「大人女子のためのスキンケア」~毎日の習慣はシンプルケアで美肌になれる~
目次
洗顔の仕方で肌の潤いが変わる? 肌の水分量は表面だけで測っても意味がない!
肌の水分量診断で一喜一憂しないこと!
◆要チェック:カウンターで肌診断女子
・肌の構造について勝手に語り出す。
・BAに進められるとつい買ってしまう。
・良い診断結果だけをインスタにアップする。
☆適切な水分量は人それぞれ、多ければいいわけじゃない!
「植物も肌も水のやりすぎは枯れる原因」
①「角層の厚さによって適切な水分量は異なる
コスメカウンターにある肌の水分量診断マシンは、皮膚表面の角層の水分量を測るものですが、角層の厚さには個人差があり、保持できる水分量も人それぞれです。厚い角層の方が水分を多く蓄えられるわけで、皮膚が薄い人は普通より水分量が少なくて当然です。平均と比べて「あなたの肌は水分が少ないからダメ」なんてジャッジは不可能なのです。大切なのは自分の感覚で、「自分が肌の調子いいな!」と思っているなら大丈夫です。
②水分過剰のふにゃふにゃ角層は「肌バリア」として頼りにならない
肌の水分量は少ないのは良くありませんが、多ければ良いわけではありません。角層とは、刺激や乾燥から肌を守っている肌バリアです。バリアとしてしっかり機能するには、それなりに硬くきゅっと引き締まっている必要があります。水が多すぎると角層がふやけて バリアパワーが弱まってしまうので、肌荒れや敏感肌の原因になります。
健やか肌の秘訣は「角層」と「皮膚常在菌」にあり
・角層は「天然保湿因子」「細胞間脂質(セラミド)」「皮脂膜」によって肌の潤い&バリアを司っている。
・病原体や雑菌は弱酸性の中では生きられない。弱酸性の皮脂膜で覆われることで、肌は健康を保てる。
・皮膜を作るのは肌の上にいる皮膚常在菌。よって、皮膚常在菌を適度に生かすことも大切。
<肌を洗いすぎるとダメなのはなぜ?>
人間の皮膚表面の角層が肌バリアとなり、病原体や刺激成分が肌に入るのを防いでいます。同時に水分を蓄え、肌の潤いを守ります。洗浄力の強い洗顔料などを使い続けると、角層の水分やバリアを保っている成分が減り、乾燥や刺激に弱い肌になってしまいます。
<弱酸性の皮脂膜は人体を守るベール>
人間の体内は弱アルカリ性で、皮膚表面だけが弱酸性なのです。ウイルスや雑菌はアルカリ性の中で活性し、弱酸性の中では弱ります。健康な体や肌を保つために、人類は進化の中で「皮脂膜」という弱酸性のベールをまとう術を獲得したのです。なお、アルカリ性の石けんを使うと皮膚がアルカリ性に傾きますが、皮脂のアルカリ中和作用により数十分程度で弱酸性に戻ります。
<角層の構造>
肌の潤い&バリアを保っているのが、角層の「天然保湿因子」「細胞間脂質(主成分:セラミド)」「 皮脂膜」そして皮膚常在菌も大切な存在です。
☆角層に大切な3要素
①皮脂膜:角層にフタをし、水分の蒸発を防ぐ。また、皮膚表面を弱酸性に保ち、ウイルスや雑菌の繁殖を防ぐ。
②細胞間脂質(主成分:セラミド):細胞同士の「隙間」を埋めて、刺激物質の侵入&水分の蒸発を防ぐ。
③天然保湿因子(NMF):アミノ酸などを主成分とした肌本来の保湿成分。
※皮膚膜を作ってるのは「皮膚常在菌」!
☞肌の上には無数の皮膚常在菌がいます。常在菌は皮脂を食べ、弱酸性の脂肪酸を作ってくれます。これと汗が混ざることで皮脂膜が生まれるのです。皮脂膜は脂肪酸の影響で弱酸性です。
☆化粧品の浸透とは?
☞一般的に化粧品は角層までが効果の範囲となっています角層は皮膚表面0.02ミリの厚さしかなく、化粧品の成分が浸透すると言っても、浸透するのはあくまでその程度までとなります。重要なのは、角層で肌を守る成分を適切に補給することなのです。
洗顔はゆっくり丁寧にしている場合ではない⁈
◆要チェック:ゆっくり洗顔女子
・5分は泡マッサージをする。
・なんでもやりすぎてしまう性格。
・最近肌が水を弾かなくなった気がする。
☆洗顔料は20秒以上肌に乗せない。余計なことはせず、素早くシャワーでオフ!
「フェイスラインにニキビがよくできる人は、すすぎ残しの疑いあり」
①洗顔料の陰イオン界面活性剤は刺激があるので素早く流す
クレンジングはメイクを油で浮かせて、「非イオン界面活性剤」で洗い流します。非イオン系の界面活性剤は静電気を帯びないので、その点の刺激はありません。脱脂作用の強い油を使った商品は乾燥を招きますが、推奨している「油脂」は安心です。しかし、洗顔料は微弱な刺激性のある「陰イオン界面活性剤」で肌の汚れを落とすものです。優秀な洗顔料でも刺激ゼロではないので、肌に乗せたら20秒以内に落とすのが理想です。
②こすらなくても肌の汚れは落ち、顔に泡を乗せたらすぐにシャワーを
メイクを落とすには、クレンジングで肌を多少こすります。一方、洗顔料は汗や皮脂を落としますが、これらの皮膚の汚れはお湯だけで8割方落ちるので、こする必要はありません。洗顔料で泡を作ったら、摩擦を避けるように、肌ではなく泡に触れるように顔全体に広げ、すぐに流します。すすぎは手よりもシャワーの方が早いですし、洗い残しも防げておすすめです。シャワーの水圧を心配する人がいますが、弱めに調整すれば大丈夫です。
クレンジング&洗顔料は「界面活性剤」の種類が違う!
・クレンジングの界面活性剤はメイク汚れを流すための「非イオン系」で成分的な刺激はほぼなし。
・ただし、クレンジングはメイク汚れを油で浮かす。脱脂力が高い油の場合は乾燥を招く場合も。
・洗顔料は刺激性のある「陰イオン界面活性剤」が基本だが、アミノ酸系などの優しい成分もある。
<クレンジングの界面活性剤は低刺激>
クレンジングの界面活性剤は、油分で浮かせたメイクを流す役割です。油分が摩擦緩和の役割を果たすので、陰イオン界面活性剤は使用しません。ただし、リキッドタイプのクレンジングは摩擦緩和の油も泡もないので、摩擦により肌の刺激もあります。
<洗顔料の界面活性剤にはちょっと注意を!>
洗顔料は主に皮膚の汚れを洗い流すものなので、泡立ち&洗浄作用の陰イオン界面活性剤を配合しています。これは刺激性があります。陰イオン系でも「カルボン酸系」や「アミノ酸系」の成分ならかなり低刺激ですが、それでも非イオン系のように刺激ゼロではありません。洗顔料は早めに洗い流しましょう。
<洗顔量&クレンジングの界面活性剤>
☞クレンジングと洗顔料を使っている界面活性剤の種類が異なります。
□洗顔料の界面活性剤:陰イオン系界面活性剤(泡立ち、洗浄作用、皮膚刺激あり
①刺激高めの陰イオン界面活性剤
・石けん系:石けん素地、カリ石けん素地、ラウリン酸ナトリウムなど
・硫酸系:ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウムなど
②低刺激な陰イオン界面活性剤
・カルボン酸系:ラウレスー5カルボン酸ナトリウム、 ラウレスー4酢酸ナトリウム
・アミノ酸系:ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウムなど。
③「クレンジング」の界面活性剤
・トリイソステアリン酸PEGー20グリセリル
・ポリソルベート80
・テトラオレイン酸ソルベス
・ステアリン酸ソルビタン
・PEGー60水添ひまし油
※全て合成成分で難しい成分名だが、とても安全性の高い成分。
クレンジングの界面活性剤は、静電気を帯びない「非イオン系」なので、静電気による刺激はありません。クレンジングの肌負担は、主成分のオイルや溶剤等による「脱脂作用」がその主たる原因です。
☆界面活性剤の刺激は「静電気」のせい!
☞一部の界面活性剤に皮膚刺激があるのは、静電気帯びる性質が関係しています。実は静電気は日常のあちこちで発生しており、気づかない小さな静電気でも積み重ねると肌の炎症やかるかゆみの原因となります。
次回、「石けんで落とせるコスメはやさしくない⁈」~ふき取り化粧水の真実~
関連情報