美しい肌を作るために必要な栄養とは？

再生力が高い強い肌をつくるアミノ酸とは？

栄養バランスの良い和食から自然に摂れる３つのアミノ酸を摂りましょう。すべてのアミノ酸が身体や皮膚にとっては必要ですが、患者さんの皮膚の再生にエビデンスがある、アルギニン、シトルリン、オルニチンを摂ることが、丈夫な皮膚をつくるポイントです。この３つはコラーゲンの材料となる成分です。

これらの成分は主に肝臓でおこなわれる尿素回路と、血管の内皮細胞で行われるＮＯ（一酸化窒素）回路の２つの体内サイクルで活躍します。その結果、①成長ホルモンが分泌され、②これコラーゲンが増え、③皮膚の血流もアップし、④免疫機能も向上します。

尿素回路は肌を再生し、ＮＯ回路は毛細血管を拡張させ、肌に栄養を与えます。

＜強い皮膚づくりに大切な２つの体内回路＞

・オルニチン☞肌の再生力アップ

・ＮＯ（一酸化窒素）☞肌の栄養補給アップ

（含有量用の多い食品）

◇アルギニン：大豆、ゼラチン、落花生、卵、チーズ、うなぎ、ニンニク、和牛など。

◇シトルリン：スイカ、メロン、クコの実。

◇オルニチン：しじみ、キハダマグロ、チーズ、ヒラメなど。

酵素を摂る食生活で健康を維持する

「代謝酵素が多く、消化酵素が少ない」このバランスが理想的です。体内で生み出される酵素は２つあり、生涯で生産される量も決まっているため一日の生産量もほぼ決まっています。ヒトの身体はこの一定の分量を、消化作業と代謝作業に振り分けて使っています。

どちらも生命活動になくてはならない存在ですが、重要なのは２つの酵素バランスで、代謝酵素が多く消化酵素が少ない状態が理想的です。代謝や解毒をスムーズに行うためには、消化酵素をムダ遣いしないことが大切なのです。そのためには、生の野菜や果物から酵素を十分に取り入れる食事をして、体内の消化酵素を使わなくても消火作業が順調に行われ、代謝酵素を温存できます。

＜代謝酵素の量がポイント！＞

酵素とは人間の生命活動に欠かせない物質で、４８度以上に加熱すると食物中の酵素は消滅する。また、消化酵素を消耗させるので、インスタント、レトルトの加工食品、白砂糖の入った食品、残留農薬、トランス脂肪酸、参加した油は避けたい。代謝酵素は、生きるために体内で行われる様々な化学反応を援助している。

ビタミンＢ群が元気の源エネルギー

ビタミンＢ群を補給して代謝を促進し、体内から美しく健康な体になりましょう。ビタミンＢ群は消化酵素ではなく、代謝酵素の代謝を進ませるのに必要な酵素です。不足した状態では、代謝がスムーズに行われません。ところが、次の３つの理由で不足しやすい栄養素です。

①食品自体の変化。食品の精製・加工・保存によってビタミンＢ群が減っている。

②精製された白い食べ物、ストレス、過度のアルコール摂取、妊娠、授乳、加齢、過食によるビタミンＢ群消費量の増加。

③抗生物質の長期使用。腸内細菌のバランスの乱れ、腸内細菌が行うビタミンＢ６などの合成量が少なくなる。

以上から、意識して摂ることが必要です。

＜単体でなく複合体で摂取する＞

ビタミンＢ群は、ヒトが生きるためのエネルギーを作るのに欠かせない栄養素です。あらゆる種類の補酵素として働く。ビタミンＢ群は消化酵素ではなく、代謝酵素の代謝を進ませるのに必要な酵素で、単体ではなく群で摂ることで力が発揮される。多く含む食品は、酵母やレバー、未精製の穀物、肉、魚介類、野菜などです。

Ｂ１：炭水化物の代謝を助ける。　　　　　　　ナイアシン　：糖質・脂質の代謝に働く。

Ｂ２：三大栄養素の代謝を促進する。　　　　　パントテン酸：エネルギーの代謝を補助する。

Ｂ６：タンパク質の分解・合成をする。　　　　葉酸　　　　：赤血球・ＤＮＡを合成する

Ｂ１２：貧血を予防する。　　　　　　　　　　ビオチン　　：糖の代謝をサポートする。

大豆食品からエクオールをつくれる体になる

ホルモンバランスを整えたいならば、イソフラボンが変化したエクオールを摂りましょう。納豆、豆腐などの大豆製品に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似た働きをします。大豆製品を食べると腸内で大豆イソフラボンの一種が、腸内細菌の力を借りてエクオールに変化します。

ただし、エクオールを作れるかどうかは「エクオール産生菌」が腸内にいるかどうか次第です。尿を郵送で送る検査「ソイチェック」でも分かります。また、菌がいた場合でも菌の活動具合でエクオールの変換率も変わります。いない人でも大豆製品をたくさん食べていたら作れるようになったという人もいるようです。

＜大豆イソフラボンからエクオールをつくる＞

大豆イソフラボン⇒ダイゼイン＋腸内細菌⇒エクオール⇒エストロゲン受容体とエクオールが結合

エクオールには以下の作用がある。

◇女性ホルモンに似た働きをする「エストロゲン様作用」

◇エストロゲンが過剰なときにその作用を抑える「抗エストロゲン作用」

◇男性ホルモンのアンドロゲンの働きを抑える「抗アンドロゲン作用」

◇身体をサビさせない「抗酸化作用」

サビない身体をつくる低ＧＩ食品

ＧＩ値が低い食品で血糖値の上昇を穏やかに保ちましょう。ＧＩ値が高い食品は血糖値を急上昇させその結果、活性酸素やＡＧＥｓ（蛋白糖化反応最終生成物）という悪玉物質が発生します。ＡＧＥｓは余分なブドウ糖が血液に入り込んだまま全身の細胞に送り込まれ、タンパク質や脂肪にくっついて「糖化」が進んだものです。

このＡＧＥｓが真皮のコラーゲンに蓄積すると、肌の弾力が失われてたるみやくすみ、シワに発展します。また、血管に溜まれば動脈硬化、骨なら骨粗しょう症とあるゆる細胞や臓器に影響を及ぼします。ＡＧＥｓの多い人は肌の赤みが弱く、黄色味が強くなるというデータもあり、血色が悪く不健康で透明感のない肌になります。

＜身近な食品のＧＩ分布＞

糖質の高い食品はＧＩ値が高い＝血糖値を上げやすい。血糖値が急激に上がると、その後低血糖になる。すると交感神経が優位になり、副腎疲労や消化酵素の無駄遣いにもつながる。また、ＡＧＥｓが発生しにくい調理法としては、生⇒ゆでる・煮る⇒炒める⇒焼く⇒揚げるの順です。

まとめ

肌の再生力を高める栄養素や食品についてはいかがでしたでしょうか？食事の栄養素で必須と言われるアミノ酸を多くとることで美しい肌がつくれます。また、体内の酵素の働きにも着目して、消化酵素を多く含む食品をなるべく生で食べることが、身体の代謝を高めて健康的な肉体を手に入れることにつながります。

また、ビタミンＢ群を取り入れることで、代謝酵素の働きが活発になり美しく健康になれますが、食物の摂り方や生活習慣の乱れによっても消費されてしまいますので、定期的に取り入れましょう。食品の糖質にも注意が必要で、低ＧＩ値の食べ物を、ＡＧＥｓが発生しにくい調理法で食べることも大切になります。まずはできるところから早速取り入れましょう。