「美しい肌は化粧品選びでつくられる」~化粧品の効果が9割変わる使い方~
目次
すっぴんでも、メイク後もきれいな人の習慣とは?
効果が9割変わる化粧品の使い方
効果的な化粧品の使い方を知れば、あなたはもっと輝けるはずです。ちなみに化粧品に対して、あなたはどんなイメージを持っていますか?化粧品を使うことで肌の調子が良くなっている方や、 すっぴんよりもメイク後の自分が好きな方であれば、化粧品は自分の外見に良い変化をもたらしてくれるものという良いイメージを持っている方が多いでしょう。
もちろんその反対に「化粧品は肌の負担になる」「肌にとって良くないもの」であるという悪いイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。化粧品について学び、現在では化粧品に関する正しい知識を伝えるコスメコンシェルジュとして10万種類以上の化粧品を分析してきた 立場からすると、化粧品にはそのどちらの可能性もあると言えます。
化粧品は使い方次第で素肌を美しく保ち、見た目の印象を良くしてくれるとても心強い味方にもなり得ますし、反対に肌にダメージを与えたり、残念な見た目を作ってしまう美容の敵にもなりうるのです。こういったお話をすると、「化粧品の使い方に間違いなんてあるの?」と思われる方もいるかもしれません。
あなたの日焼け止めの塗り方をチェック
しかし、実際のところ化粧品を正しく使えていないケースは多々あります。例えば、ベースメイクの前に顔に塗る日焼け止めで、実は顔に日焼け止めを塗るときは、一度塗りでは足りないことがほとんどです。きちんと日焼けが防止できる量の日焼け止めを顔にムラなく塗り広げるためには、顔への日焼け止めは2度塗りが基本なのです。
また、日焼け止めを塗るときに手のひらを使うのも間違いで、日焼け止めは片手の指全体を使って塗るのが正解です。片手の手の指全体で日焼け止めを塗った時は、肌に出した日焼け止めの9割近くをきちんと顔に塗ることができますが、日焼け止めを両手の手のひら全体に塗った場合は、日焼け止めが手に残ってしまい、約4割しか肌に塗れていないという実験データがあります。
このように、日常的に多くの人がやっている化粧品の使い方でも、実は間違いだったり、他にいい使い方があったりすることは多々あるのです。
肌の知識から知るニキビへの対処法
実は、化粧品をうまく使いこなすことができていないというエピソードがあります。不規則な生活 によって、おでこがニキビだらけになってボロボロな肌だったことがあるんですが、そんな時に信頼している美容師さんからオイルをたっぷり塗ることを勧められ、その方法を試してみたところ、ニキビが急激に悪化してしまいました。
今でもその時にできたニキビ跡はおでこに残っています。その後、一時化粧品メーカーで働くことになり、肌の構造や化粧品の成分、その働きについて1から詳しく学ぶことができるようになりました。その結果、正しく化粧品を選び、使うことができるようになり、ボロボロだった肌も1ヶ月で回復したのです。
つまり正しい知識を知ることで肌を健康でキレイな状態に保つことができるようになったのです。昔はニキビだらけだった自分の肌が、化粧品の使い方を少し変えただけでみるみるキレイになった体験があるからこそ、肌に悩みを抱える方や化粧品の使い方に疑問を感じている方に正しい知識を伝えたいと思っています。
正しいメイクで人生を前向きに
少し大袈裟かもしれませんが、正しいスキンケア・メイクには人生を変える大きな力があると思っています。化粧のノリが悪かったり、肌荒れしてしまったりすると、それだけで1日中元気が出ないことはよくあります。反対に、化粧がうまくいき、それによって自分に自信が持てれば、その日1日を明るく前向きに過ごすこともできます。
化粧は単なる見た目だけの問題ではなく、それをする人の心にも大きな影響を与えるのです。実際に正しい化粧の仕方を知ることで、「化粧だけではなく毎日も楽しいものに変わった」「化粧品の正しい使い方を知って、長年の肌悩みがなくなり、自分に自信が持ってた」とおっしゃる方もいます。
化粧品を上手に使い、自分が心から満足できる美しい自分でいるということは、人生を前向きに楽しむことにも繋がっているのです。スキンケア、ベースメイク、UVケア、ポイントメイク、ボディケアと化粧品について得た知識と皮膚科専門医の視点をもとに、化粧品を使いこなす方法を豊富に紹介していきます。
化粧品と上手に付き合うことで、今よりもっと充実したものに なれば、これ以上のことはありません。化粧品を武器にする方法を知れば、あなたはもっと輝けます。
スキンケアに浸透タイムはいらない。
洗顔後に化粧水をつけたら、成分を肌の内側に浸透させるため、次のアイテムをつけるまで1分間時間を置きましょう。スキンケア方法でよく聞く手順ですが、この浸透タイムが肌に悪影響を及ぼしていることをご存知でしょうか。皮膚は大きく分けると、肌の表面である表皮、その下にある真皮、表皮、真皮を支える皮下組織という3層から成り立っています。
実は、一般的な化粧水の浸透が期待できるのは、皮膚の一番外側、表皮にある厚さ0.02ミリの角層までです。角層には、外からの物質が内部に侵入するのを防ぐ働きと、肌の水分を保持する働きがあります。そのため、たとえ化粧水の成分であっても、角層を超え、肌の深部まで浸透することは難しいのです。
もし化粧水が肌の奥までどんどん染み込むとしたら、それは肌のバリア機能が壊れているということです。刺激に弱く、肌の中の水分も逃げやすくなっている、 肌にとって危険な状態だと言えるでしょう。または、ものによりますが、化粧水は30~95%が水でできています。
コップに入れた水は、時間の経過とともにどんどん蒸発していきますよね。それと同じように、水分保持機能の低下している乾燥肌に、主成分が水の化粧水をつけ、時間を置けば、肌表面の水分はどんどん蒸発します。さらに悪いことに、水分が蒸発する際に気化熱が発生し、肌の水分まで一緒に持ち出してしまうのです。
つまり、化粧水をつけて時間を置くということは、化粧水を乾かしながら、肌に元々あった水分が出ていくのを待っていることと同じなのです。大切なのは、肌に化粧水を浸透させることではなく、つけた水分や成分を逃がさないよう油分を含んだ化粧品で素早く表面にフタをすることです。
化粧水をつけたら、表面に残った化粧水を手のひらで肌に優しく押し込むように馴染ませ、肌が乾ききる前に美容液や乳液をつけ、水分や美容成分を閉じ込めましょう。
美肌のための酵素洗顔やピーリングであなたの肌がペラペラに
「溜まると肌の色が暗く見える」「しっかり取り除いて肌の新陳代謝を活性化させたい」 など、何かと敵視されがちな角質ですが、角質を取り除くために、酵素洗顔やポロポロ出るピーリングジェルなどを念入りに行う方は多くいらっしゃいます。
ですが、先ほどもお伝えした通り、角質のある角層には、外部の様々な刺激から肌の健康を守ったり、肌の水分を保ったりする大切な役目があります。角質を落としすぎることは、肌の大事な働きを低下させることにつながってしまうのです。
肌は約28日間の周期で生まれ変わるのが理想的と言われています。
皮膚の奥で生まれた新しい細胞は徐々に表面に押し上げられ、一番上の角層に到達すると、一定の間皮膚を保護するために働き、役目が終わると垢などとともに剥がれ落ちていきます。ターンオーバーと呼ばれるこの仕組みがうまくいけば美肌を保つことができます。
しかし、角質がうまく剥がれずに蓄積してしまうと、肌がゴワついたり、透明感がなくなってしまうのです。角層の厚みはわずか0.02ml、 ラップ1枚分しかありません。また、肌にセロハンテープを貼ると、簡単にめくれてテープについてきてしまうほど剥がれやすく、もろいものです。
酵素洗顔はタンパク質分解酵素が、ピーリングはサリチル酸などの酸性の薬剤が、それぞれ角層の表面を溶かす働きをしますから、連日使えば角層はどんどん薄くなってしまいます。そうなると角層のバリア機能は失われ、肌の潤いを保つ働きをするNMF(天然保湿因子)などが流れ出してしまいます。
すると乾燥が進んだり、少しの刺激にも過敏に反応するアレルギー肌になる可能性も大きくなるのです。美肌を目指したお手入れのはずの角質ケアも、やりすぎると肌の構造を壊してしまうことにつながります。酵素洗顔やピーリングは週に1度以下に控えるように意識しましょう。健康な角層こそ美肌の要なのです。
次回、「美肌になれるスキンケア」~キレイな肌の人が実践している手抜きとは?~
関連情報