オイルと保湿成分でわかるコスパに優れた商品　主成分で確認すれば広告や企業戦略に騙されない

基本の役割は「油分を補う」こと

化粧水や乳液の８～９割以上は「水」でできていますが一方、クリームは「油分」がその5割以上を占めます。そのためクリームは肌に油分を油分を補給するのが仕事となりますね。若い世代は皮脂が十分に分泌されているので、クリームを必要としない人も多いかもしれません。

しかし、年齢とともに皮脂が十分に出なくなったという人も多く、その場合クリームは欠かせない存在になります。実際に商品を選ぶときは、化粧水や乳液などと同じベースの保湿成分にはエタノールやＰＧ、ＤＰＧなどの刺激になりそうな成分がはいっていないかどうか確認しておく必要があります。

そのうえで、クリームの良し悪しを見分けるには、まずそのクリームの基材になってるオイルがどのような種類なのかを見ます。

肌質に合ったオイル選びを

オイルの種類は、肌に密着しやすくカバー力の強いミネラルオイルやワセリン、スクワランなどの重ためのオイル（炭化水素油）と、肌に柔軟性を与えるオリーブ油やアボカド油、馬油などの軽めのオイル（油脂）などに分けられます。

濃厚さを求める場合は前者を、軽さを求めるなら後者のタイプを選ぶとよいでしょう。ちなみにセタノールやラノリンなどの成分が使用されたクリームも少なくないですが、これらのオイルは肌に対してやや刺激になる成分ですので、敏感肌の人にはおすすめできません。

優しいうえに抗酸化効果もある！

敏感肌への刺激を抑えるには、グリセリンやＢＧなどの肌にやさしい保湿成分や、スクワランなどの刺激のないオイルを主成分として配合したものがおすすめです。ただ、「優しい皮膜でまもるだけではなく、他にも肌をきれいにする効果がほしい！」と思う人も少なくないでしょう。

じつは「美容液」でも説明したセラミドや抗酸化成分なども追加すると、より肌への防御効果を高めることができます。三口産業の「モチュレ　アスタリノ」は強力な抗酸化効果、つまり肌の老化防止効果を持つことで有名な「アスタキサンチン」を配合したクリームです。

アスタキサンチンは朱色の色素で、カニやエビなどの甲殻に存在して参加を防御する働きをしている成分です。このクリームの鮮やかな色を見るだけでも、十分な抗酸化力を期待できそうです。低刺激性と抗酸化に特化した肌の保護クリームです。

スクワランがオイルベースになっているためすこしこってりした使用感になります。その他の成分も十分豪華な設定になっていながら、お求めやすい価格設定も嬉しいポイントです。

＜主な有効成分＞

・スクワラン：肌に密着しやすく比較的こってりした質感の炭化水素油。植物や人間の肌にも含まれ刺激が少ない

・アドニスパレスチナ花エキス：強力な抗酸化効果を持つアスタキサンチンを含む。甲殻類アレルギーがある人には、植物由来のアスタキサンチンなので安心。

価格が２００倍も違う？話題のコスメ

インタ―ネットを中心に話題をさらった伝説のプチプラコスメがあります。その名も「ニベア　青缶」日本人なら一度は目にしたことがあるクリームだと思います。このクリームの一体何が伝説なのかというとその成分がとある有名高級美容クリームの成分と似すぎているという指摘があったからです。

件の高級美容クリームは１００ｇで定価５万円と非常に高額ですが、ニベア青缶は大サイズ（１６９ｇ）で４００～６００円程度で入手できますからその価格比は２００倍近くです。実際に２つの成分はほとんど同じで、異なるのは保湿成分の褐藻エキスがニベアではグリセリンになっているという程度です。

両者ともミネラルオイルとワセリンをメインにしたこってり濃厚なカバー力の高いクリームです。「おなじような内容なのにこんなに安いのは、ニベア青缶がそれだけ特別なクリームなの？」と思う人も多いかと思います。しかし、ニベアの企業努力はもちろんあるとしても、高級美容クリームが高すぎることが理由です。

ニベアの価格はあくまで妥当なラインであり、良心的に流通させればこの価格になるはずなのです。一方高級ブランドのクリームはセレブ御用達ということでかなり強気の値段設定になっているのです。化粧業界とはかくっも不思議な世界なので、成分表示から必要な成分を見極める目を養いましょう。

ニベア青缶と某高級美容クリームの成分の違い

＜某高級美容クリーム＞

水、ミネラルオイル、褐藻エキス、ワセリン、水添ポリイソプテン、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンアルコール、ライム果汁、パラフィン、エタノール、硫酸Ｍｇ、オレイン酸デシル、ジステアリン酸Al、オクチルドデカノール、香料、クエン酸、ステアリン酸Ｍｇ、パンテノール、安息香酸Ｎa、水添野菜油、シアノコバラミン、カロチン

＜ニベア青缶＞

水、ミネラルオイル、ワセリン、グリセリン、水添ポリイソプテン、シクロメチコン、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンアルコール、パラフィン、スクワラン、ホホバ油、オレイン酸デシル、オクチルドデカノール、ジステアリン酸Al、ステアリン酸Ｍｇ、硫酸Ｍｇ、クエン酸、安息香酸Ｎa、香料

・ミネラルオイル：比較的重ための質感のオイル。主に石油から採れるもので、肌に塗る化粧品としては刺激が低いのが長所。

・ワセリン：同じく石油由来の炭化水素油。水分蒸発を防ぎ、低刺激なので乾燥肌の皮膚の保湿に良く使用される。