「何をやっても肌の調子がよくならない」そんな悩みを解決するために

美肌作りで知っておきたい基本のキ

あなたの”何をやっても肌の調子が良くならない”という悩みを解決するために「形成外科医に聞いた美肌づくりの新常識」を知ってほしい。美しい肌を叶えるには、まず皮膚のしくみや機能を正しく理解してそれを正常に保つために何が必要かを知ることが大切です。

そこから、自分の肌に負担をかけているもの、または足りていないものを探していきましょう。肌の悩みがひとつでないように、その原因も複合的なものです。これから紹介するメソッドを取り入れて様々な角度から不調の原因にアプローチしていきましょう。

理想的な肌ケアは外：内＆心＝３：７

当たり前の基本の積み重ねが変化に負けない肌の土台を作ります。肌は身体の健康のバロメーターと言われ、肌も体の細胞の一部ですから、たとえ高価なスキンケア用品を毎日使っても体に必要な栄養や休息、睡眠が不足していると肌の調子は崩れてしまいます。

また、ストレスやホルモンバランスの乱れも肌の調子に直結するので、肌状態が悪い時こそ身体の内側の声に耳を傾け、普段の生活習慣をチェックして不調の原因を探しましょう。健康で美しい肌の土台作りには、心身のコンディションを整えることが大切で、１つ１つの小さな積み重ねが美肌につながっていくのです。

＜健やかな土台をつくる肌ケアの基本＞

◇アウターケア３

☞肌ケアというとスキンケアやメイクに目がいきがちですが、肌の調子が悪い時こそ化粧品や美容品をやめてみるのが一番です。美肌に必要なのはシンプルケアと心得ましょう。

◇インナーケア７

☞肌細胞を活性化させるには、食事から腸内環境とホルモンバランスを整えることが大事です。また、ストレスを取り除くリラックス法を見つけるなど心のケアも忘れずに行いましょう。

必要なケアのために皮膚を知ろう

各層のバリア機能が健全に保たれてこそ潤ったハリのある肌が生まれます。私たちの皮膚は、外側から表皮・真皮・皮下組織の３層で構成されていて、それぞれに肌を健やかに保つ働きがあります。表皮では、肌を守るバリア機能のほか、肌の生まれ変わりを担うターンオーバーが行われ、真皮では肌の潤いやハリを保つための成分が生成されています。

さらにその下の皮下組織では衝撃をやわらげ、エネルギーを蓄えています。しかし、これらの働きは老化や炎症、紫外線などの影響により日々低下していて、そのダメージが表れてきます。バリア機能やターンオーバーに関わる部分に肌の悩みが出やすいため、肌細胞と機能を活性化させるケアが大切なのです。

＜皮膚の部位別ダメージ＞

・角質層：くすみ、キメ

・表皮：毛穴開き、黒ずみ、くすみ、シミ、そばかす

・真皮：赤ら顔、血管拡張、小じわ

・皮下組織：ハリ、たるみ、深いシワ

☞真皮・皮下組織の深部に出てきた肌のダメージは、化粧品などのセルフケアでは改善しないため、インナーケアでのアプローチが必須となります。

肌のターンオーバーが美肌のカギ

表皮細胞がきちんと入れ替わることで美しい肌がキープできる。ターンオーバーとは、新しい肌に生まれ変わる肌の新陳代謝のことで、表皮下層の基底膜でつくられた表皮細胞が、肌表面に向かって押し上げられ、最後は垢となって剥がれ落ちていくサイクルです。

これにより表皮細胞はたえず入れ替わるので、表皮にできて傷はきれいに治り、また紫外線を受けてメラニン色素ができてもターンオーバーとともに排出されます。しかし、ターンオーバーの周期は若いころで約２８日間ですが、年齢とともにその速度が落ち、４０代になると約４０日になってしまいます。

そのため、傷の治りが遅くなったりシミができやすくなります。だからこそ外側３割、内側＆心７割のケアで正常に保ちましょう。

＜年齢とともにターンオーバーは滞る＞

・加齢や不規則な生活習慣によってターンオーバーのリズムは乱れやすくなる。

・そのリズムが乱れると様々な肌トラブルを引き起こす。

肌のバリア機能を取り戻そう

健康的で美しい肌を保つこととバリア機能は密接に関係している。表皮の一番外側の角質層は、外部からの刺激や異物の侵入から身体を守るのと同時に、体内から水分が蒸発するのを防ぐバリアの役割を果たしています。

わずか０．０２ミリの薄い膜で、角質細胞内の天然保湿因子が保持する水分と角質細胞間を埋めるすき間のない構造、さらに表面を覆う皮脂膜が正常に保たれていないと、バリア機能は損なわれます。バリアレスになると、乾燥して肌が荒れ進行すると炎症を起こしてかゆみや痛みを伴うこともあります。

バリア機能を守るために、界面活性剤などを多く含む化粧品の使用を避け、洗いすぎや肌への摩擦を抑えるなど肌に負担をかけないケアを心がけましょう。

＜角質のバリア機能の働き＞

約２０層の細胞が積み重なった角質層がバリアとなって肌を守る。「肌の奥まで浸透する」とうたう化粧品はこのバリアを壊してしまう恐れがある。

まとめ

美しい肌を保つためのセルフケアについてのご紹介から始まりましたが、改めてご確認いただけたでしょうか？肌のバリア機能とターンオーバーが正常に行われるために必要な知識とケアを知っていただくことが美肌への道のスタートです。間違ったケアは肌の老化やトラブルを招きますので十分ご注意くださいね。

また、普段使っている化粧品の見直しも行っていきましょう。科学的にエビデンスの薄いもの、流行や広告だけで話題のコスメを使うのは肌にとってよくないです。またオーガニック系のコスメもすべての人の肌質に合うわけではありません。科学的に安全な、そして自分の肌質に合ったしっかりとした化粧品を使いましょう。