ハマってほしくないＮＧスキンケア　角栓パックとピーリング・ゴマージュの肌トラブルにならないための注意点を解説

角栓パックー角栓は肌に必要なもの

毛穴の角栓パックは息の長い人気商品です。熱いタオルで蒸した小鼻にパックを貼って、しばらく待ってから剥がすと毛穴の角栓がびっしりと張り付いて摂れるのが爽快ですよね。ですが、この「角栓パック」は、今市販される美容グッズの中でも特に要注意のアイテムなのです。

その特に大きな問題点は角栓を過剰に取り過ぎてしまうことです。そもそも毛穴の「角栓」というものは単なる汚れではなく、異物が入り込まないようにするための「フタ」のようなものであり、毛穴の内部にいくらかの角栓が詰まっていることは肌の健康を保つうえで重要なことなのです。

そのため、角栓パックで角栓をとりすぎると、毛穴から外部の汚れや雑菌が入り込みやすくなり、ニキビや吹き出物ができる事態にもなります。さらに、本来あるべき角栓が無くなることで皮脂腺が活発化して、皮脂を過剰に分泌するようになります。脂性肌を引き起こしやすくなる懸念があるのです。

荒れるうえに角栓を増産してしまうかも？

また、角栓パックは「粘着性の成分を皮膚に張り付けて剥がす」という性質上、どうしても一緒に毛穴周辺の健康な皮膚組織まで剥がしてしまいます。その結果、やり過ぎれば毛穴周辺が慢性的な炎症状態になってしまいます。しかも、刺激を受けた皮膚は角質の代謝を早める性質があります。

そのため、角栓パックでダメージを与えるごとにどんどん毛穴周辺の角質が産出されていきます。角栓は皮脂と角質の混合物なので、やがて代謝しやすくなった角質と過剰に分泌された皮脂が混ざり合って、どんどん角栓が生まれていきます。

このような理由で角栓パックをしすぎると、「ニキビなどができやすくなる」「脂が出やすくなる」「毛穴のまわりが炎症を起こして腫れる」「角栓がよりつくられる」などの症状につながり、小鼻をキレイにするどころかどんどん汚くなる原因になってしまうのです。

軟膏パックにも問題がある。。。

最近では、角栓対策として「オロナインＨ軟膏」と市販の毛穴パックを使った「オロナインパック」という方法も流行っていますが、オロナインには殺菌剤が入っているのでかえって肌への刺激と常在菌の過剰殺菌につながる可能性だってあります。

たとえだれもが見知ったオロナインでも薬であることは間違いありません。化粧品と違い副作用だってありますし、医薬品は本来の用法以外の使用は控えるべきです。

ピーリングーなぜ薬剤で角質がとれるのか？

ピーリングとは皮膚の表面に物理的、もしくは化学的にダメージを与えて肌の自己再生機能を活性化させ、主にニキビやシミ・そばかすなどの症状を改善させる施術のことです。本来、美容皮膚科などで行われるべきもので医療機関ではＡＨＡ（αーヒドロキシ酸）やＢＨＡ（βーヒドロキシ酸）を使用した「ケミカルピーリング」が主流で、治療に用いられています。

ピーリングに用いられる薬剤は簡単に言えば、角質を分解する作用があります。そのため薬剤の効力の強さや濃度によっては皮膚に対して大きなダメージとなってしまうことがあるため、専門的な知識なしで行うことは非常に危険です。

本来は医療行為にあたるピーリング

最近ではエステサロンなどでも、ほぼ同様の施術内容が行われていますがこれには大きな問題があります。エステシャンは医療の専門家ではなく、薬品に対する専門知識を持っていない場合がほとんどです。そのために、ここ数年エステサロンでのピーリング施術で皮膚障害が発生したという報告が相次いでいます。

この状況を受けて、国民生活センターや厚生労働省もエステサロンでのピーリング行為には警鐘を鳴らしています。ピーリング施術は非常に危険な薬剤を使用する「医療」行為です。いかに価格が安くてもエステでの施術は避け、クリニックなどを利用するようにしましょう。

ただ、いずれにしてもピーリング使用する薬品は皮膚の角質を分解する危険なものです。これを頻繁に行うのは、当然肌への負担が大きくなります。たとえ医療機関での施術であってもトラブルが報告されている件数が非常に多いのは変わりありません。特に肌の弱い人は控えた方が賢明です。

ゴマージューピーリングジェルの効果は？

ところで自宅でも気軽にできる「ピーリングジェル」も人気です。これはジェルを肌に塗ってこすると、ぽろぽろと白いごみのような塊が取れるというものです。この白い固まりを「老廃角質」などと説明する商品もあります。しかしじつは、この白いごみはピーリングジェルに含まれる「ゲル化剤」という化学物質です。

それが摩擦によって絡まり合い、固形化したものです。老廃角質の塊ではありません。化粧品のピーリングジェルは正確には「ゴマージュ」というもので、こういったゲルお固まりで皮膚表面をこすって汚れを吸着させるのがその効果です。よってこのような商品には、いらない角質を剥がすような硬貨はありません。

さらにヘアケア用のトリートメントなどに配合される「陽イオン界面活性剤」を配合して洗い流し後の質感をすべすべに整える工夫まで施されています。この陽イオン界面活性には、皮膚刺激があり肌荒れの原因にもなることも忘れてはいけません。