「肌をよみがえらせるスキンケア」~美しく若い肌を取り戻すために~
目次
女性にとって「美の基準」となる肌をキレイに保つには
「シミ」をなんとかしたい!
◆原因
☞シミのお手入れ=美白化粧品と思い込んでいる人は要注意です。よくあるシミにも2タイプあります。紫外線による光老化でできる「老人性色素斑」は、初期なら化粧品でのケアも効果的ですが、ここはっきりした形になったら美容皮膚科での治療でなければ消すことは難しいのが現実です。妊娠中や更年期など、女性ホルモンのバランスが主な原因の「肝斑」には、化粧品での美白ケアや皮膚科でもらえる内服薬が有効です。
<お手入れ方法>
◇スキンケア
☞ごく初期の「老人性色素斑」には、美白ケアに効果があるスキンケア用品を使うのが有効です。時間が経って肌に定着してしまったものは、化粧品では対処が難しいため、皮膚科での治療になります。頬骨周辺に左右対象に出ることの多い「肝斑」には、美白化粧品でのお手入れに皮膚科でもらえるトラネキサム酸の内服薬をプラスすると効果が高まります。
◇メイク
☞紫外線はシミを悪化させるので、下地で完璧なUVケアを心がけましょう。できてしまったシミのカバーにはコンシーラーが有効ですが、シミのタイプによってテクスチャーを使い分けましょう。老人性色素斑は、硬めの質感でしっかり隠せるスティックタイプを、肝斑は刺激を与えないよう、練りタイプのものを優しくのせるようにしてください。
◇クレンジング
☞老人性色素斑も肝斑も刺激を与えないクレンジングを意識しましょう。クレンジング剤のタイプは選びませんが、擦らないように手を優しく動かしてオフしてください。
「ニキビ」をなんとかしたい!
◆原因
☞思春期のニキビは分泌型による皮脂汚れ、大人ニキビはホルモンの影響や乾燥など原因は様々です。ニキビのできるきっかけは、たまった毛穴の出口の角質が厚くなり、毛穴を塞いでしまうことにあります。皮脂や汚れで毛穴が詰まった状態が「白ニキビ」さらに、コメド(皮脂のかたまり)を栄養源とするアクネ菌(肌の常在菌のひとつ)が繁殖して炎症を起こすと、見た目にも腫れが分かる「赤ニキビ」になってしまいます。
<お手入れ方法>
◇スキンケア
☞どちらも洗顔しすぎると肌が乾燥し、剥がれた角質が毛穴にたまりやすくなるので、洗顔は朝晩2回までにしてください。大人ニキビの場合は、バリア機能のある角層を育てるため、保湿をしっかりとします。ただし、保湿のための化粧品は油分の少ないタイプを使うのが基本で、皮脂過剰でできたニキビであれば、ニキビ肌用の抗炎症効果や殺菌作用のあるスキンケアがおすすめです。
◇メイク
☞メイク商品は油分が含まれているものが多く、触って刺激するのが良くないのでノーメイクが理想です。メイクする時には、油分の多い液状ファンデを手でつけるのは避け、清潔なパフやブラシでパウダーファンデーションを軽くのせる程度にとどめましょう。
◇クレンジング
☞思春期ニキビはオイルタイプのクレンジングで毛穴に詰まった皮脂汚れを浮かせて落とし、不透明石鹸で洗顔をしましょう。洗浄力が高いので、汚れを毛穴に詰まらせないようしっかり洗い落とせます。大人ニキビは油分が残らないようリキッドタイプのクレンジングで優しくオフし、洗顔は透明タイプの石鹸で行いましょう。
「くま」をなんとかしたい!
◆原因
☞くまには、目の周りの血流が滞ってできる「青くま」、加齢による皮膚のたるみから起こる「黒くま」、目をこすったことによる色素沈着やシミが原因の「茶くま」があります。原因により対処法が変わるので、まずは自分のクマがどのタイプかをチェックします。目の下の皮膚を軽くつまんで目立たなくなれば青くま、上を向くと薄くなるなら黒くまです。引っ張っても上を向いても変わらず、全体的に茶色っぽいのは茶くまとなります。
<お手入れ方法>
◇スキンケア
☞青くま解消には血行促進が第一で、血行促進効果のあるビタミンE入りのアイクリームや、ローラーでつけるタイプの美容液が効果的です。黒くま解消に必要なのはエイジングケアで、肌の弾力を高める成分が配合されたアイケアコスメでお手入れをしましょう。茶くまは、美白ケアが効果的で、美白効果のあるクリームを優しく塗りましょう。
◇メイク
☞カバー力の高いコンシーラーやコントロールカラーを部分的に使います。青くまはオレンジ系の コンシーラーを、黒くまは、よれても目立ちにくい柔らかいテクスチャーのオレンジ系のコントロールカラーを使いましょう。茶くまは、黄色系のリキッドタイプのコンシーラーでこすらずやさしくカバーしてください。
◇クレンジング
☞スキンケアと同じ意識でお手入れをしましょう。 青くまならマッサージもできるクレンジングクリームで、メイクを落としながら血流を促します。黒くまは肌を乾燥させないよう、潤いを適度に残す乳液タイプやクリームタイプのクレンジング剤を使ってください。茶くまは目元をこすらないように優しくクレンジングするのが1番です。
「毛穴」をなんとかしたい!
◆原因
☞毛穴の原因は、毛穴の種類によって大きく2つに分けられます。「詰まり毛穴」は過剰な皮脂の分泌で、余分な皮脂が詰まって起こるものです。詰まった汚れが酸化したり、汚れがついたりして黒く見えてしまう場合もあります。「帯状毛穴(たるみ型)」は、加齢などで肌の張りが失われたために毛穴が広がって見えてしまうことが原因で、縦長の楕円形に見え、皮膚を引き上げると見えなくなるのが特徴です。
<お手入れ方法>
◇スキンケア
☞つまり毛穴の場合は、角栓ケアを中心に酵素洗顔や皮脂を吸着してくれるクレイパックを定期的に取り入れてみましょう。角栓ケアの後は、保湿効果の高い化粧品でアフターケアも忘れずに。帯状毛穴なら、肌の土台となる真皮のコラーゲンを増やす働きを持つ「FGF」や「レチノール」などを配合した化粧品でケアすると良いでしょう。
◇メイク
☞詰まりケアのメイクは下地選びが大切で、光拡散効果で毛穴を目立たなくしてくれるタイプがおすすめです。帯状毛穴は、しっとりタイプのクリームファンデーションを選びましょう。毛穴を埋めるように指先で軽く叩き込みます。
◇クレンジング
☞角栓を溶かし出したい詰まり毛穴にはオイルタイプのクレンジング剤がおすすめです。メイクを落とすときに、毛穴の気になる部分を指先でくるくると優しく撫でてから洗い流します。乾燥が大敵の帯状毛穴は、クリームタイプで保湿しながらクレンジングします。クレンジングを拭き取るときもこすらず優しいタッチで行いましょう。
「乾燥」をなんとかしたい!
◆原因
☞乾燥と言えば水分不足と思われがちですが、油分不足による乾燥もあるので注意が必要です。肌の透明感がないと感じるなら肌の乾燥の水分不足、夕方になると乾燥を感じるなら、水分を逃さないように肌にフタをするための油分不足と考えられます。
<お手入れ方法>
☞スキンケア水分不足の場合は、化粧水を重ね付けしたり、保湿・保水効果の高いセラミドや ヒアルロン酸配合の美容液などで角層を潤わせるケアを朝晩毎日続けます。油分が足りない肌には、お手入れの最後のステップに美容オイルやクリームをプラス。肌の保湿成分である細胞間脂質やNMFが流出するのを防ぎます。
◇メイク
☞水分が足りないタイプはリキッドファンデーションを使い、中でもセラミドなどの美容成分が含まれている製品を選ぶと、潤いのあるしっとりとした仕上がりをキープできます。油分が足りないタイプなら、夕方でもヨレにくいクリームファンデーションやエマルジョンファンデーション(コンパクトに入ったクリームファンデ)を使いましょう。
◇クレンジング
☞角層の保湿成分を洗い流さないことが最重要課題なので、特に慎重に選ぶ必要があります。できるだけ低刺激、高保湿の乳液タイプかクリームタイプを使います。洗顔も同様ですが、とにかく優しく手早くをキーワードに短時間で済ませましょう。洗浄力の高いものは、肌に必要な水分、油分も取り去ってしまうため避けてください。
次回、「衰えを感じる肌をよみがえらせる」~医学的エビデンスに基づく正しい美肌術~
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