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「シワが消えるコスメ」が生まれては消える不思議

化粧品としての成分配合ではほとんど効果なし シワを防ぐ美容液は「ごまかす」ことくらいしかできない

美容液の塗り方 美容液選び方

 

 

じつは現代科学では不可能??

化粧品の効果でシワを消すことは、現代の科学では不可能とされています。「シワを消す」ことは、化粧品メーカーにとって古くからの重大なテーマの一つで、これまでさまざまな化粧品が作られ、その効果を求めてきました。

 

しかし、いまだにただの一度もシワを消す効果が公に認められたことはありません化粧品と医薬部外品の効果効能として「シワを消す」などの表現がまだ認められていないことが、すべてを物語っています。

 

 

 

その実態は「隠す」コスメ

そもそもシワは、加齢や紫外線の影響で皮膚の奥底の真皮層にある「エラスチン」や「コラーゲン」などのタンパク質が不足したり、水分不足などで正しい構造を保っていないことが原因で起こります。しかし、エラスチンもコラーゲンも化粧品によって外から補給することはできません。

 

分子の大きさが巨大すぎて皮膚に浸透しませんし、ほぼ同様の理由で「コラーゲンやエラスチンを育む」という類の成分も、皮膚の奥底に入っていくことはできません。現状ではいったんできたシワを消すための手立てと言えば、美容整形に頼るほかないと言っても過言ではありません。

 

それにもかかわらず、昨今は「抗シワ効果」をうたう化粧品が高級ブランドを中心に発売されています。この手の商品の不思議なところは、そもそも化粧品の効果として「シワを消す」と宣伝することはできないはずなのに、なぜか消費者にはそのような効果があると思われているところです。

 

実際に、デパートのコスメカウンターで、そのように化粧品を勧められた経験のある女性も少なくないのではないでしょうか?じつは化粧品の効果としてシワにアプローチする方法は、現在ではおもに2つの方法しかありません。それは「保湿によって乾燥シワを目立たなくする」ということが1つです。

 

そして、もう一つの方法は「ポリマー(高分子の結合体)やパウダーでシワを埋めて隠す」ということです。それ以外の効果は今のところ認められていません。もしこれまで「シワを消す化粧品」として紹介されたいたものがあったとしたら、それはこのうちのどちらかの効果を誤認した、もしくは”誤認させられたもの”といえます。

 

 

 

単なる刺激性の保湿成分なので注意!

某高級コスメブランドの有名な抗シワ美容液には「レチノール」という有効成分が配合されています。レチノールというのはビタミンAのことで、これが変化した「レチノイン酸(トレチノイン)」という成分は、美容皮膚科でも利用されているシミ・シワ治療薬です。

 

この成分は皮膚の代謝を促進して古い角質を剥がし、新しい皮膚を作ります。病院ではシワのある部分にこれを応用して、ハリを取り戻す治療が行われているのです。ただし、かなりの皮膚刺激と乾燥などの副作用がともないます。

 

しかし、これはあくまで「レチノイン酸」という状態の成分を使用したときの話です。名前は似ていてもレチノールも、その誘導体である「パルミチン酸レチノール」や「酢酸レチノール」なども結局は別の物質です。

 

レチノイン酸のような強力な薬効効果は確認されていません(データ上ではわずか100分の1の効果もないとのこと。)化粧品として医薬部外品に配合されても「保湿効果」しか認められていません。それどころか、レチノールやその誘導体は不安定な構造を多く持っています。

 

そのために皮膚への刺激が強く、同様の成分を高濃度配合した「ダーマエナジー」という化粧品のシリーズが、皮膚トラブルの続出をを理由に2013年に発売中止になっています。レチノールはまるで「シワに効く有効成分」のようにいわれていますが、その実態はただの皮膚刺激のある保湿成分であり、シワを消すような効果を期待することはできないのです。

 

 

 

浸透できなければ効果はない

また、シワ改善効果を期待される成分として「EGF」も人気ですが、これも実際にはほぼ効果はないと思っていただいて結構です。EGFとは「上皮細胞増殖因子」の略ですが、ヒトの身体には初めから備わっている皮膚をつくる因子のことです。

 

一説には、ヒトの皮膚は歳をとって衰えると、この物質の生成が遅くなるためにたるみ、シワが刻まれると言われています。よって、この成分を塗布することで皮膚の細胞の増殖を促して、シワやたるみを改善できるというふうに言われているのです。

 

また、EGFはその発見者スタンリー・コーエン博士がノーベル生理学・医学賞を受賞していることから「ノーベル賞を受賞した成分」などと宣伝されています。しかしこの成分も、やはり皮膚のへの塗布では大きな効果は見込めません。

 

そもそもEGFは、分子サイズが大きいたんぱく質の一種ですから、もし塗ってもその細胞が作られている皮膚の奥底まで浸透することができません火傷などの治療で効果を発揮したというデータもありますが、それは傷によって皮膚の内部組織が露出している状態だから効果があったのでしょう。

 

つまり、細胞増殖効果があったとしても細胞を作っている場所に到達しなければ何の意味もありません。だから化粧品に配合しても意味がないということです。コーエン博士がノーベル賞を受賞したのは、このEGF を含め複数のたんぱく質を発見した功績を讃えられたものです。

 

けっして化粧品の成分として効果のあるものだからノーベル賞を受賞したわけではないことを念頭においてください。大きな効果がないわりにとても高額な原料なので、その成分を配合した化粧品も高価になりがちで、例えば20mlで3800円もするものもありますので注意しましょう!

 

注意すべき成分表示

ヒトオリゴペプチドー1(hEGF-1):EGFとは上皮細胞増殖因子の略で、人体に備わっている皮膚を育てる因子のことだが、肌に塗ることでの効果は疑わしい。

 

 

 

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