「体の老化を加速させない糖化対策」~甘いものを食べてもなかったことにする方法~
糖質過多の食生活を改善するための食事術を取り入れよう!
糖化を防ぐ食事の「10か条」
糖化を防ぐための食事のテクニックとしては、具体的にどういった方法があるでしょうか。ここからは糖化対策の食事術として10のポイントを紹介します。全て完璧に守れなくても、まずは自分がやりやすいことを1つか2つ取り入れるくらいの感覚でオーケーですので、気軽に始めてみてください。
1.血糖値の上昇を抑える食品と組み合わせて食べる
☞いちばんのポイントは、糖質量の多い食品、そして食後の血糖値を急上昇させるGI値の高い食品をできるだけ避けることです。ただ、このGI値という指標、よく確認してみるとわかるのですが、実は評価の仕方によって数値が異なるのです。
ひとつの情報だけを鵜呑みにして人参はGI値が高いから絶対食べちゃダメと思っていると、実はそうでなかったということになる可能性もあります。一般的にGI値が高いと言われる食品にどんなものがあるのかを知っておくことは大切ですが、何より重要だと思うのは組み合わせです。
例えば、GI値が高い食品を食べるときは、血糖値の上昇を緩やかにする、食物繊維が豊富な野菜と組み合わせて食べる。そうするだけで糖化対策になります。参考までにGI値が高い食品、低い食品の一例をまとめていますので、毎日の食事を考えるときに役立ててください。
GI値の低い食品の代表例としては、玄米、五穀米、ライ麦パン、ブルーベリー、マンゴー、リンゴ、バナナ、オレンジ、イチゴ、ブドウ、チョコレート、サツマイモ、ヨーグルト、グレープフルーツ、プルーン、もも、大豆、ピーナッツなどがあります。
2.「ベジファースト」と「セカンドミール効果」を意識する
☞糖化対策に外せないのは食物繊維です。便秘予防などの整腸効果がある栄養素というイメージがありますが、糖の吸収を緩やかにする働きもあります。「ベジファースト」とは、ベジタブル・ファーストの略で、食物繊維がたっぷり含まれた野菜類を食事の最初に食べるという方法です。
野菜(サラダや副菜、汁物など)→タンパク質(主菜)→ 炭水化物(主食)といった食事の時にはこの順番に食べるというのが基本です。食べる順番ダイエットとしても知られていますが、糖化を防ぐ効果もあります。もうひとつの「セカンドミール効果」は、1日のうち最初に食べた食事が、2回目に摂った食事の血糖値に影響を及ぼすという理論です。
例えば、朝食に食物繊維量の多い食事を摂ると、昼食の後の血糖値上昇も抑える効果があるということが様々な研究により実証されています。毎日の朝食では、積極的に食物繊維が豊富なものを食べましょう。食物繊維の正しい摂り方についても後ほど紹介していきます。
3.AGEの多い食品を避けて、抗酸化食品を避ける
☞AGEは食品にも含まれており、高温調理した食品では特に含有量が多くなると説明しましたが、 AGEはタンパク質と糖が反応してできる物質ですから、中でも高温調理したお肉を甘いタレとともにいただくような食べ物は、かなりAGE量が多くなります。
要注意なのは、揚げ物、バーベキュー、焼肉などで、また、ベーコンやフライドポテトも高AGE食品の代表格です。これらの高AGEフードを控えると同時に、体内で糖化を抑える効果のある食品を積極的にチョイスすると、なおよいでしょう。
抗糖化が期待できる食品の中でも、取り入れやすいものを2つご紹介します。まずはお酢やレモン汁。これらは血糖値の上昇とともに、AGEの合成も抑えてくれることがわかっています。マリネにしたり、油っぽい料理にちょっとかけたりして、調味料として上手に活用しましょう。そしてもう1つはオリーブオイルです。
自宅で作る料理もほとんどオリーブオイルを使ってみましょう。糖の吸収を遅らせてくれる働きがあるので、例えば糖質たっぷりのパンもオリーブオイルと一緒に食べれば血糖値の上昇が緩やかになります。実際にその効果を示す研究データも出ています。オリーブオイルは、できれば良質なエキストラバージンオイルがベストです。
4.白いご飯は”冷まして”食べる
☞主食は白米よりも玄米がベタです。炭水化物の何もかもがダメなわけではありませんが、血糖値の急上昇を促す糖質の割合が多い白米はあまりおすすめはできません。夕食に白米を食べたい時は、朝食や昼食を玄米や雑穀入りご飯にするなどしてバランスを考えましょう。白いご飯をどうしても食べたい時は、冷やご飯にするのもおすすめです。
消えたご飯は、でんぷん質が固まることにより、食物繊維と同様の働きをするレジスタントスターチ( 難消化性でんぷん)という成分が増加します。つまり、同じ白米のご飯でも、ご飯が冷えた状態で食べるお寿司やおにぎりなどが、食物繊維を多く含む主食と同じような効果が期待できるのです。
5.甘いもののちょこちょこ食べはNG
☞仕事をしながら、または家事の合間などに、ちょこちょこ甘いものをつまんでつまんで食べたりしていませんか。チョコレートやクッキー、キャンディなどのちょっとしたお菓子だと、つい油断して断続的に口にしてしまいがちですが、こういった習慣はNGとなります。
血糖値が下がらない状態を維持させることになるため、糖化を早めます。また、急いで食べないことは血糖値の急上昇を防ぐことの1つでもありますが、甘いものはゆっくり味わいつつも1回で食べきるようにしたいものです。おやつを口にするなら安全と食べ続けることはせず、おやつタイムを決めて、適量を食べ終えたら切り上げるようにしてください。
6.血糖値を一気に上げる菓子パンはやめる
☞コンビニなどで売られている菓子パンは、食べないに越したことはありません。成分のほとんどが糖質で占められているため、食後の血糖値を急上昇させる上、糖質以外、体にとって役に立つ栄養素がほとんど入っていません。しかも、善玉コレステロールを低下させ、悪玉コレステロールを増加させるトランス脂肪酸や、前述したような食品添加物もたっぷり。
もちろん、好きな食べ物をずっと我慢しているとストレスになりますから、絶対にダメと禁止する必要はありません。ストレスは美肌の大敵ですし、自分のメンタルを守るためにもたまにはOKという、いい加減さも大事となります。でも、時々食べるご褒美スイーツは、なるべく高品質なものを選んでください。
そうしたメリハリが、正しい食事術を習慣化するモチベーションになるはずです。
7.「ノンシュガー」の表示に騙されない
☞近年の健康志向で、無糖、ノンシュガー、シュガーレスと糖分カットをアピールしする商品が多く登場しています。
ただし、これらの表示があっても、糖分が全く含まれていないわけではありません。また、砂糖が使われていなくても、食品添加物として人工甘味料が使われているケースも多く、取り過ぎは避けたいところです。
また、「ノンシュガーだから大丈夫」という意識で甘いものを取ることが習慣化してしまうことも良くない点です。日常的に甘いものを食べたり飲んだりしていると依存が生じ、甘いものがないと我慢できなくなってしまいます。味覚は習慣や慣れの部分が大きいもので、機能性食品に頼り切ることなく、ヘルシーな食生活を実現させていきたいものです。
8.水を一日1.5~2.0リットル飲む
☞水分補給をしっかりすると、血中の糖の濃度が薄まり、血糖値が下がります。毎日1.5~2リットルを目安に水分を取ることを習慣にしましょう。水分は水以外のもの(例えばお茶やコーヒーなど)でとってもOKです。ただし、清涼飲料水など糖分を多く含む飲み物はご法度です。
ドリンク類(液体状の食品)は、固形物に比べて急激に消化管に入り、血糖値をスパークさせてしまうのです。清涼飲料水のほか、一見健康に良さそうな野菜ジュースやフルーツジュースも、実は糖分が多いので要注意となります。ヘルシーで美容に良さそうなイメージがありますが、飲みすぎないように用心する必要があります。
9.食後に軽い運動をする
☞食後の血糖値の急上昇を抑える方法として、運動も効果的です。糖尿病患者の方が食後に運動を進められているのもそのためです。また、体を動かしてエネルギーを使うことは、AGEを溜め込まないことにもつながります。食後30分から1時間くらいしたら、10分ほどウォーキングなどの有酸素運動をしましょう。
または、軽いストレッチをするだけでも血糖値の急上昇を抑える効果があります。これはおやつにスイーツや甘いドリンクを口にしたあとの「糖化軽減策」としても有効です。糖質たっぷりのドリンクを飲んでしまった後は、ひと駅分歩いて移動してみてはいかがでしょうか。
10.過食をしない、急いで食べない
☞糖質を摂りすぎると血糖値は急上昇します。ですから、主食や甘いものをドカ食いは禁物。これは今までの解説ですんなりとご理解いただけるでしょう。実は血糖値の上昇スピードには、「食べる量」だけではなく、「食べ方」も大きく関わることがわかっています。 同じ量の糖質をとっても、短時間で取るほど血糖値の上昇スピードが早くなるのです。
つまり、大急ぎでかき込むような食べ方は、血糖値の急上昇を招くということです。多忙な仕事や家事に追われ、女性でも早食いが習慣になってる方は少なくないかもしれません。それでも、可能な限り食事はゆっくりと、夜間で30分以上、できれば1時間以上の時間をかけて味わうようにしたいものです。
また、食事を抜くことを習慣にするのも避けましょう。お腹ペコペコの状態だとついドカ食いをしてしまうこともありますし、食事を抜いて空腹の時間が長く続くと、その後糖質を取った時に血糖値の激しい急上昇が起こりやすくなります。特に朝食を食べないのは最悪の習慣といってもよいでしょう。
朝食を抜くと、昼食後と夕食後の血糖値が上がりやすくなるという研究報告もあります。食事は、ひとかみを大切にすることが美と健康につながります。常識として言われ尽くされていることでありますが、これが美と健康の王道だと心得ましょう。
次回、「細胞をサビつかせる悪習慣」~紫外線や過度な運動には要注意!~
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