「大人ニキビの原因は日々の食事にある」~美肌菌が増える食事術・食品添加物に注意~
目次
あなたが毎日体内に取り入れるもので、あなたのからだは作られている
正しい食事で「内側の美肌菌」が増える
美しい肌にとって欠かせないのが、人間の体に存在する細菌の働きです。人体に生息する細菌(菌)は100兆個以上とも言われています。菌というと怖いもの、害があるものというイメージを抱く方が多いかもしれませんが、しかし実は人間の体の営みの多くは、これら無数の菌がお互いをサポートし合い、共生関係を保つことで成り立っているのです。
肌の美しさ、若々しさにもまた菌の存在が欠かせません。肌の美しさ、若々しさに関係してる菌を総称して「美肌菌」と 呼んでいくことにしています。美肌菌には大きく分けて「からだの内側で働く美肌菌」と「からだの外側(表面)で働く美肌菌」が存在します。
美肌のためにまず重要視しなければいけないのが内側の美肌菌、つまり腸内に存在して肌の健康に一役買っている菌です。
さて、内側の美肌菌を育んで増やすために一番重要なものとはなんでしょうか。それは食事です。 あなたの毎日の食生活を振り返ってみてください。
手軽さを優先して、食品添加物を含む加工食品ばかり食べていたり、栄養バランスに無頓着な食生活を送ったりしていませんか。食事をおろそかにしていると、体のありとあらゆる部分の菌に影響が出ます。内側の美肌菌、つまり腸内の美肌菌が減少し、逆に肌に悪さをする菌が繁殖してしまいます。
その結果、肌に常駐する外側の美肌菌も減ってしまいます。大人なのにしょっちゅうニキビができたり、最近肌がたるんできたり、ハリがない顔色がくすんでいるなどと感じるのは、もしかしたら食事が原因で内側の腸内細菌が減ってしまっているせいかもしれません。
食べ物が「細胞の質」を左右する
人間の体には約60兆個の細胞があります。その細胞の質がピークに達するのは19歳と言われています。それ以降、細胞は常に生まれ変わりながらも徐々に質が落ちていきます。女性誌などでは25歳がお肌の曲がり角とよく言われますが、細胞レベルでは確かに25歳で老いが始まっているのです。
「細胞の質」とはどういうことかというと、簡単に言えば細胞の働きぶりの良し悪しです。細胞の質が高いということは、つまり細胞がパワフルに働いてる状態を意味します。若くて細胞の質が高い時は、不健康な食生活を送っていても、肌も体もあまり不調にはならないかもしれません。でも、どんなに見た目を繕っても、細胞は日々確実に衰えていきます。
「若い頃は少しくらい不摂生をしても肌荒れなんてすぐ治ったのに。」「食べる量は変わらないのに、以前より太りやすくなった気がする。」「昔に比べて、いろんな面で無理が利かなくなってきた」などと 年齢を重ねるごとに、このように若い頃との違いを感じる機会が増えてきたという方も多いでしょう。
これこそがまさに細胞の質が低下していることの表れとなります。30代、40代、50代という年代に差し掛かれば、10代や20代の時と同じ生活で、同じ美しさや健康のレベルを保つことはできないのです。 この細胞の質の低下を完全に止めることは残念ながら不可能です。しかし、なんとかスローダウンさせることはできないものでしょうか。
そのための最良の方法が、冒頭で触れた「食事」です。人間の細胞は、口から食べたものが材料となってできています。からだに良い食べ物を積極的に取る。からだにとって悪影響を及ぼす食べ物をできるだけ避ける。食事に関する悪習慣を絶つ。 そして、細胞や菌を生き生きとさせる、正しい食生活を取り入れる 食習慣を取り入れる。
このように食生活にちょっとしたルールを作っていくことが、年齢を重ねても細胞の質を高く保ち、いつまでも美しくいられる秘訣なのです。
美肌への最初の一歩は、食品添加物を控えること
例えば、体にとって悪影響を及ぼす食べ物の代表格が、市販の加工食品に含まれている食品添加物です。食品の色をキレイにしておいしそうに見せる着色料や発色剤、日持ちを向上させる保存料、変色や風味の劣化などを防いで品質をキープする酸化防止剤、 カロリーや血糖値の上昇を抑えながらおいしい甘みをつける人工甘味料などが代表的です。
実は、日本は先進諸国の中でも食品添加物の認可数が多い国だということをご存じですか。厚生労働省が安全性と有効性を確認した指定添加物は現在450品目以上あります。これ以外に、長年使用されていた実績があるものとして厚生労働省が認めた既存添加物や、長年の食経験で健康被害がないとして使用が認められている天然香料などあります。
これらは厚生労働省の認可のもと使われています。厚生労働省のホームページには、次のような説明があります。「人の健康を損なう恐れのない場合に限って、成分の規格や使用の基準を定めた上で使用を認めています。また、使用が認められた食品添加物についても、国民1人当たりの摂取量を調査するなど、安全の確保に努めています。」
もちろん、その安全性はしっかりとした科学的根拠のもとに評価されていることでしょう。しかし、それを過信、盲信してよいのでしょうか。例えば、長年にわたり使用されてきた食品添加物でも、後年の研究によって発がん性の疑いなどが指摘され、その結果、使用が禁止されたものもあります。 (ズルチン、チクロ、アカネ色素など。)
なお、ヨーロッパ諸国を見ると、認可されている食品添加物は230種類であり、日本で認可されている添加物のうちにも、海外では危険性を指摘され、使用を許可されていないものがあり、やはり気になるところです。食品添加物は、体内に蓄積され続け、本来の正常な細胞の機能サイクルを低下させます。
こうした食品添加物は、便利に早く食べられる、または賞味期限が長い食品に多く使われてる傾向があります。まずはなるべくそういう食事を選ばないようにすることをルールにしてみるのもいいでしょう。とはいえ、現代人のライフスタイルを考えれば、便利な加工食品に頼りがちになってしまうのも、ある程度は仕方のないところではあります。
日本国内で生産された加工食品においては、食品表示法により、使用されている原材料や添加物が必ずパッケージに示されています。コンビニやスーパーで買い物をする機会の多い方は、まずは原材料表示をチェックする習慣をつけるところから始めてみてはいかがでしょうか。
”いい加減精神”が肌の老化を遠ざける
ただ、矛盾するようですが、あれを食べてはいけないこうしなくちゃいけない、と自分をガチガチに縛りすぎてしまうことは避けてください。あまりに細かく気にしすぎると、それがストレスになるからです。ストレスは腸内環境を悪化させます。栄養をきちんと吸収できなくなったり、便秘になったりして、その結果、内側の美肌菌の数が減ってしまいます。
さらに、ストレスは老化の原因物質である活性酸素を発生させ、体を酸化させますから、逆に肌の老化を招くことにもつながります。最新の研究では、ストレスが癌の転移などに関わっていることが分かってきています。ストレスはそれほど人の体に影響を与えるのです。
食生活において何より重要なのはバランスです。健康寿命が長い方でも、なんでも食べるという方が多いのです。食への考え方もバランスを大切にして、自分が健康オタク化してきたなと感じたら、これくらいでいいかとちょっと脱力して、いい加減精神を取り入れてください。
これからご紹介する美肌菌を増やして育てる食事術も、ストレスをできるだけ感じないよう、自分がやりやすいことから始めて、楽しくポジティブな気分で取り組むことを基本にしましょう。
<食品添加物を減らす工夫>
その①:原材料表示を見る習慣をつける
☞市販の食品を買う時には、パッケージの原材料表示をチェックする習慣を。できるだけ使われている食品添加物の数や種類が少ない、シンプルな表示のものを選んでください。
その②:賞味期限が短い食品を選ぶ
☞加工食品でも、保存料や防腐剤などが少ないものがベター。ただし、塩や砂糖、蜂蜜、羊羹などは食品添加物とは無関係にもともと賞味期限が長い食品もあります。
その③:下茹でや湯通し、水洗いをする
☞例えば、中華面などに添加されるリン酸塩は、茹で汁に流れ出ると言われています。ハムやベーコンなどの加工肉も、熱湯で軽く湯通しするなど、調理前にひと手間かけてください。
その④:免疫力が高まる食品を取る
☞食物繊維、ヨーグルト、発酵食品などは、腸内環境を整えて免疫力をアップします。免疫の働きが十分に高ければ、多少体に悪いものを食べてもその害を軽減できます。
次回、「体内の糖化を防ぐための食事術」~甘いものをとりすぎると細胞がコゲていく~
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