によって異なります。白米やパンは確かに食物繊維が少ない炭水化物です。

 

しかし、同じ炭水化物でも、白米に比べて玄米には約6倍、雑穀米に含まれる大麦には約20倍の食物繊維が含まれていま また、食パンに比べて全粒粉のパンは約3倍の食物繊維が含まれます。糖は脳などの神経細胞のエネルギー源として必要な栄養素ですが、糖質の取りすぎは糖化を招きますので、もちろん過剰な摂取は厳禁です。

 

でも、糖質を恐れるあまりに「炭水化物は全てダメ!」と制限してしまうと、食物繊維が不足しがちになることに、特に玄米などの穀類は、少量で食物繊維がきちんと摂取できる上、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素も豊富な優れた食材です。

ちょっと小腹がすいた時に、糖質ばかりのコンビニの菓子パンではなく、玄米のおにぎりを選ぶようにすれば、炭水化物でもしっかり食物繊維が取れるんです。さらに興味深い研究報告もあります。古代から農耕民族として生きてきた日本人は、穀類を栄養源とする菌が腸内にたくさん棲んでいるということです。

炭水化物を悪者とみなすことで、私たちは大事な栄養源を絶ってしまっているのかもしれません。ちなみに、極端な糖質制限実践者たちが引き換えがちな根菜類にも、食物繊維が豊富に含まれています。根菜もまた、日本人が古くから好んで摂取してきた食材です。

 

 

糖質制限ダイエットで代謝が ダウン

また、ダイエットという観点からも、極端な糖質制限はおすすめできません。糖質を全く取らなければ一時は痩せますが、それは腸内環境を悪化させることにもつながります。腸内環境が悪化すると基礎代謝の低下を招くので、リバウンドしやすい体質になってしまうのです。

食物繊維の優秀性は本ブログの様々なところで触れていますが、腸内環境を整えて便秘を防ぐのはもちろん、食後の血糖値の上昇を緩やかにして糖化も防止します。とにかく様々な病気や老化の予防に役立ちます。炭水化物を敵視せずに、むしろ食物繊維が豊富に含まれた良い炭水化物を積極的に取っていただきたいと思います。

ポイントは、見た目が白いものではなく、茶色いものを選ぶことです。そして、糖質たっぷりの「悪い炭水化物」は全く禁止にするのもストレスになりますから、時々食べるにとどめ、習慣化させないことが美肌菌のためにも優秀な食事術の一つになります。

 

 

話題のグルテンは分からないことも多い

「グルテンフリー」という表示よく見かけるようになりました。グルテンフリーは、テニスプレイヤーのノバク・ジョコビッチ選手が自身の肉体改造のために始めた食事法です。その方法を綴った書籍は日本でも大ヒットし、またミランダ・カーなどのトップモデルたちが実践したことでも話題になりました。

果たしてこのグルテン、美肌菌にも悪影響を与えるのでしょうか。実は、グルテンについてはまだわからないことも多いのです。グルテンは小麦などに含まれるタンパク質の一種で、パン、パスタ、ピザ、うどん、天ぷらの衣、パンケーキなどに含まれています。

 

「グルテンフリー」とは、それらを食べずに米やそば、肉、魚、野菜、フルーツなどを摂取するという食事法です。グルテンと糖質を混同される方が多いのは、糖質制限ダイエットの制限対象の1つであるパンなどに含まれているからでしょう。
グルテンフリーは小麦粉を使っていないというだけで、小麦粉の代わりに使った米粉などに糖質は含まれています。

 

ですから、「糖質フリー」という意味ではありません。グルテンフリーは元々グルテンアレルギーの方のための治療食でした。ジョコビッチ選手もグルテンにアレルギーを持っていたのです。そばアレルギーの方がそばを避ければ具合が悪くならないように、グルテンにアレルギーを持った方がグルテンフリーを実践すれば体調は良くなります。

でも、そうではない方がグルテンフリーを無理に選ぶ必要はないように思います。「グルテンが腸に悪影響を及ぼす」「からだの不調を招く」と警鐘を鳴らすドクターたちもいますが、それを真っ向からしている否定しているドクターたちも多いのです。ましてや、パンを食べたら絶対に健康を害するなどという医学的根拠は今のところ存在しません

 

また、日本人のグルテンアレルギーも若年層にはやや増えてきましたが、それでも欧米人に比べるとまだ少数です。グルテンアレルギーなどの遅延型フードアレルギーは、1つのものを集中的に食べることで起きることが多いのですが、日本人は小麦製品だけを主食にしているわけではないからです。

 

つまり、過剰に気にする必要はないということです。とはいえ、グルテンに関して本当にアレルギーを持っている方もいます。どんなものにアレルギーが発生するかは家族間でも異なります。グルテンアレルギーを持っているかどうか気になる方は、期間を決めて自分自身でチェックしてみるといいと思います。

2週間ほどグルテン(小麦製品)を絶ってみて体調が良くなるようであれば、アレルギーを持っている可能性があります。グルテンフリー生活を続けてみてもいいかもしれません。なお、グルテンアレルギー(グルテン不耐症やグルテン過敏症)は一部の医療機関で検査が可能です。

 

現在のところ保険適用外のため自費診療となりますが、これらの検査を受けて医師のアドバイスを聞いても良いでしょう。

 

次回、「美肌をつくる美肌菌の働きを知る」~美しい肌は身体の内側と外側両面からアプローチ~

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