毎日使う家事用品を選ぶときに気を付けていることとは？肌荒れの原因になる成分を避けるためのポイント

毎日の皿洗いで使う食器用洗剤の危険性

「ハンドクリーム」の選び方でも少し紹介しましたが、手荒れ（主婦湿疹）の最も大きな原因は食器用洗剤です。現在のドラッグストアなどで売られている食器用洗剤の多くは、「ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム」や「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム」という界面活性剤を主成分としたものです。

「ポリオキシエチレン～」は、化粧品の表示では「ラウレス硫酸ナトリウム」と記載されているものと同じで、この成分は脱脂力が高く敏感肌への刺激があるとこのブログでも何度か述べています。また、「直鎖アルキルベンゼン～」は、現在では化粧品への配合はほとんどされていません。

これは化粧品への配合規制があるわけではありませんが、皮膚刺激が大きく化粧品に配合するのはリスクが大きいと、メーカーが判断しているからだと推測されます。手肌も皮膚が分厚いとはいえ刺激を与え続けたり、バリアが極端に減り続けたりすれば炎症を起こしてしまいます。

家事の際に手肌を保護するには？

食器用洗剤は、原液の濃度が４０％程度と超高濃度でしかも油分の洗浄力を高める補助洗剤まで加えられているので、洗顔料などの化粧品の洗浄力と比較しても洗浄力が強すぎるのです。強力な洗浄力の洗剤に毎日素手で触れていれば、肌バリアが失われて手荒れを発症するリスクが高まります。

もし現在手荒れで悩んでいるなら、家事をする際には手袋をはめるなどして洗剤との接触を断つと症状が改善していくかもしれません。たとえ皮膚科でもらった薬でも現状維持がやっとであり、洗剤に触れない生活を続ける方が結果として肌のバリア機能が回復し、手荒れが見事完治した事例が多く報告されています。

隠れたトラブルの原因「柔軟剤」

アトピー体質などで市販の洗濯洗剤が使えず、あちこち調べていろんな洗剤を試したというひとは少なくないと思います。アトピーや極度の敏感肌の場合は、衣類に残留している洗剤の成分などが汗などに溶け込んでわずかな刺激となり、それが皮膚のかゆみや炎症を起こすことがあります。

しかし、一般的に洗剤の主成分は洗った後にほとんど衣類に残留することがありません。最近の全自動洗濯機は非常に高性能になっているので、普通の洗浄成分ならば、十分と言っていいほどすすぎ落としてくれます。ですから、ほとんどの洗剤にはそんなに気を遣わなくても大丈夫なのです。市販のものでも大抵は問題ありません。

そこで真に気を付けるべきなのは「柔軟剤」です。柔軟剤の主成分はヘアトリートメントなどの成分と同じ「陽イオン界面活性剤」と呼ばれるものです。これは、洗剤で洗った部分に吸着してしっとり感や滑らかな質感を演出する成分なのですが、残留しやすく肌への刺激になりやすいです。

柔軟剤の香りで健康危害に？

敏感肌・アトピー肌の人は、洗濯洗剤に気を付ける以上に柔軟剤の使用を控えた方が良いでしょう。さらに、最近の柔軟剤には大量の香料を配合したものが多いのも問題です。香料は人によってはアレルギーを起こすリスクがあるので、体質的に合わないと匂いを嗅ぐだけで気分が悪くなったり蕁麻疹が出たりします。

香りの怖いところは自分だけでなくまわりの人にも危害を与えうるということです。微量に添加された程度ならば問題ないのですが、最近では一日中匂いが取れなくなるほど強い香りの柔軟剤も販売されていますから、ある意味非常に危険であるとも言えます。

新製品には新しいリスクがある

最近テレビＣＭで頻繁に見るようになった「ジェルボール」というゼリー状の洗剤は、世界中で危険性が指摘されています。何が危険なのかというとその可愛らしくて美味しそうな外観から乳幼児が誤飲してしまう事故が、米国や欧州を中心に頻発しているというのです。

ジェルボール一個分の洗剤は、大人が食べても大した毒性はありませんが、毒性は体重が軽いほど強力になるという性質があるため、身体の小さな乳幼児にとってはかなりの害を及ぼす量に当たります。死亡例も今のところ少ないですが確認されており、場合によっては相当な危険があると言えます。

便利そうでかわいいからと安易に購入し使用するのは、小さいお子さんがいる家庭では避けたほしい、少なくとも危険性を認識したうえでおこさまの手の届かない場所に保管するなど対策を講じて購入していただきたいと思います。またジェルボールは、界面活性剤の濃度が高い溶液を大量のゲル化剤で固めているものです。

ゲル化剤は粘性を増強する成分ですから、その分ジェルボールの内容成分が流れにくくなるということです。それによって製剤の成分が衣類に残留すれば刺激になり、また香料配合ならその残留量も増えてきます。このタイプの洗剤は、やはり敏感肌・アトピー肌には不向きといえます。