「ベースメイクやUVケアの基本」~顔は2度塗り、身体は容器から直接が基本~
目次
メイクの持ちをよくするには、スキンケアは最低限に
高SPF値の日焼け止めでも、塗り方次第で効果は3分の2以下に!
UVケアはシミのない白肌を守るための常識とも言える習慣ですが、あなたは本当に正しい知識を持っていると言うことはできますか?次に挙げるUVケアの習慣の中で正しいと思うものにチェックをしてみてください。
□日焼け止めを手のひらに取り、伸ばしてから塗り広げている
□SPF値の高い日焼け止めなら1度塗れば十分だと思う。
□伸びがいい日焼け止めを少量つけて薄く伸ばし、白浮きしないようにしている
実はこれら3つの習慣はどれも間違いです。日焼け止めに表示されたSPF値、PA値は、肌1㎠あたり2mgを使用した場合のものです。顔で考えると、ローションタイプで1円硬貨2枚分、クリームタイプでパール粒2つ分になりますが、 一般の方が平均して塗布している量を調べてみました。
するとローションがその約7割、クリームに至ってはわずか3割程度しか塗られていなかったのです。日焼け止めを適量の半分だけ塗った時のSPF値は、本来得られるはずの数値の約3分の2しかないと言われています。つまり、多くの方が実践している日焼け止めの塗り方では、表示の数値通りのUV効果が得られていない可能性があるのです。
日焼け止めは、その効果を最大限に高める塗り方が環境省により提案されています。まず、顔は2度塗りが基本。1円玉台を手のひらに取り、額、両頬、あごの5か所に分けておき、指を使って塗り広げます。同じ量をもう一度取って繰り返せば、必要な量をムラなく塗ることが可能です。
メイクヨレが気になる人は、頬だけでも2度塗りしましょう。腕や足に塗る場合は、日焼け止めを容器から直接塗りたい部分に出して、指全体でらせんを描くように塗り広げると、塗りムラや塗り忘れが防げます。また、日焼け止めは汗や皮脂、こすれなどで取れやすいので、2~3時間おきに塗り重ねるのも忘れずに。
肌老化を防ぐには美容液より日々のUVケア
シワやたるみの原因はUVケア不足にありますと言ったら、ほとんどの方が驚かれると思いますが、これは本当の話です。米国皮膚科学会の研究により、肌の老化の原因は加齢によるものが2割、残り8割は紫外線による光老化が原因だということが分かっています。
紫外線にはA波とB波がありますが、シワやたるみの原因となるのはA波の方です。波長が短く表皮に強い刺激を与えるB波とは対照的に、A波は長い波長で肌の内部にじわじわとダメージを与えます。肌が赤くならないからと油断していると、知らず知らずのうちに肌の奥深くにある真皮にまで紫外線が到達して弾力繊維を破壊し、たるみなどを引き起こすこともあります。
光老化さえ防げれば、肌の老化の8割近くが防げる可能性があるのですから、毎日のUVケアはしっかり行いたいところです。今日からで少し外に出る時でも必ず日焼け止めをつけ、できれば日傘も差すように心がけましょう。先ほどの項目で日焼け止めは2~3時間ごとに塗り直すようお話ししました。
しかし、身体であれば重ね塗りができますが、顔の場合は出かける前にメイクをするので、日常生活で塗り直しをするのが難しいものです。そこで重要になるのが紫外線カット剤の効果維持力です。ジェルタイプの日焼け止めは吸収剤 だけで作られることが多いと言われています。
乳液タイプの日焼け止めは吸収剤に紫外線を跳ね返す効果がある液状の散乱剤も配合されていることが多いのですが、効果が長く続くのは断然散乱剤も入っているタイプです。吸収剤より散乱剤の方が紫外線カット力や効果維持力が高いものが多いです。
散乱剤が入っているかどうかは、成分表示に酸化亜鉛や酸化チタンが記載されているか、もしくは中身が白いかで判断できます。将来のためにも、コツコツ地道にUVケアを続けましょう。
丁寧な朝のスキンケアがメイクのヨレをつくっていた!
メイク前のスキンケアは、ブースター化粧水に始まって、保湿化粧水、シートマスク、美容液、乳液、クリームとフルコースになっていいませんか?完璧にしているはずなのに、すぐにメイクが崩れて、メイク直しに手間がかかる。ここでメイクが崩れるのは、「もしかしてメイクの下の肌が乾燥しているせい?」などと思い、さらに丁寧に朝のスキンケアを行うのは絶対にやめてください。
そのパーフェクトすぎるスキンケアこそ、メイク崩れの原因である可能性が高いのです。ツヤ肌に仕上げたいからといくつもスキンケアアイテムを重ねた上に、クリームやオイルタイプの美容液、美容オイルまでつけてしまうと、ただ表面の油分が多くなり、その上に重ねる下地、クリームやファンデーションの滑りが良くなりすぎてしまいます。
その結果、メイクがヨレやすくなってしまうのです。こんな失敗を防ぐためには、重ねるアイテムの数を減らすことが大切です。以前にもお伝えしましたが、スキンケアアイテムは半透明もしくは透明のアイテムと、白濁したアイテムの合計2本で十分です。
特にメイク崩れの原因となるのが液体の油分なので、美容オイルを朝ではなく夜使うようにするだけでも、メイクの崩れはかなり防止できます。また、乾燥が気になる人は、使うアイテムの数は増やさず、今までより保湿効果が高いものを使ったり、ファンデーションからBBクリームに変えることで、肌のしっとり感と崩れない土台の両方を手に入れることができます。
スキンケアはアイテムの数を増やすより、厳選したアイテムを効果的に使う方法を考えましょう。時間の惜しい朝は、たとえひと手間でも省けた方が嬉しいものです。省いた方がキレイをキープできるというこの法則を、ぜひ覚えておいてください。
毛穴のないツルツルメイクが小じわの原因に
陶器のようにつるんとした、いわゆる毛穴レス肌を簡単に表現してくれる毛穴カバー用下地は、気になる毛穴を瞬時に目立たたなくしてくれる手軽さから、愛用している方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。鼻にも頬にも毛穴があるからと、毛穴用下地を顔全体に塗ってしまう方もいるようですが、毛穴はただ埋めれば良いというものではありません。
毛穴にもタイプがあり、それぞれに合ったものを使わないと、キライに隠せないばかりか、肌の老化を早め、小じわの原因になってしまうこともあるのです。まずは、自分の毛穴がどのタイプかを知りましょう。鼻やTゾーンに多く見られるのは、角栓が詰まった「詰まり毛穴」です。
特に鼻の毛穴は、酸化した角線が黒くなって目立つため、「いちご毛穴」と呼ばれることもあります。オイリー肌で赤ら顔の人に多い皮脂の過剰分泌が原因なのは「開き毛穴」この2つのタイプの毛穴には、過剰な皮脂を吸着しながら毛穴を埋めてくれるシリコンパウダー入り毛穴用下地が有効です。
毛穴の目立たないフラットな肌に仕上げられ、皮脂によるメイク崩れも防げます。もう1つ、小鼻の横や頬の広い部分に多く見られ、毛穴の1つ1つが楕円形や涙型をしていたら、それは「たるみ毛穴」と言えます。毛穴といえば皮脂の過剰と結びつけてしまいがちですが、実はこちらは老化による肌の乾燥やたるみが原因です。
肌が老化し乾燥すると、きめが粗くなり毛穴が目立つわけですが、ここに皮脂を吸着する毛穴用下地を塗り込んでしまえば、肌の水分が奪われやすくなってさらに乾燥が進み、たるみ毛穴だけでなく小ジワまで増やしてしまうことにつながります。
鼻は詰まり毛穴や開き毛穴で、頬はたるみ毛穴というように、両タイプの異なる毛穴があるなら、下地は2種類必要です。顔全体に保湿効果のある下地をつけてから、 開き毛穴の部分だけに毛穴を埋めるタイプの下地を使いつけるよう使い分けましょう。
次回、「うるおい感のあるツヤ肌はつくれる」~UVカット効果のあるコスメの活用法~
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