肌荒れがひどいときのＮＧケア　化粧品のプラシーボ効果

 

 

「敏感肌だからオーガニックコスメ」は改めるべき考え

オーガニック（有機栽培）という言葉を聞くと、ナチュラル、安心・安全、体にやさしいなどポジティブなイメージが広がる方が多いと思いますが、本当にそのイメージは正しいでしょうか。天然の植物エキスだから肌にやさしいと考える方が多いのかもしれませんが、これは間違いの場合もあるので注意が必要です。

 

実はオーガニックの植物エキスは、採取する時期や天候などの影響も受け、成分構成や有機化学成分の詳しい配合率など、成分に関する分析がされていないものが多くあるのです。皮膚科で処方されるワセリンに代表される合成原料のように、安定した状態のものではないため、未知の物質が肌に思わぬ刺激を与えてしまうこともあります。

もちろん肌質に合い、気持ちよくお手入れできることもありますが、オーガニックだから肌に刺激がないわけではないということは覚えておいてください。実は、肌が敏感な時期に役立つのは、オーガニックコスメではなく、安価なコスメです。多様な成分が入っている高価なコスメと異なり、安価なコスメには機能的な成分をあまり入れることができません。

 

水、油など基本のベースでお肌の潤いを閉じ込める基本的な働きだけなので、未知の物質で肌に刺激を与える心配がないのです。肌が敏感な時期や敏感肌の方は、成分数の少ない安価なコスメや敏感肌用のコスメを選ぶようにしましょう。もし敏感肌の方が新しいオーガニックコスメを試すのなら、ハンドクリームやボディオイルなどから始めてみてください。

 

つけるコスメの吸収率は体の部位によって大きく変わるのですが、顔は吸収率がかなり高い部分です。そこにいきなりオーガニックコスメをつけるのは、万が一トラブルが出た時のことを考えるとおすすめできない方法と言えます。手や体で試して問題がなければ、同じラインの顔用のコスメを使うようにしましょう。

 

 

シミやシワを作る、あの美容液を使ってはいけない時間帯

せっかく化粧品を買ったからには、少しでも早く、少しでも大きな効果を実感したいものです。肌悩みに真剣に取り組み、朝晩のお手入れに美容液をせっせと塗り込んでいるという人も多いのではないでしょうか。ところが、その習慣が肌悩みを加速させている場合もあるというのは、意外と知られていない真実なのです。

例えば、エイジングケア成分として知られるレチノール（ビタミンＡ）配合の美容液ですが、レチノールにはコラーゲンやエラスチンなど肌の弾力に関わるタンパク質を増やすほか、皮膚のターンオーバーを活性化するなど嬉しい働きがありますが、 紫外線を浴びると炎症やかゆみなどを引き起こす性質（光毒性）も合わせ持っています。

 

ですから、朝のお手入れに使ってそのまま外出すると、肌に余計な刺激を与えてしまったり、紫外線のダメージを受けやすくなったりしてしまいます朝のケアで使うのは避け、体の新陳代謝が活発になり、細胞を生まれ変わらせる働きが高まる夜のお手入れに組み込むのが、この美容液のベストな使い方なのです。

反対に朝のお手入れにおすすめなのが、毛穴ケアの美容液で、呼び名は美容液でも、余分な皮脂を吸着する働きのあるシリコンパウダーが配合されていることが多く、 薄い膜を作って肌表面の凹凸を滑らかに整えてくれるので、ファンデーションをキレイにのせることができます。

 

１つの肌悩みにアプローチ法の違う複数の美容液を組み合わせて使うという方法もおすすめです。美白美容液を例にとってみましょう。シミの元となるメラニンの生成を抑制する働きの製品と、メラニンの排出を促す製品を重ね付けします。異なる働きをする美容液を同時に使うことで、シミに多角的に働きかけることができるのです。パッケージの表記を読み比べて、しっかり選んでください。

 

 

その肌荒れ、いつもの化粧水が原因かもしれません

化粧水を肌にしっかりつけているのに、どうも肌の調子が良くない。そういう人は化粧水の使い方を間違えているのかもしれません。肌にたっぷり浸透させればさせるほど良いというイメージがある化粧水ですが、種類によってはその使い方が肌トラブルの原因になってしまうこともありますから注意が必要です。

 

化粧水には大きく分けて３つの種類があります。

①余分な角質を取り除き、後からつける保湿剤の浸透を高める拭き取り化粧水

②洗顔後の肌に潤いを与え、きめを整える働きをする柔軟化粧水

③毛穴を引き締める効果があり、過剰な皮脂を抑えてオイリー肌を整える収れん化粧水

 

この中でたっぷり浸透させてよいのは、②の柔軟化粧水だけです。というのは、①の拭き取り化粧水と③の収れん化粧水は、肌に浸透させるのが目的ではないからです。特に拭き取り化粧水は、拭き取るだけの目的でピーリング効果や消毒効果を持たせているので、量を多く使って肌に浸透させてしまうと、刺激が強すぎてかぶれたり、炎症を起こしてヒリヒリしたりすることもあるので注意が必要です。

また、乾燥肌の人が毛穴を引き締めたいからという理由で収れん化粧水を使うと、皮脂抑制成分が肌の乾燥をさらに進めてしまうこともあります。化粧水は、肌質と肌状態によって適したものを選び、使い分けることが大切です。目立った肌トラブルがなければ、洗顔後に柔軟化粧水をたっぷりつけましょう。

もし肌のザラつきが気になるようであれば、洗顔後の拭き取り化粧水で角質ケアをしてから次のステップに進むのがおすすめです。皮脂の多さが気になる方は、柔軟化粧水の後に収れん化粧水をＴゾーンにパッティングすると、化粧崩れが気になならなくなります。その時に自分に必要な化粧水をうまく使うよう心がけましょう。

 

 

肌荒れがひどい時こそ、白色ワセリンだけで簡単ケアを！「寝不足続きで」「生理前でアレルギーがあって」「人間関係に疲れて」など、様々な要因から肌がガサガサの絶不調の状態に陥ってしまうことはよくあります。もっとお手入れに励もうという気分になりますが、その真面目なスキンケアがさらなる悪化を招いてしまうこともあります。

 

例えば、風邪を引いた時のことを考えてみてください。体がだるくて食欲が落ち、お粥だけで過ごすこともあるでしょう。
肌が荒れるとはすなわち肌が風邪をひいたのと同じような状態になっているということで、そんな時にご馳走＝高級コスメを与えられても受け付けられないのです。

また、高級コスメには多種類の美容成分を配合しているものや、浸透効果を高めるためにナノ化（分子量を縮小している）ものが多いので、荒れた肌には余計な刺激を与えてしまう可能性も考えられます。肌荒れのケアのために高価なコスメを使うのは逆効果です、必要なのは、おかゆに当たるお手入れであり、その役割を担ってくれるのが白色ワセリンです。

白色ワセリンは、赤ちゃんから大人まで使える、刺激も副作用もほとんどない保湿剤として知られていては、表面を膜でしっかりコーティングし、角層の水分蒸発を防いでくれる効果があります。肌荒れを起こしている時は、バリア機能が壊れ、水分が蒸発しやすく、外部刺激にも弱い状態ですから、白色ワセリンでさらなる悪化を予防するというわけです。

 

ただ角層の水分保持能力を回復させる効果はありません。あくまで本当に不調な時の一時しのぎで、乾燥肌の改善はできないことを知っておいてください。べたつくので、塗るときはごく少量を薄く伸ばすのがコツです。さらに、こういった肌状態の時には、洗顔石けんにも気を配りたいものです。

保湿成分を多く含む含むものや敏感肌用のものに切り替えたり、クレンジング断食で肌に刺激を与えないようにすることも大切です。

 

次回、「化粧品選びにコスパを考える」～化粧品成分を知って肌トラブルを避ける～