「おしゃれなネイルケアの危険性」~ジェルネイルや除光液の選び方~
目次
爪を育てるネイルケア ジェルネイルの「ソフト」と「ハード」はどっちがいいの?
「マイナスイオン」商法の本当のところは?
◆要チェック:とりあえずマイナスイオンドライヤー女子
・マイナスイオンのことはよくわかっていない。
・みんなが使っていればとりあえず安心。
・人の意見にすぐ感化される。
☆マイナスイオンは静電気防止効果はあり。ただ、それ以上のすごい効果は信用ならず。
「マイナスイオン」のごり押し商品は胡散臭い」
①マイナスイオンは造語で、定義はなく、解釈はバラバラ
イオンとは、簡単に言えば静電気のこと。静電気にはプラスとマイナスがあるので、一般にマイナスイオンというとマイナスの静電気のことを指すと思いが。ですが、実は専門用語ではプラスの静電気は「カチオン」、マイナスは「アニオン」と呼びます。つまり、マイナスイオンは正しい化学用語ではなく、単なる造語です。定義はないので、メーカーごとに主張はバラバラになり、便利なフレーズとして乱用しているメーカーもあります。
②マイナスイオンドライヤーなどで静電気を解消できるのは事実。
では、「マイナスイオン機能」はまゆつばなのかというと、そうとも言い切れません。これはおそらく「除電器」という機能を利用したもので、空気に電流を与えるとプラスとマイナスの静電気を帯びた空気の粒子が発生し、これが髪の静電気を中和します。プラスの静電気も発生しているので、「マイナスイオン」と呼ぶには疑問でですが、効果はあります。ドライヤーの機能であれば、マイナスイオン=静電気防止機能と思って良いでしょう。
ジェルネイルに危険性はあるのか?
◆要チェック:セルフネイル女子
・サロンには行かないというプライド。
・プロ並みという言葉を待っている。
・ネイルの資格を取ろうかと思っているが、思っているだけ。
☆ジェルネイルは熟練者だけがすべきで、素人のセルフネイルはアレルギーリスクも!
「サロン代をケチって、病院代を増やさないように」
①ジェルが「皮膚」につくとアレルギーの発症もあり得る。
ジェルネイルの爪に対する弊害は、一般的には「乾燥」くらいです。ただし、誤って皮膚につくとアレルギーを発症する恐れもあります。ジェルが紫外線で固まっていくという現象は、いわゆる化学変化ですので、このように物質が皮膚の上で化学変化を起こすと、角質のタンパク質と結合し、アレルギー物質に変身する場合があるのです。未熟なネイリストや素人のセルフネイルは避け、上手なネイリストを指名しましょう。
②素人がオフすると、爪の層まで剥がれることも!
ジェルネイルの施術に熟練してない人は、オフをする際にも思わぬ失敗をしてしまうケースがあります。ジェルネイルにはハード、ソフトの2種類があります。ソフトタイプのジェルは「ウレタンアクリレート」が主成分で、これは接着剤にも使われる粘着性の高い成分。しっかりと定着し取れにくいのが長所ですが、うっかりすると爪の層も一緒に剥がしてしまう場合があるので注意しましょう。
「ハード」、「ソフト」それぞれの長所と短所
・ハード=光沢があるが硬いので割れやすい。取れやすく、爪を削って凹凸を作る必要もある。
・ソフト=割れにくい&取れにくい。しかし色移りしやすく、オフの際に自爪の層を剥がしがち。
・ジェルネイルは正しく施せば安全、でも皮膚につくとアレルギーのリスクある。
<ハードジェルは美しいが欠けやすい>
ジェルネイルには「ハード」、「ソフト」の2種類があります。「アクリル樹脂」が主成分のハードタイプはガラス状の光沢があり美しいのですが、固くて欠けやすいのが難点です。 また、硬化する際に若干縮むので爪から浮いて取れやすく、定着させるために事前に爪をヤスリで削る「サンディング」が必要な場合も あります。
<ソフトジェルは頑丈だけどオフに注意>
ソフトジェルの主成分は「ウレタンアクリレート」です。これはゴムの仲間で、ゴム状の弾性があるのが特徴です。粘着力に優れていてハードよりも取りにくく、サンディングも必須ではありません。つける際の爪への優しさならソフトの方がおすすめです。ただ、若干の粘着性があるので、日常的にいろんな物質が色移りしやすく、くすみや黒ずみが生じることもあります。色移りしやすく、ハードと比べて色が損なわれやすいのが難点です。
<ジェルネイルの主成分>
ジェルネイルは基本的に溶剤を含まず「樹脂」だけでできています。
◆ジェルの仕組み
☞ジェルの時点では分子が小さく液体状(モノマー)ですが、紫外線等を当てると分子が数珠つなぎのように結合していって固まり、高分子の「ポリマー(樹脂)」となります。このポリマーになった状態がジェルネイルが固まった状態です。
◇ハードタイプの主成分
「メタクリル酸2ーヒドロキシエチル」など。(通称HEMA)
・アクリル系樹脂。
・別名ヒドロキシエチルメタクリレート。
・代表的な光硬化性樹脂。
・ガラス状の固い皮膜形成剤。
・光沢感が美しいが、硬くてもろい。
・外れやすくサンディングが必要なものが多い。
◇ソフトタイプの主成分
「ウレタンアクリレート」など。
・ウレタン系光硬化性樹脂。
・硬さは低いが弾力のある被膜形成が特徴で、割れにくく剥がれにくい。
・ハード系よりももうマットな質感。
・若干の粘着性があるので色移りしやすい。
・オフ時に自爪を破損しないように注意。
マニキュア&除光液はどれを選ぶ?
・速乾タイプは不完全な状態で固まっているので取れやすい。溶剤が多く乾燥しがち。
・ネイルオフに時間をかけると、溶剤を爪に長く置くため爪が乾燥しやすい。
・アセトンフリーの除光液が増えているが、「アセトン」が早くネイルを落とせるので実はおすすめ。
<速乾系マニュキアの落とし穴とは?>
「速乾タイプ」のマニキュアは、結晶構造が不完全なうちに固まるので剥がれやすいのです。また、早く乾かすために、水分を蒸発させる溶剤(エタノールなど)を多めに入れており、爪が乾燥しやすいのもデメリット。ネイルを長持ちさせたい人や自爪をキレイに保ちたい人には普通のマニキュアを選びましょう。
<アセトンフリーの除光液は逆効果>
アセトフリーの除光液が増えていますが、これは「酢酸エチル」、「酢酸ブチル」などを配合しています。アセトンよりもネイルを落とすのに時間がかかり、爪が乾燥しやすいので、アセトン系除光液のほうがおすすめです。また、ノンアセトン系は臭気があり、吸入毒性が高いのものもあるので注意が必要です。マニキュアも除光液も普通が1番です。
<マニキュアと除光液の成分>
マニキュアと除光液の成分には次ものが含まれています。
◇マニキュアの主成分
・溶剤(酢酸ブチル、酢酸エチル、アセトンなど)
・樹脂(ニトロセルロース)
・補助溶剤(エタノール、イソプロパノールなど)
☞マニキュアは溶剤が入っており、それが揮発(蒸発)して樹脂だけがの取ることで固まります。一方、ジェルネイルは樹脂だけでできており、紫外線を当てることで固まります。補助溶剤は乾燥を促進させる成分ですが、自爪の乾燥を促進させる懸念もあります。
※一般にネイルオフの速度は、溶剤と樹脂の相性から「アセトン>酢酸エチル>酢酸ブチル」の順です。しかし、爪や肌への脱脂力はそう変わらず、さらに吸入毒性(揮発した成分を体内に吸い込んだ時の毒性)は「 酢酸ブチル>酢酸エチル>アセトン」となり、アセトンが最も低毒性です。アセトンの方が素早くオフできて吸入毒性も低い以上、ノンアセトンにこだわるメリットは少ないのです。
◇除光液(ジェルネイルリムーバーも)の主成分
・溶剤(アセトン、酢酸ブチル、酢酸エチルなど )
・油分やエタノールなどの補助溶剤
☞除光液の主成分はほぼ溶剤のみになり、乾燥を防ぐためにできれば油分を配合した商品がベストです。油の種類はミネラルオイルなどでOK。アセトン100%で素早くオフするのもありです。
ネイルのおしゃれをする以上、乾燥ケアは必要。
◆要チェック:ネイルケアサボり女子
・爪以外は適当
・やりすぎてダメージを受けてる爪。
・なんだか不釣り合いなネイル。
☆爪肌と違って油分を自分で補えません。乾燥したら放置せずオイルを塗るべき。
「オイルが美爪の秘訣」
①ジェルネイルやマニキュアは爪が乾燥して当然と心得て!
マニキュアやジェルネイルに爪の乾燥はつきものです。マニキュアやリムーバーの主成分であるアセトン、酢酸ブチル、酢酸エチルなどの溶剤、またジェルネイルは主成分の「樹脂」や硬化剤の「発熱」が爪の水分、油分、セラミドなどを奪うからです。乾燥すると爪が薄くなったように感じるかもしれませんが、水分や油分が失われているだけで、爪(角質)が薄くなっているわけではありません。
②爪は「水分」は自力で補えるが、「油分」は補うことができない
爪と皮膚の間には「爪床(そうしょう)」と呼ばれる部分があり、爪のこの爪床から常に水分の供給を受けています。ですから、爪の水分不足は放っておいても自然に解消されます。一方、爪は「油分」を含んでいますが、油分を分泌する皮脂腺などがありません。爪は、皮膚の油分が徐々に伝わっていくのを待つ以外に自力で油分を補えないので、乾燥したら油脂やセラミドが入ったキューティクルオイルを塗るのが効果的です。
強く美しい爪を育てるネイルケアの方法
・爪は油分を自力で補えないので、乾燥したらキューティクルオイルを使う。
・キューティクルオイルは皮脂と類似の「油脂系」がおすすめ。セラミドも入っていると効果的。
・爪の成分は「ケラチン」なので、割れるのを防ぐならケラチンを。「カルシウム」は意味なし。
<ミネラルオイルではなく油脂を>
キューティクルオイルの多くは「ミネラルオイル」が主成分。これは、ネイルオフの際に指にリムーバーがつくのを防いだり、爪の水分を守ったりする保護オイルとしてはおすすめ。でも、油分を補うなら、皮脂に類似の「油脂」が最適です。油脂に比較的近い「ホホバ油」がオススメで、セラミドも補うと理想的です。
<顔用の化粧品でもれネイルケアはできる>
油脂系のキューティクルオイルがなければ、スキンケア用のアルガンオイル、オリーブオイルなどの油脂でもOKです。セラミド入りの化粧水や美容液もおすすめです。爪を割れにくくするには、爪の主成分「ケラチン」やケラチンの主成分である「Lーシステイン」のサプリメントを摂取するのも効果的です。油分過剰はニキビを招くが、爪ならニキビもできません。
<ネイルケアに効果的な油分>
爪の乾燥を改善し、美爪を育てる成分を紹介。
◇爪の保湿に効果的な油分及び脂質
☆油脂類: オリーブオイル、馬油、アルガニアスピノサ核油、コメヌカ油、マカデミアナッツ油、アボカド油。
☞粒子の一種で主成分の脂肪酸の組成によって様々な性質になる。ここにあるオレイン酸を含む多くの 油脂の場合、肌なじみがよく、柔軟さは不純物として含まれるビタミン類の組成によって抗酸化力に優れた油脂となる。また、多価不飽和脂肪酸のリノール酸やリノレン酸を多く含む油脂は酸化しやすいので注意が必要です。
☆ホホバ油:主成分はロウ類だか油脂のように脂肪酸も含む植物性のオイルです。皮膚の天然保湿成分とよく似た組成のため、 高精製されたホホバ油は肌の保湿剤としてよく使用されます。
次回、「サラサラヘアをつくり美髪なるには」~本当に価値があるシャンプーを見極める~
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